防災教育ワークショップ~災害時のトイレやおむつを何とかしよう!~

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作成者: Kenya Miyazakiさん

1 はじめに

この記事は2016年5月8日(日)に行われた熊本・大分震災チャリティイベント内の防災教育ワークショップ「EDUPEDIAとみんなで考える防災教育2016」のコンテンツとして行われた内容を、家庭・学校・地域で活用できるコンテンツとして再構成したものです。

2 参考資料・テキスト

この授業では参考資料・テキストとして東京都が発行している冊子『東京防災』を使用します。『東京防災』は下記のURLで閲覧、プリントアウトすることができます。

▼『東京防災』を使うときの注意事項

『東京防災』を使用するときは、必要最低限のイラストや文章しかないことに注意しましょう。授業者(教員・指導員)はイラストや文章を事前によく確認して、イメージ通りに指導できるかどうかチェックしておくことが必要です。

【リンク】「防災ブック「東京防災」(200-202ページ)

また、学校教育用に防災ノート「東京防災」も公開されています。小学校、中学校、高校版がありますので、各校の状況に応じて活用できます。

【リンク】防災ノート「東京防災」

3 テーマ『災害時のトイレ(排泄)・おむつを何とかしよう!』

災害時の備えや対策において重要なのは「他の人に代わってもらえないもの=自分や家族で解決しなければならないこと」を優先的に考えることです。一番分かりやすいのがトイレです。トイレに行きたくなったとき、行けるようになるまでガマンし続けることはできません。今この場にあるものを有効に活用して対応する必要があります。
ご自宅のトイレを活用していただくのが一番ですが、車中泊やテント泊など、屋内に入れない場合や、すぐ近くに使える仮設トイレがない場合もあります。その「最後の手段」として考えられるのが「ダンボールやビニール袋、新聞紙など身近なものでつくるトイレ」です。
おむつについては、児童生徒には直接関係のないテーマですが、赤ちゃんもトイレは重要な問題であること、いざというときの工夫を知っておくことが大切であると知ってもらうために、時間的に余裕があればご紹介いただきたい内容です。

▼ 防災教育ポイント①

学校の授業等で行う場合は、まず「トイレがなかったらどうなる?」ということを問いかけることからはじめてみましょう。「大変」「困る」といった意見が出てきたら「なにが、どう大変なのか」「どんなことで困るのか」、「その後、どうするか」などを、事前に考えさせるようにします。課題についてよく理解したあとに、解決策として、携帯トイレの備えや、断水時の家庭のトイレの使い方などを指導します。指導にあたっては、下記のホームページを事前に確認し、資料をダウンロードして配布するなどの工夫をすると効果的です。
【リンク】災害用トイレガイド-NPO法人日本トイレ研究所

▼ 参考指導案

【リンク】EDUPEDIA記事『プリント1枚で防災教育シリーズ~災害時のトイレアクションを学ぼう!~』

【ダウンロード】災害時のトイレをなんとかしよう!指導案
指導案はExcelでダウンロードして、自由に編集・再利用してください。

4 段ボールトイレづくりと工夫、コツ

段ボールトイレづくりは「最後の手段」であることを児童生徒に伝えます。また、使える場面も限られます。個室が必要ですし、音や臭いへの対策も必要です。もし段ボールトイレづくりを授業や防災訓練に取り入れる場合は「作らせる」ことを目的にするのではなく、いろいろな課題解決策を考える機会を与えてから、作業に取り組むようにしてください。
段ボールトイレづくりも授業や防災訓練のなかに取り入れる場合は、下記のポイントを参考にしてください。


・使うものはみかん箱程度の段ボール箱が2箱、ビニール袋(45L~)、新聞紙(見開き2枚程度)
・ハサミやカッター、ガムテープがあると作業しやすい。
・1箱は穴を開けて「便座」として、もう1箱はくずして4隅を支える、重ねるなどして「補強」に使います。(下記ページを参照)。
【リンク】災害トイレ情報ネットワーク
・✕「補強」がないと、座って体重がかかった瞬間に壊れて、穴の部分からおしりがスポン!と落ちてしまいます。
・◯「トイレっぽさ(背もたれ、便座フタなど)」があると、気持ちが少し楽になります。
・◯ 断水時の家庭のトイレを使うときと同様に「1枚目のビニール袋を便座をあげてから便器(用のダンボール)にかける」→「便座(用のダンボール)を閉じてから、もう一枚を便座(用のダンボール)の上からかける」→「新聞紙1枚を四角く折りたたんで底にしく」→「新聞紙1枚を細かく割いて丸めて入れる」という順番で行うことで、うんちやおしっこの漏れを防ぎ、衛生的に使うことができます。
・年齢、性別、体格、クセなどでトイレの形も変わるので「自分(あるいは家族)ならこうする」という方法を、事前に考えて実践しておきましょう。

5 ビニール袋おむつの作り方

★注意★これはあくまで「最後の手段」としての方法です。子どもはかなり嫌がりますし、ある程度の年齢・月齢だと自分で外すことも。トイレも、おむつも「いつもの」が使えることが大切です。子どものおむつや携帯トイレは、備蓄として重要です。1週間程度はおむつ等を買い物に行かなくてもよいくらい、備えておくと安心です。

[1]レジ袋、フェイスタオル、ハサミを用意する

[2]取っ手部分、両サイドを切る

[3]両サイドを切るときはモレ防止に袋部分は残す

[4]フェイスタオルを袋のサイズに合わせてたたむ

[5]背中側の取っ手部分をお腹まわりに合わせて、少し引っ張って伸ばしておく

[6]背中側の取っ手部分をおなか側にまわして結び、おなか側の取っ手部分を結び目の内側から通す

[8]おなか側でくるくる丸めて完成!

6 ビニール袋おむつづくりと工夫、コツ

ビニール袋でのおむつづくりを授業や防災訓練のなかに取り入れる場合は、下記のポイントを参考にしてください。
・使うものはビニール袋(レジ袋)とフェイスタオル、はさみ
・ムレたり汚れたりするので「他に手段がない!」ときの対策として考える
・子どもの体格によってビニール袋やフェイスタオルのサイズは異なる
・ビニール袋の取っ手部分、両サイドを切って広げる
・フェイスタオルをたたんで広げたビニール袋にしき、背中側の取っ手部分を前にまわして結び付ける
・おなか側の取っ手部分を、結びつけた背中側の取っ手部分に通してから丸めておく
・お腹周りがきついときは、袋を大きくするか、破けない程度に引っ張って伸ばす

防災教育ポイント②

トイレは「誰か」の問題ではなく「みんな」の問題なのです。赤ちゃんからお年寄り、車いすの方や外国の人も同じです。「自分や家族のトイレのこと」についての課題や解決策を学ぶことができたら、身近な助けが必要な人たちのことにも目を向けるように指導し、ひとりひとりが備えていくことの大切さを伝えます。

7 おわりに

私たちひとりひとりが、家庭が、地域が、事前に携帯トイレを備えたり断水した家庭のトイレを有効に使えるようになったり、段ボール等でトイレを工夫して作ことができることで、いざというときでも安心して食事や水分をとることができるようになります。
授業の進め方は様々ですが、「災害時のトイレ」はぜひ取り入れていただきたい防災教育のテーマです。本記事がその参考になれば幸いです。

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