「あいうえおであそぼう」（光村図書1年国語）～平仮名をたくさん言ったり読んだりしよう～

本単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、言葉遊びを通して、口形や発声、発音に注意して話す力や、平仮名を読んだり書いたりする力を身に付ける。

単元の評価基準

知識・技能

• 姿勢や口形、発声や発音に注意して話している。
• 平仮名を読み、書いている。
• 長く親しまれている言葉遊びを通して、言葉の豊かさに気づいている。

主体的に学習に取り組む態度

• 平仮名の五十音を進んで確かめ、これまでの学習をいかして言葉遊びを楽しもうとしている。

単元の展開【全2次（3時間）】

第1次（1時）学習の見通しをもつ

①言葉遊び歌を聞き、口にする。

教師：「今日は、おもしろい言葉遊び歌を紹介します。では、聞いてください。」

教師：「みんな、覚えられた？　」

児童：「そんなの覚えられないよ！　」

教師：「実は、簡単に覚えられるんだよ。あやとり、いすとり……（『あいうえお』を促す。）」

児童：「あいうえお。」

教師：「かきのみ、くわのみ……（『かきくけこ』を促す。）」

児童：「かきくけこ。」

教師：「さんかく、しかく……（最後まで続ける）。」

教師：「みんな、言えるようになってきたね。もう一度、言ってみよう！　」

②教科書を読み、言葉遊び歌を文字で確かめる。

教師：「この言葉遊び歌は、教科書に書かれているよ。文字を指で押さえながら、読んでみよう。」

③言葉遊び歌の仕組みを考える。

教師：「上手に読めたね。次は、ちょっとだけ変身させようかな。」

教師：「ここに、他の言葉を入れたいな。どれにしようかな。」

児童：「『あめんぼ』がいいと思うよ。」

教師：「どうして、そう思ったの。」

児童：「『あ』から始まるからだよ。」

教師：「なるほど！　そうすると、次の言葉はどれがいいのかな。」

児童：「『えだまめ』がいいんじゃないかな。」

教師：「それは、なぜ？　」

児童：「あ行の言葉から始まるから！　」

④変身バージョンで読む。

⑤本時の振り返りをし、次回の学習の見通しをもつ。

（本時の振り返り）

• 言葉遊び歌を楽しんで言えた
• 言葉遊び歌を読むとき、文字を指で押さえながら読めた
• 変身バージョンを一緒に考えられた

教師：「次回は、言葉遊び歌をもっと変身させましょう。」

第1次（2時）言葉遊び歌を変身させる

①言葉遊び歌を言ったり読んだりする。

②言葉遊び歌を変身させる。

教師：「言葉遊び歌を1年〇組バージョンに変身させよう！　」

教師：「言葉遊び歌には、どんな仕組みがあったかな。思い出しながら、か行を一緒に考えよう。」

（言葉遊び歌の仕組み）

• その行の音から始まる言葉が二つ並ぶ（か行なら「か」「き」「く」「け」「こ」のどれかの音から始まる言葉）

教師：「この部分に入る言葉を考えてみよう。」

（例）

• かみなり　こわいな　かきくけこ
• かけっこ　ころぶな　かきくけこ
• からあげ　こげこげ　かきくけこ　

教師：「好きな行を変身させてみよう。」

③1年〇組バージョンを読む。

④本時の振り返りをする。

（本時の振り返り）

• 言葉遊び歌を楽しんで言ったり読んだりできた
• 変身バージョンを一緒に考えられた

第２次（3時）五十音表を読む

①学習の見通しをもつ。

教師：「五十音表をみんなで読みましょう。」

児童：「五十音表って何？　」

教師：「日本語の音が並んでいる表だよ。『あいうえお』から始まって、『ん』で終わるよ。文字を指で押さえながら読んでみよう。」

②五十音表をいろいろな方法で読む。

教師：「『あ』って言うとき、口はどんな形？　」

児童：「こんな形！　大きい口！　」

教師：「『い』はどうかな。」

（口の形のポイント）

• 「あ」は、指が3本入るくらい開ける
• 「い」は、口を横に引き延ばす（人差し指を左右の口元に当てるとわかりやすい）
• 「い」は、歯を食いしばらないようにする
• 「う」は、そうめんを一本すするくらいにしぼる
• 「え」は、「あ」の形で横に広げる
• 「お」は、うどんを一本すするくらいにしぼる

教師：「口の形に気をつけながら、ゆっくり五十音を言ってみよう。」

（読み方の例）

• 「あいうえお」「かきくけこ」のように、縦に読む
• 「あかさたな」「はまやらわ」のように、横に読む
• 一人一文字を担当して、順に読んでいく
• 席の列ごとに一行を担当して、順に読んでいく
• 歯切れよく読んだり、滑らかに読んだりする
• 大きな声で読んだり、小さな声で読んだりする

③みんなでしりとりをする。

教師：「たくさん言えたね。今度は、口の形に気をつけながら、しりとりをしよう。」

④復習プリントをする。

⑤単元の振り返りをする。

（単元の振り返り）

• 五十音表を読めた
• いろいろな読み方で五十音を言えた
• 口の形に気をつけて五十音を言えた
• 口の形に気をつけてしりとりができた
• しりとりになるように、ひらがなを書けた

授業をふりかえって

第2次（3時）では、口形に気をつけて平仮名を言ったり読んだりする活動を設定している。その際、タブレットのカメラアプリを使うと、インカメラで自分の口形を確認したり、写真を撮って周りの友だちと共有したりと活用できる。

口形に気をつけて発音すると、顔の筋肉に負荷がかかり子どもたちから「つかれた」という声が出てくることがある。「今日は顔のトレーニングの日だね。がんばろう。」と励まし、明るく楽しい雰囲気で授業を進めてほしい。

参考・引用図書

光村図書『こくご　一上』

参考・引用URL

https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/5917/1031/2528/06s_k_nenkei1_03.pdf（光村図書HP内）

執筆者

MUKOせんせい

元小学校教諭としての経験を活かし、中学・高校でも講師として教壇に立つこと多数。現在は、子育てに奮闘しながら、現場で働く先生方をサポートするウェブライターとして活動中。