大きな声で歌えるように ~「村まつり」を例に

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声が出にくい

音楽の時間、朝の会、子供たちを歌わせようとしてもどうも声が出ないという時があります。声が出ないのは、特に何か原因があるわけでもない場合もあるかもしれません。ただ、何となく、大きな声を出す習慣がないというか、大きな声を出すきっかけをつかめないというか、気分が乗らないというか、なかなか壁を打ち破ることのできない状況になることがあります。
そんな場合に、子供たちが声を出しやすくなる「紅白歌合戦」をすると効果が出ることがあります。もちろん、元々声が十分に出るクラスでやっても大変盛り上がることと思います。

.必ずしも男子対女子でなくてもかまいませんが、とりあえず、男子対女子パターンを紹介しておきます。やり方は簡単、単純に4小節や8小節程度に区切って、男女を交互に歌わせるだけです。
「今から、紅白歌合戦をします。」
「ただ大声を出して歌うだけではだめですからね。」
と、釘を刺しておきましょう。

「大声大会ではないので、美しい声で歌いましょう。大きく美しい声を出した方が勝ちです」

と言っておかないと、だみ声で無茶苦茶になってしまいます。もし、それでも無茶苦茶になりそうだったら、一度止めて、やり直させるといいです。
小学生のうちは、本気を出せば男子の声は美しいボーイソプラノになり、かなりきれいです。男子が有利かもしれません。どちらが勝ったとしても、「ものすごく接戦だったけど、女子の声もきれいんだけど、男子が凄かったワ。男子の勝ち!」とか言って、判定をしてあげるといいと思います。

勝ったらバイバイ

男子対女子ではなく、班対抗で半分ずつに分けて、対抗戦にしても面白いです。
終わりの会や、授業の終わりに対抗戦をして、勝ったら帰る、あるいは運動場に遊びに行かせるように仕組んでも面白いでしょう。8つの班があるとして、

(1・2・3・4班)vs(5・6・7・8班)→(1・2・3・4班)の勝ち→(5・6班)vs(7・8班)→(7・8班)の勝ち→5班vs6班→5班の勝ち→6班

といった形で負け残りで歌わせると、より緊張感が高まります。
「勝ったらバイバイ」と言っておいても、子供たちの何人かは教室を出て行かずに残っていますので、最後に負け残った班(6班)が歌うことになった際には、
「周りのみんなも一緒に歌って応援してあげてね」
と言って、負け残った班を盛り上げてあげるといいと思います。

或いは、負けたらバイバイにして、勝った班は歌い続けることができるでもいいです。

数小節を交替で歌う

班ごとに数小節を交替で歌わせるのも面白いです。特に、歌詞の内容が難しい時はまあまあ最後まで歌えるまで続けるのもいいです。たとえば、「村祭り」。
1番の歌詞はそこそこ歌えるのですが、2番・3番は言葉が難しくて声が小さくなります。

年も豊年満作で(1・2班)
村は総出の大祭り(3・4班)
ドンドンヒャララ ドンヒャララ(全員)
ドンドンヒャララ ドンヒャララ(全員)
夜までにぎわう宮の森(5・6班)

実りの秋に神様の(7・8班)
めぐみたたえる村祭り(1・2班)
ドンドンヒャララ ドンヒャララ(全員)
ドンドンヒャララ ドンヒャララ(全員)
聞いても心が勇み立つ(3・4班)

そこで上記のように、2番から1行ずつ、8班までに割り当てます。言葉が出なかったり、小さい声は「アウト―」と教師が判定し、はじめからやり直させます(1番は簡単なので2・3番だけでいいと思います)。2番のはじめを間違えた班からスタートに変えます。
ドンドンヒャララ ドンヒャララは、全員で「ドン」の所で足踏みをしながら歌います。面白くて元気が出過ぎて大声大会になってしまいましたが、それはそれで楽しくてよかったです。

単純な方法でも

こんなに単純な方法であっても、子供たちの声がぐっと前向きに大きく、恥ずかしがらずに出るようになってくるから不思議です。声量のあるないは、クラスによって少々の差はありますので、ある程度の声量が得られればOKということにしましょう。基本時に子供たちは歌うことが好きですし、きっかけさえつかめれば声は出るようになります。これはいわゆる「つかみ」です。早いうちに子供たちの心をつかんで、大きく美しい声を出させて、大いに褒めてあげましょう。教師もいつでも歌声を披露して、自然に歌えるクラスにしていけるといいですね。私は時々、ミュージカルのように歌い出します(笑)。
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