1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
電気を貯めることができるコンデンサーについて学習をした。使い方を説明したあとに
コンデンサーに電気を貯めて、豆電球を点けてみよう。
豆電球、モーター、電子ブザー、発光ダイオードがコンデンサーで動くことを確かめた。
次に、
ハンドルを回す回数を変えると、蓄えられている電気の量は変わるだろうか。
〈 変わる 〉36人
- ハンドルを回す回数が増えれば、蓄えられる電気の量も増える。
全員の子が、ハンドルを回せば回すほど、蓄えられる電気の量は増えると予想した。そこで、
ハンドルを回す回数と豆電球が点く時間を調べよう。
ハンドルを回す回数は、20回、40回、60回とし、コンデンサーに蓄えられた電気で豆電球が何秒つくかを調べた。
結果が共有できるように、excelでグラフ化をおこなった。
予想どおり、ハンドルを回す回数が増えるほど、豆電球が点く時間が長くなった。
次に、電気の消費量について考えた。
まず、手回し発電機で、手ごたえの大きさ比べをおこなうと、手ごたえの大きな方から次の順になる。
豆電球 → モーター → 発光ダイオード
結果から考えられることは、どんなことですか。
- 手ごたえの違いは、使う電気の違いなのではないだろうか。
- 豆電球とLEDでは手ごたえが違う。
こうした仮説を取り上げて、
豆電球・電子ブザー・発光ダイオードで、ハンドルを回す手ごたえが違うのは、使う電気の量が違うからなのだろうか。
〈 違う 〉36人
全員が〈 違う 〉と考え、手ごたえの小さい発光ダイオードは、使う電気の量が小さいと考えた。
- ハンドルを強く回さないと、豆電球は光らないから。
- 発光ダイオードは省エネ、と聞いたことがある。
そこでこのことを確かめる実験をおこなった。
手ごたえと消費する電気の量を調べよう。
- ハンドルを100回転して蓄電する。
- コンデンサーの電気で豆電球の点灯した時間を計る。
- モーター、発光ダイオードについても同様に調べる。
班ごとに、豆電球の点灯時間を調べ、用意したパソコンに数値を入力する。
発光ダイオードの電気の消費量の少ないことを視覚化するために、excelを利用した。
結果
・豆電球30(s) ・モーター1'15(s) ・発光ダイオード19'00(s)
excelファイルに入力された各班の数値を平均し、グラフ化した。こうすることで、結果を視覚的に共有することができた。
発光ダイオードを点灯させるためには、ハンドルを100回程度回転する必要がある。これは容量の大きいコンデンサーを使用しているので、電圧が上がりにくいためである。ダイオードが点灯するには2V以上が必要で、電圧を上げるためにより多く回転する必要がある。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
手回し発電機を回して光らせた時の手ごたえの違いから、電気の消費量の違いを導き出す指導案です。発光ダイオードは豆電球と比べて電気の消費量が少なくて済むんだよ、と口頭での説明で終わることなく、手ごたえの違いを実感することでより知識として定着するのではないかと思いました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 内藤かおり)
コメント