本単元で身に付けたい資質・能力
- 本単元では、班での対話を通し、集めた材料を比較したり分類したりする力や、互いの意見の共通点や相違点に着目して、考えをまとめる力を身に付ける。
単元の評価基準
知識・技能
- 考えとそれを支える理由や事例について理解している。
思考・判断・表現
- 「話すこと・聞くこと」において、目的を意識して、日常生活の中から話題を決め、集めた材料を比較したり分類したりしている。
- 「話すこと・聞くこと」において、目的や進め方を確認して話し合い、互いの意見の共通点や相違点に着目して、考えをまとめている。
主体的に学習に取り組む態度
- 互いの意見の共通点や相違点に着目して考えをまとめ、学習の見通しをもってグループで話し合い、考えを整理してまとめようとしている。
単元の展開【全2次(3時間)】
第1次(1時)意見を出し合う
①学習の見通しをもつ。
教師:「一学期は、いろんな係活動に取り組んできました。どんな係活動があったかな。」
教師:「もっと素敵なクラスにするためには、どんな係があるといいか、みんなで話し合いましょう。」
②「あったらいいな」と思う係を一人一枚付箋に書く。
教師:「もっと素敵なクラスにするために、あったらいいなと思う係を一つ書きましょう。」
③班に分かれて、模造紙に付箋を貼り、みんなの意見を確かめる。
教師:「まとめられる意見はあるかな。付箋を動かして、比べたり分けたりしましょう。」
④本時の振り返りをし、次回の学習の見通しをもつ。
(本時の振り返り)
- 「あったらいいな」と思う係を付箋に書けた
- みんなの意見を確かめ、比べたり分けたりできた
教師:「次回は、ほしい係について、詳しく話し合っていきましょう。」
第1次(2時)グループで話し合い、考えを整理する
①本時の学習の見通しをもつ。
教師:「班で対話しながら、クラスに必要な係を考えましょう。」
②前回出た意見を確認して、その係がほしい理由や目的、仕事内容を出し合う。
教師:「話が止まってしまったり、質問してみたいと思ったりしたときは、次のような言葉を言ってみよう。」
- どんなときに役立つ?
- どんな仕事をする?
教師:「話し合いのときに、次のような言葉が出てくるといいですね。」
(その意見がいいと思ったとき)
- それって○○のときに役立つね
- ○○という目的(仕事)は、いいね
(意見を付け加えたいとき)
- もっとこうすればいいかも
- ○○の他にも、できることはないかな
- ○○するのはどうかな
③出し合った意見を紙に整理する
教師:「あったらいいなと思う係を一つにまとめましょう。」
教師:「意見を合体させてもいいですが、全部合体させてしまうと、その係の仕事が多くなりすぎて大変なので、仕事内容は二つまでにまとめましょう。」
(意見が多くてまとめにくいとき)
- 優先順位をつける
- 共通点を見つける

④本時の振り返りをし、次回の学習の見通しをもつ。
(本時の振り返り)
- クラスに必要な係について、その目的や仕事内容を話せた
- 必要な係を一つにまとめられた
- 出された意見を聞いて、質問したり考えを足したりして、考えを広げられた
教師:「次回は、整理した内容を発表しましょう。」
第2次(3時)整理した内容を発表する
①本時の学習の見通しをもつ。
教師:「前回まとめた内容を、みんなに発表しましょう。」
教師:「発表を聞いたら、一言カードを書いて提出します。カードには、『その係があったら○○なクラスになるかも』を書きます。」
②班ごとの発表を聞き、一言カードを書く。

③班ごとに、もらった一言カードを読む。
④単元の振り返りをする。
(単元の振り返り)
- 付箋に書かれた意見を見て、比べたり分けたりできた
- 出された意見を聞いて、質問したり考えを足したりして、考えを広げられた
授業をふりかえって
本授業の2時間目では、班ごとに話し合いを行い、クラスにとって必要だと思う係を一つにまとめる活動を行う。この際、「まとめる=すべての意見をそのまま合わせること」にならないよう、話し合いの中で優先順位をつけたり、共通点を見つけて集約したりするよう適宜アドバイスを行う。
係の仕事内容については、多くても2つ程度に絞ることで、内容を具体的かつ現実的に考える視点を持たせるようにする。あれもこれもと詰め込みすぎることで、役割がぼやけてしまわないよう注意したい。
また、話し合いの途中で言葉が出てこず、流れが止まってしまう場面も想定されるため、「こんな言葉を使うといいよ」「たとえばこんな聞き方があるよ」など、対話のための言葉の例を事前に提示しておきたい。
参考・引用図書
光村図書『国語 三上』
参考・引用URL
https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/8417/1031/2992/06s_k_nenkei3_03.pdf(光村図書HP内)
執筆者
MUKOせんせい
元小学校教諭としての経験を活かし、中学・高校でも講師として教壇に立つこと多数。現在は、子育てに奮闘しながら、現場で働く先生方をサポートするウェブライターとして活動中。

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