本単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、学習ゲームを通して、経験したことや想像したことなどから書くことを見つける力や、文章を書く活動を通し、必要な事柄を集めたり確かめたりして、伝えたいことを明確にする力を身に付ける。また、書いた文章を読み合うことを通して、文章に対する感想を伝え合い、自分の文章のよいところを見つける力を養う。
単元の評価基準
知識・技能
- 言葉には、事物の内容を表す働きや、経験したことを伝える働きがあることに気づいている。
思考・判断・表現
- 「書くこと」において、経験したことや想像したことなどから書くことを見つけ、必要な事柄を集めたり確かめたりして、伝えたいことを明確にしている。
- 「書くこと」において、文章に対する感想を伝え合い、自分の文章のよいところを見つけている。
主体的に学習に取り組む態度
- 出来事や経験を積極的に思い出し、これまでの学習をいかして日記に書こうとしている。
単元の展開【全4次(6時間)】
第1次(1時)学習の見通しをもつ
①「こんなことがあったよ! ビンゴ」をする。
(「こんなことがあったよ! ビンゴ」のルール)
- ビンゴカードの「したこと」「みたこと」「きいたこと」の欄に、自分のことを短く簡単に書く(自由欄は、自分でテーマを選んで書く)。
- 友だちとビンゴカードを交換して、自分が「したことがある」と思ったところに〇をつける。
- タテ・ヨコ・ナナメのどれかが全部〇でつながったら「ビンゴ」。〇がつかなければ、自分だけのレア体験!

②本時の振り返りと、次回の学習の見通しをもつ。
(本時の振り返り)
- テーマに沿って、自分のことを書けた
- みんなとビンゴを楽しめた
教師:「次回は、経験したことをみんなに伝える文章を書きましょう。」
第2次(2時)「したこと」を伝える一文を書く
①一学期に撮った写真を見て、学校でどんなことをしてきたか振り返る。
②写真を選び、「したこと」を伝える文章(一文)を書く。
教師:「写真を一枚選び、自分が『したこと』を伝える文章を書きましょう。『ぶんしょうめいじんポイント』を使って書けると、さらにいいですね。」
(ぶんしょうめいじんポイント)
- いつ
- だれと
- どこで
- なにをした

③「ぶんしょうめいじんポイント」をいくつ使えたか確かめる。
教師:「『ぶんしょうめいじんポイント』をいくつ使えたかな。自分の文章を読み直して、ポイントが使えているところを赤で囲みましょう。」
④本時の振り返りをし、次回の学習の見通しをもつ。
(本時の振り返り)
- 一学期に学校でしたことを振り返れた
- 選んだ写真に沿った一文を書けた
- 「ぶんしょうめいじんポイント」を使って文章を書けた
教師:「次回は、『みたこと』『きいたこと』を伝える文章を書きましょう。」
第2次(3時)「みたこと」「きいたこと」を伝える一文を書く
①「みた・きいたことバトル」をする。
1.班になり、順番を決める。
2.自分の番になったら、カードを一枚めくる(カードには、「みたこと」か「きいたこと」のお題が書かれている)。
3.お題に沿って、簡単に話す(テーマが難しければ、パスもあり)。
4.話すことができたら、カードをゲット! より多くのカードを手に入れよう。
(お題例)
- (見て/聞いて)びっくりしたこと
- (見て/聞いて)わらっちゃったこと
- (見て/聞いて)すごいと思ったこと
- (見て/聞いて)こわかったこと
- (見て/聞いて)たのしかったこと
- (見て/聞いて)ふしぎだったこと
②「みたこと」「きいたこと」を伝える一文を書く。
教師:「いろんなテーマに沿って、お話しすることができたね。次は、文章で伝える番です。「みたこと」か「きいたこと」のどちらかを選んで、一文を書きましょう。今お話ししたことでもいいし、新しいことでももちろんいいです。『ぶんしょうめいじんポイント』を使って書けると、さらにいいですね。」

③「ぶんしょうめいじんポイント」をいくつ使えたか確かめる。
教師:「『ぶんしょうめいじんポイント』をいくつ使えたかな。自分の文章を読み直して、ポイントが使えているところを赤で囲みましょう。」
④本時の振り返りをし、次回の学習の見通しをもつ。
(本時の振り返り)
- 与えられたテーマについて、お話しできた
- 「みたこと」「きいたこと」についての一文を書けた
- 「ぶんしょうめいじんポイント」を使って文章を書けた
教師:「次回は、『おもったこと』を伝える文章を書きましょう。」
第3次(4時)「おもったこと」を伝える文章を書く
①学習の見通しをもつ。
教師:「これまでに『したこと』『みたこと』『きいたこと』を伝える文章を書きました。今日は、その文章に『おもったこと』を付け加えましょう。」
②例文を読み、「おもったこと」について書かれている文を見つける。

児童:「あべさんは、花火がきれいだと思ったんだね。」
児童:「『いつまでも見ていたい』とも思ったんだな。」
③「おもったこと」を付け加えた文章を書く。
教師:「これまでに書いてきた文章を選び、『おもったこと』を付け加えましょう。」

※「したこと」「みたこと」「きいたこと」のプリントの空いているところに貼り付けられるようにする。
④本時の振り返りをし、次回の学習の見通しをもつ。
(本時の振り返り)
- おもったことについて、文章を書けた
第3次(5時)清書をする
①学習の見通しをもつ。
教師:「みんなに『こんなことがあったよ』と伝える文章を完成させましょう。」
②プリントに清書する。

③文章を読み返し、書き間違いがないか確かめる。
④文章に合った絵を描く。
⑤本時の振り返りをし、次回の学習の見通しをもつ。
教師:「次回は、みんなの書いた文章を読み合いましょう。」
第4次(6時)友だちの文章を読む
①学習の見通しをもつ。
教師:「書いた文章を読み合いましょう。文章を読んで『いいな』と思ったところを『○○で賞』で伝えましょう。」
②「○○で賞」の説明を聞く。
教師:「例えば、文章を読んで『おもしろい』と思ったら、どんな賞にするといいかな。」
児童:「『おもしろいで賞』はどうかな。」
(「○○で賞」の例)
- びっくりで賞
- やさしい気持ちで賞
- ふしぎで賞
- こわいで賞

③書いた文章を読み合い、「○○で賞」を書く。
④単元の振り返りをする。
(単元の振り返り)
- 伝えたいことを文章に書くことができた
- 友だちの文章のよいところを見つけられた
- 「○○で賞」を見て、自分の文章のよいところを見つけられた
授業をふりかえって
本授業では、「こんなことがあったよ! ビンゴ」や「みた・きいたことバトル」などのゲームを取り入れることで、書く題材を身近に感じられるようにし、自然と「書きたい」という気持ちを引き出せるようにした。
また、「ぶんしょうめいじんポイント」を活用することで、どのように書くとよい文章になるのかを意識しながら学習を進められるようにした。
授業の最後には、「○○で賞」という形で、お互いの文章のよいところを見つけ合う活動を取り入れた。「おもしろかったで賞」や「びっくりで賞」などを通して、友だちの文章のよさを認め合いながら、自分の文章を読んでもらえたという達成感も味わってほしいと考えている。
参考・引用図書
光村図書『こくご 一上』
参考・引用URL
https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/5917/1031/2528/06s_k_nenkei1_03.pdf(光村図書HP内)
執筆者
MUKOせんせい
元小学校教諭としての経験を活かし、中学・高校でも講師として教壇に立つこと多数。現在は、子育てに奮闘しながら、現場で働く先生方をサポートするウェブライターとして活動中。

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