本単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、クイズを作る活動を通して、必要な事柄を選ぶ力や、相手の発言を受けて話をつなぐ力を身につける。また、ヒントの内容や順番を考える中で、情報と情報との関係について理解できる力を養う。
単元の評価基準
知識・技能
- 事柄の順序など情報と情報との関係について理解している。
思考・判断・表現
- 「話すこと・聞くこと」において、身近なことや経験したことなどから話題を決め、伝え合うために必要な事柄を選ぶことができる。
- 「話すこと・聞くこと」において、互いの話に関心をもち、相手の発言を受けて話をつないでいる。
主体的に学習に取り組む態度
- 二人で粘り強く話し合い、学習課題に沿って協力してクイズを作ろうとしている。
単元の展開【全2次(4時間)】
第1次(1時)学習の見通しをもつ
① 「これは、なんでしょう」クイズをする。
教師:「先生、クイズを考えてきました。『これは、なんでしょう』クイズです。今からヒントを4つ言うので、何について言っているか当ててください。」
教師:「ヒント1、丸い形をしています。これは、なんでしょう。」
児童:「ボールですか。」
教師:「ボールではありません。ヒント2、数字が書いてあります。これは、なんでしょう。」
児童:「なんだろう。まだ、わかりません。」
教師:「ヒント3、いつも動いています。これは、なんでしょう。」
教師:「ヒント4、時間がわかります。これは、なんでしょう。」
児童:「わかった、時計です。」
教師:「正解です。」
② 学習の目標を確かめる。
教師:「二人で相談して、『これは、なんでしょう』クイズを作りましょう。」
③ 二人でペアになり、クイズにする物を決める。
教師:「クイズにする物は、学校にある物から選びましょう。」
④ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、クイズのヒントを考えましょう。」
第1次(2時)クイズのヒントを考える
① 学習の見通しをもつ。
教師:「『これは、なんでしょう』クイズのヒントを考えましょう。」
② どんなことをヒントにするといいか、全体で考える。
教師:「先生の考えたヒントです。どんなことについて書かれているでしょうか。」
- まるい。
- すうじがかいてある。
- いつもうごいている。
- じかんがわかる。
児童:「『まるい』は、形です。」
教師:「そうですね。他はどうでしょう。」
児童:「『すうじがかいてある』は、物の見た目かな。」
児童:「動くかどうかについても書かれているね。」
教師:「『じかんがわかる』は、時計の何について言っているでしょうか。」
児童:「時計の働きです。」
③ クイズにする物の形や働きなどを、ノートに書く。
教師:「クイズにする物の形や働きなどを、ノートに書きましょう。」
④ 二人で相談して、ヒントを4つ考える。
教師:「ノートに書いたことを見ながら、相談してヒントを4つ考えましょう。」
⑤ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、考えたヒントをどの順番で言うか、相談しましょう。」
第1次(3時)ヒントをどの順番で言うか、相談して決める
① 学習の見通しをもつ。
教師:「前回考えたヒントをどの順番で言うといいか、相談して決めましょう。」
② 教師の考えたヒントを参考に、どのように順番を決めるといいかを考える。
教師:「先生の考えたヒントを見て、答えが『時計』だと一番わかりやすいと思うヒントはどれですか。」
- まるい。
- すうじがかいてある。
- いつもうごいている。
- じかんがわかる。
児童:「『じかんがわかる』です。」
教師:「そうですね。では、そのヒントをいつ言ったかというと……」
児童:「最後に言っています。」
教師:「その通り。答えがわかりやすいヒントは、最後の方にすると、クイズをより楽しめそうですね。」
③ ヒントをどの順番で言うかを相談して決め、プリントに書く。
④ 誰が何を言うか役割を決め、プリントに書く。
⑤ 次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、みんなが考えたクイズを出し合って、楽しみましょう。」
【プリント例】

第2次(4時)クイズを出し合う
① 学習の見通しをもつ。
教師:「みんなが考えたクイズを出し合って、楽しみましょう。」
② 順番にクイズを出し合う。
教師:「もし、4つのヒントで答えがわからなかったら、どうしましょう。」
児童:「質問するのはどうですか。」
教師:「それはいいですね。4つのヒントを聞いてもわからないときは、質問をすることにしましょう。」
③ 単元の振り返りをする。
教師:「クイズは楽しかったですか。最後に、この学習の振り返りをしましょう。学習の目標は、二人で相談して、『これは、なんでしょう』クイズを作る、でした。では、相談してよかったことがありましたか。」
教師:「どんなよいことがありましたか。教えてください。」
児童:「ヒントを考えるとき、自分が思いつかなかったヒントに気づくことができました。」
児童:「どの順番でヒントを言うか考えるとき、ペアの人と相談したので、みんながクイズを楽しめる順番で言えたと思います。」
授業をふりかえって
本授業の学習目標には、「ペアの人と相談する」ことが含まれている。特に、3時間目の学習がその山場であり、みんながクイズを楽しむには、どの順番でヒントを言うとよいのか、ペアでじっくり考えさせたい。
参考・引用図書
光村図書『こくご 一下』
参考・引用URL
https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/5917/1031/2528/06s_k_nenkei1_03.pdf(光村図書HP内)
執筆者
MUKOせんせい
元小学校教諭としての経験を活かし、中学・高校でも講師として教壇に立つこと多数。現在は、子育てに奮闘しながら、現場で働く先生方をサポートするウェブライターとして活動中。
コメント