そもそも、生徒指導って?

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幅広い、生徒指導の概念。

「生徒指導」というと、風紀の乱れや暴力行為など、いわゆる問題行動があった際に教師が行う指導や、朝、校門に立って服装や頭髪の指導などをしている場面が思い浮かぶかもしれない。しかし、それは「生徒指導」のほんの一側面にすぎない。子どもたちが社会に出るに当たって学校で身に付けさせる学力以外のものは、ほとんどすべてが生徒指導 によって身に付けさせるものだと言える。それだけ幅広いのが生徒指導という仕事だ。

しかも、日常生活への指導や価値観の形成に関わるだけに、生徒指導は教科の知識が指導の軸となる授業よりも、一層難しい面が多いだろう。生徒指導の仕事には、大きく分けると「事前防止」「事後対応」「再発防止」の3つの段階がある。以下で、それぞれについて説明をしよう。

生徒が問題を起こした時だけではないのが生徒指導。

「事前防止」は、ホームルームの時間などに各学級担任が問題行動についての注意喚起を行ったり、「それがなぜいけないか」を子どもたちに考えさせたりする時間を設けること だ。また、生徒指導部の教師を中心として、 通学中や放課後の子どもたちの様子を見回る・見守ることも含まれる。「事後対応」は、問題行動を起こした子どもへの改善指導が主な仕事となる。内容によって担任が行う場合もあれば、生徒指導部(生徒課と言ったり、呼び方は多様だ)の教師が行うこともある。
ただ、大きな「問題」とまでは言えないことであっても、授業中に寝ている生徒を起こしたり、私語をしている生徒を注意したりするような、日常的な指導も その1つだ。

また、万が一、学校内外で子どもたちが問題行動を起こした時には、学級担任がすぐに現場に急行して指導を行う。その後の指導案をまとめ、その案について職員会議で話し合ったりするケースもある。

とはいえ、問題行動に対しては注意や処分をして終わりというわけではない。ここからが「再発防止」だ。学級担任は、「なぜ問題行動を起こしたのか」 「再び問題行動を起こさないためにはどうすればいいのか」などを子どもたちとじっくり話し合う。問題によっては、保護者も交えて話し 合いを持つこともあるし、子どもたちの自宅に出向くケースもある。さらに、外部の機関や専門家と協力して再発防止に取り組むこともある。ほかにも、教育相談を充実させて学習に対する不安をなくすことや、励ましの言葉を 増やし、自己肯定感を育てるといった日ごろの支援も取り組むべき指導の一環として挙げられる。

生徒指導には、 学校全体で一貫した指導が必要だ。

生徒指導では、対応しなければならない問題が多く、中には卒業するまで指導を繰り返す必要があるような子どもたちもいる。そのため、「ストレスの多い仕事だ」というのが実感かもしれない。しかし、時にはその場面では子どもたちに嫌われるとわかっていても、守らせるべきものはきちんと守らせる必要がある。それこそが真に子どもたちを思う姿勢だと言い切る教師は少なくない。教師の仕事は、子どもたちにいい顔を向けることだけではできないのだ。ただ、新任の教師の多くは、褒めることは意識したり、そんなに抵抗がなくできたりするが、子どもをきちんと叱ることはうまくできないもの。

また、生徒指導の基本は、公平・公正で あることとされている。教師の言うことが日によって違っていたり、同学年の教師間で認識が違っていたりすると、子どもたちも混乱してしまう。場合によっては、教師を信用できなくなってしまうこともある。そのため、生徒指導 の方針は、その学校の教師の中で統一して行うことが大切である。

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