志望動機や自己PRを書く際によくある3つの疑問

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5月中旬〜下旬が提出の締め切りとなっていることが多い、志願書類。今まさに書こうとしているという人も少なくないことと思います。ここで、志望動機や自己PRを書く際によくある3つの疑問について取り上げます。

【1】 フツーの学生(社会人)なので、特にPRするべきことが見当たらないのですが…

自分にはPRすることがないと感じたとしても、それは、自分自身が「自己PR」のハードルを高く考えすぎているからかもしれません。

自己PRで重要なのは、客観的に素晴らしい実績かどうかということではなく、「何をどのように取り組んできたか」ということ。つまり、結果よりも過程が重要なのです。その意味では、実績の大小それ自体は、さほど重要ではありません。運動部で全国大会出場などの実績を持っている人は有利ではと思われたりしますが、それはその実績そのものが評価されたというより、その実績を達成するまでのプロセスが優れていたと評価されたからだと理解しましょう。ですので、「自分はフツーだ」と思っている人も、次のような観点で自己PRにつながるエピソードを探してみましょう。

●チームの一員として達成した経験はないか

たとえ、部長やキャプテンなどの役職に就いていなかったとしても、そして、部活動やサークルなどでなかったとしても、チームで何かを成し遂げたことがなかったかを振り返ろう。もしもあれば、さらに、そのときに自分がどのような役割を果たしていたかを客観的に考えてみましょう。チームで仕事をする際に貢献ができることのアピールができます。

●子どもの頃に身につけたことで、今でも継続していることがないか

「長い間、一つのことを続けている」ということは、それ自体で一つの価値でありえます。加えて、そのような経験はほとんどの場合、身につけたことと別に何かを学んでいるはず。上述のように必ずしも大きな実績につながっていなくても構わないので、あらためて振り返ってましょう。

●「最近になって始めたこと」はないか

2番目と逆の内容になりますが、大学に入学してから教師になることを意識して始めたことがあれば、それは、目標に向かって具体的に行動をしていることの証明になります。ですので、なぜ始めようと思ったか、やり始めて気付いたこと(課題)が何か、それをどのように解決しようとしているかといったことを掘り下げていくと、十分にアピールできる内容になります。

【2】「めざす教師像」を考えると、自治体が掲げている求める教師像と同じような内容になってしまうのですが、どうすればよいでしょうか?

どのような立派な理念を掲げても、「この人は現実の教育現場のことがわかっていない」と判断されてしまうと、高い評価を得ることはできません。自治体が掲げている「求める教師像」や「めざす教育」は、必ずしも具体的ではないことがほとんどなので、必要なのは、これらを自分の言葉で説明できるようにすることです。

そのためには、教育現場をリアルに理解することが重要です。小学校・中学校・高校時代の恩師や、大学の先輩ですでに教師として働いているOB・OGに連絡を取って話を聞くようにしましょう。これは、民間企業の就職活動であればOB・OG訪問として、仕事の理解を深めるために必ず行っていることです。また、面接等を見据えると、可能な限り、ボランティアなどで学校で子どもたちと触れ合う機会を作ることも大切です。

【3】どうしても、平凡な内容になってしまいます。「自分らしい自己PR」にするにはどうしたらよいでしょうか?

①具体例  ②数字 ③仕事目線 の3つを「必要な視点」として盛り込みましょう。このことを、Before&After形式で示すと次のようになります。

【Before】

私は、サッカー部のマネージャーとして選手を支え、地区リーグでの優勝をサポートしました。さまざまな雑用を進んでこなし、選手のために私なりに陰ながら努力をし続けました。マネージャーであってもいつもチームの一員だという気持ちで試合に臨み、選手の様子を見て、一人ひとりが望むサポートをすることができたと思います。

・「さまざまな雑用」「私なりに陰ながら努力」など、具体例がなく、何をしたのかがわかりません。
・「私なりに」「一人ひとりが望むサポートをすることができたと思います」は、主観的な内容で、あまり説得力がありません。

【After】

私は、サッカー部のマネージャーとして、週に6日、練習がある日は練習開始時間の1時間前にはグラウンドに行って準備をし、練習中も1年生から4年生までの選手50人について、気付いたことを毎日メモし、タイミングを見て本人にも伝えていました。そのほか、後片付けや洗濯はもちろん、試合会場の手配や各チームへの連絡も担当し、黒子としてではありますがチームを主体に考えることで優勝に貢献することができたと思います。このように、自分にできることを積極的に見つけて全体をどのようにサポートできるかを考えられるのが私の強みだと思います。

・具体的な数字があり、何をどれくらいしていたのかがわかりやすい。
・「教師になってからどのように働いてくれそうか?」という採用側の関心に応えてくれる内容になっています。

ちなみに、使わない方がよい表現は?

意識して入れるべき要素が「具体例」「数字」「仕事目線」である一方で、使わない方がよい表現は以下のようなものになります。

●具体性のない精神論
「やると決めたことには努力を惜しみません」
「粘り強く努力します」
「最後までやり抜きます」 など

●根拠がアヤシイ誇張した表現
「何事も〜」
「常に〜」
「誰にも負けません」 など

●耳障りはよいが曖昧な表現
「さまざまな」
「あらゆる」
「たくさんの」
「かけがえのない」
「自分なりに」
「できるだけ」 など

借り物の言葉ではない、あなたらしい志願書類を

以上が、ありがちな疑問に対しての解決です。これらを参考に、借り物の言葉ではない、あなたらしい志願書類を提出するようにしてください。

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