1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
この説明文では蝶が花をつけるために、何を手がかりにしているのか3つの実験をして調べています。花を見つけるための条件は〈色〉なのか〈形〉なのか〈におい〉なのかをさぐっています。土の実験で何を明らかにしているのかを学習しました。
まず実験は5段落、9段落、11段落でおこなっていることを確認してから
発問1 5段落では、色について調べています。何色と何色と何色と何色を比べていましたか?
(子どもたちの答え)
- 赤
- 黄色
- 紫
- 青
教科書に書いてあるのですぐに見つけて、返事が返ってきました。次に
発問2 9段落、11段落では〈色〉〈形〉〈におい〉の中から、何かと何かを調べています。それぞれ3つのうち何と何を調べているのでしょうか?
班ごと4人に集まって話し合いをおこなってもらいました。意見が一致したところから結果を黒板に書いてもらいました。
黒板に書いてもらうと、
9段落:〈色〉と〈におい〉 …… 1~9班
11段落:〈色〉と〈形〉 …… 1~9班
すべての班が同じ結論でした。黒板に書けたところでこう尋ねました。
発問3〈色〉〈形〉〈におい〉の中で、実験をして調べているものは何ですか?
これも黒板を見るとすぐに分かりました。「色だ、色」
〈色〉については、手を変え品を変え、いろいろな実験をしていることが分かります。
5段落では、何色の花によく集まるかということ。9段落では、においも関係しているのか調べるために、造花を使ったり、11段落では、形に関係があるのか色紙を使って調べています。
こうして、この説明文は〈色〉について主に書かれていることを確かめました。最後に、この説明文のなかで、一番大切だと思う段落を探してもらいました。
発問4 この説明文のなかで、一番大切な段落は何段落でしょうか
この問いも班ごとで考えさせると、全員が〈2段落〉と考えました。課題提示を最も大切だと考えた。「これでは違います。もう一度考えましょう」というと「えっ」という顔をして、再び話し合っていました。次に出たのが14段落でした。
〈14段落が大切と考える理由〉
- “このような実験から~”と書いてあるから。
- 実験の結果が書いてあるから。
- “色によって花を見つける”14段落にある。
- “このような実験~”のところで最後の結果が書いてある。
- “赤い花は見えないらしい”という言葉があって、このような結果だから。
このように結果・結論を述べてある文であるのが14段落であることを押さえました。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年1月時点のものです)
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
班活動を中心に、子どもたちが話し合いながら進めていく実践です。実際に考えたり、話し合いをしたりすると、子どもたちも楽しく勉強できると思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 宮嶋隼司)
コメント