1 新聞記事から材料を収集し,提案する意見文を書く事例
この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。
添付ファイル
単元の目標
自分の課題について調べ,考えを明らかにしながら集めた材料を効果的に使って,読み手に提案したい意見を書くことができる。
教材
教科書教材(意見文例)
主な学習活動
(1)単元の指導計画 (11時間)
(2)本時の学習
- 意見文の構成のモデルを示し,構想メモのイメージをつかむ。 (構想メモの内容:伝えたい自分の考え,必要な資料,構成など)
- 記事からどんなことを強く感じたか,どうすべきだと考えているかについて今の自分の考えを短く記述する。
- 自分の考えを述べるための構成を書き,構想メモを作成する。
- 構成の中で,自分の考えの根拠となる資料や事実を表す資料としてどのようなものが必要か考え,メモさせる。その際,資料の目的(~を伝えるため)を明確にしていく。
- 構成メモを基にして,意見を伝えるための構成として効果的になっているかペアで意見を交流する。特に,伝えたい意見と資料の種類や内容が合っているかに着目する。
- 自分の構成メモを見直し,修正する。
【言語活動の充実の工夫】
1. 自分の意見をもつための課題設定の工夫
国語科の授業以外にも日常的に取り組む活動(常時活動)として新聞を読み,気になる新聞 記事を集める活動を取り入れている。こうした活動を布石として行うことにより,児童が自分の意見をもつきっかけを得て,無理なく意見文の課題設定を行うことが可能となる。
この他に,例えば環境問題や人と人とをつなぐ言葉遣いの在り方など,児童が関心をもつようなテーマの本を学級文庫にそろえておいて,自由に手に取れるようにするなどの支援も有効である。
2. 自分の考えを明確にしていく学習過程の工夫
意見文を書く学習の過程において,自分の意見を見直しながら,より明確なものにしていくことが重要になる。そのため,課題設定の段階のみならず,取材,構成,記述,推敲,交流の学習過程を貫いて,資料の見直しや不足資料の収集,ペアで意見交流,助言し合う活動など, 絶えず自分の考えを見直す場面を位置付けている。
また,課題について考えて,解決策を「提案」するという目的や,その提案に基づいて読み 手に具体的な行動を促すという意図を位置付けることによって,自分の考えと具体的提案とのつながりや,提案の妥当性,説得力などについて考えることができるようにしている。
3. 意見文の構成上の特徴を押さえて構成する指導の工夫
文章構成の指導においては,どのような種類の文章を取り上げて指導するのかを明らかにすることが重要である。本事例においては,意見文の中でも「提案」するための文章を書くこと となる。こうした文章の構成上の特徴を踏まえ,自分の考えや具体的提案とそれを訴えるための文章の構成を「構想メモ」にまとめ,構成について繰り返し見直す学習活動を位置付けてい る。また,記述後の推敲場面のみならず,構成の段階でも相互評価を取り入れ,自分の考えを 効果的に伝える構成を工夫できるようにしている。
なお,構成の指導に当たっては,既習の「読むこと」の学習における説明的な文章の構成についての指導と関連させて指導することが有効なものとなる。
引用元
文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm
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