「つぼみ」(光村図書1年国語)~つぼみクイズを作ろう~
- 本単元では、説明文を読む活動を通して、事柄の順序などを考えながら内容を捉える力や、文章の中の重要な語や文を考えて選び出す力を身に付ける。また、語のまとまりや言葉の響きなどに気をつけて音読する力を養う。
単元の評価基準
単元の評価基準
- 文の中における主語と述語との関係に気づいている。
- 語のまとまりや言葉に響きなどに気をつけて音読している。
思考・判断・表現
- 「読むこと」において、事柄の順序などを考えながら、内容の大体を捉えている。
- 「読むこと」において、文章の中の重要な語や文を考えて選び出している。
主体的に学習に取り組む態度
- 説明の順序を捉えながら文章を積極的に読み、学習課題に沿って分かったことや考えたことを伝えようとしている。
単元の展開【全3次(8時間)】
第1次(1時)学習の見通しをもつ
①花やつぼみについて、知っていることを話す。
教師:「みんなは、どんな花を知っていますか。」
(予想される児童の発言)
- たんぽぽ
- あじさい
- ひまわり
- さくら
教師:「みんなは、いろいろな花を知っているんだね。ところで、花の『つぼみ』って何だろう。知っている人はいますか。」
(予想される児童の発言)
- 花がさく前
- 丸い
- 小さい
- 木の枝についているもの
教師:「そうだね。花が咲く前に、小さく丸くなっているところのことだね。」
②「つぼみクイズ」をする。
教師:「いろいろな花のつぼみを見てみよう。」

教師:「さきがねじれたつぼみです。これは、何のつぼみでしょう。」
教師:「この中に、正解はあるかな。」

児童:「わかった! あさがおだ! 」
教師:「正解です。次は、このつぼみ。大きくふくらんだつぼみです。これは、何のつぼみでしょう。」
※同様に、「はす」や「ききょう」のクイズをする。
③「つぼみ」の範読を聞く。
④「つぼみ」の初見の感想を発表する。
(予想される児童の発言)
- いろいろなつぼみが出てきておもしろかった
- つぼみの形が全部ちがっておもしろかった
- さいた花がきれいだった
- 本時の振り返りをし、次回の学習の見通しをもつ。
(本時の振り返り)
- 花やつぼみについて、知っていることを話せた
- つぼみを見て、どんな花が咲くか予想できた
- 「つぼみ」を聞き、感想を言えた
教師:「次回は、みんなで『つぼみ』を読みましょう。」
第2次(2時)文章の書かれ方に気づく
①「つぼみ」をみんなで読む。
教師:「文章を指でなぞりながら読んでみましょう。」
②「つぼみ」の文章の書かれ方に注目する。
教師:「『つぼみ』を読んで、文章の秘密に気づいた人はいますか。」
- それぞれの花について、「問い」→「答え」の順に書かれている
- 「答え」の後に、花の様子が詳しく説明されている

(児童の発言を促す言葉例)
- クイズをするときの問題みたいだね
- クイズを出したら、次に何を言うかな
- 答えの後には、何が書かれているかな
③文章の書かれ方に気をつけながら、「つぼみ」をみんなで読む。
教師:「『つぼみ』には、文章の秘密がつまっていたね。秘密を確かめながら、みんなで読みましょう。」
④本時の振り返りをし、次回の学習の見通しをもつ。
(本時の振り返り)
- 「つぼみ」を読めた
- 「つぼみ」の文章の秘密に気づけた
教師:「次回は、『つぼみ』を詳しく読みましょう。」
第2次(3~5時)それぞれの花について書かれていることを読み取る
①「つぼみ」をみんなで読む。
②それぞれの花(あさがお、はす、ききょう)の「問い」と「答え」を確かめる。
教師:「『つぼみ』には、『問い』と『答え』が書かれていたね。○○(あさがお、はす、ききょう)の『問い』はどれかな。」
③役に分かれて、「つぼみ」を読む。
教師:「問いを言う人と、答えを言う人に分かれて読みましょう。」
④質問に答える。
教師:「つぼみクイズをするよ。答えを教科書から見つけてね。」
【あさがおクイズ】
問1:あさがおのつぼみは、どんな形をしていますか
答え:さきがねじれた形
問2:あさがおの花は、どのように広がりますか
答え:ねじれたところがほどけて、だんだんと広がっていく
問3:あさがおは、どんな形の花ですか
答え:丸い花
【はすクイズ】
問1:はすのつぼみは、どんな形をしていますか
答え:大きくふくらんだ形
問2:「いちまい いちまい」は、何のことについて説明していますか
答え:花びら
問3:はすの花は、どのように咲きますか
答え:様々な方向に広がって咲く
【ききょうクイズ】
問1:ききょうのつぼみは、どんな形をしていますか
答え:風船のような形
問2:ききょうの花は、開くときにいくつに分かれていますか
答え:五つ
問3:ききょうの花は、途中からどのように咲きますか
答え:つながったまま咲く
⑤本時の振り返りをし、次回の学習の見通しをもつ。
(本時の振り返り)
- 「問い」と「答え」がどこに書かれているか分かった
- 「問い」と「答え」に気をつけながら「つぼみ」を読めた
- 教科書からクイズの答えを見つけられた
教師:「(3時と4時)次回も、『つぼみ』を詳しく読みましょう。」
教師:「(5時)次回からは、『つぼみ』クイズを作りましょう。」
第3次(6時)クイズを作るために、図鑑でいろいろな花のつぼみを見つける
①学習の見通しをもつ。
教師:「図鑑でいろいろな花のつぼみを見つけましょう。見つけた中から、クイズにしたいものを選びましょう。」
②図書室で活動する。
③本時の振り返りをし、次回の学習の見通しをもつ。
(本時の振り返り)
- 必要な本を探し、見つけられた
- いろいろな花のつぼみを見つけられた
- クイズにしたい花のつぼみを選べた
教師:「次回は、クイズを作りましょう。」
第3次(7時)つぼみクイズを作る
①学習の見通しをもつ。
教師:「つぼみクイズを作りましょう。画用紙を2枚使って、紙芝居のようにします。」
②つぼみクイズを作る。
(1枚目)


※1枚目の裏には、問いを書く。問いには、つぼみの形を加えて書く。
(2枚目)


※2枚目の裏には、①答えと②説明を書く。説明には、つぼみの広がり方や花の形を書く。
③本時の振り返りをし、次回の学習の見通しをもつ。
(本時の振り返り)
- つぼみクイズを作れた
教師:「次回は、作ったクイズをみんなで解き合いましょう。」
第3次(8時)つぼみクイズを解き合う
①学習の見通しをもつ。
教師:「作ったクイズを解き合いましょう。」
②ペアになってクイズを解き合う。
③前に出てクイズを発表し、みんなでクイズを解く。
④本単元の振り返りをする。
(単元の振り返り)
・「つぼみ」をいろいろな方法(一人で、役に分かれて等)で読めた
・問いと答えがどこに書かれているかを見つけられた
・クイズを作ったり、友だちのクイズを解いたりできた
授業をふりかえって
本単元では、説明的文章を読み、「問い」と「答え」という文章構成に着目させることが求められている。本授業では、児童らにとって、身近な「問い」と「答え」はクイズであると考え、「つぼみクイズ」を組み込んだ。
単元の導入では、教師から児童へのクイズ、そして、単元のメイン課題では、児童から児童へのクイズを採用した。まずは、「問い」と「答え」の形式でクイズを作ることを目標とし、説明については、児童らの学習の進捗度を測りながら調整してほしい。
参考・引用図書
光村図書『こくご 一上』
参考・引用URL
https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/5917/1031/2528/06s_k_nenkei1_03.pdf(光村図書HP内)
執筆者
MUKOせんせい
元小学校教諭としての経験を活かし、中学・高校でも講師として教壇に立つこと多数。現在は、子育てに奮闘しながら、現場で働く先生方をサポートするウェブライターとして活動中。

コメント