やまなし~五月と十二月を対比してみよう2

対比

「やまなし」は「五月」「十二月」という2つのまとまりからできていて、それを宮沢賢治は「私の二枚の幻灯」と表現しています。凝った言葉を使う宮沢賢治にしてみると、「五月」「十二月」はかなりシンプルな題名です。私は、2つのまとまりの中で書かれているテーマを対比するために、敢えて宮沢賢治はシンプルな題にしたのではないかと思っています。

この二枚がそれぞれ何を表しているのかを考えさせることは、「やまなし」を理解させる大きなヒントになってくると思います。作品を読み、授業を進めていくうちのまとめにさしかかるあたりで、「五月」「十二月」が何を表しているのかを考えさせるといいと思います。

「五月」「十二月」を他の題に変えてみよう

「五月」「十二月」という何やらシンプルな題名であるのを、他の題に改めさせてみます。例えば、子供たちによって次のような題名がつきます。

「五月」→
命の戦い・命のうばい合い・死んだクラムボン・クラムボンは殺された・悪い魚・カバの花びら・こわいかにの世界・魚の悪いこと・おそわれた魚・悪いことって、何?・二人の見たもの・生きて死ぬ・弱肉強食の世界・食べる食べられる・天ばつ・お魚の罰・・・・・

「十二月」→
いいにおい・明日はイサドへ・やまなし・おいしいお酒・カニの兄弟のけんか・金剛石・共に生きる・かげぼうし・美しい金雲母・けんかをしてたら・三つの影法師・月光のにじ・幸せな世界・争いのない世界・・・・・

実際にはもっと色々と、中にはかなり外れた題名も出てきますが、なぜそのような題名をつけたのか、理由も話し合わせます。「五月」「十二月」のそれぞれにぴったりくる題名はどれかを考えさせていくうちに、五月と十二月が対比されていきます。

「五月」「十二月」を象徴しているものは何か

題を変えてみるという小細工をするのではなく、もう少しズバリと、「象徴」という言葉を使って、「五月」「十二月」で作者が何を表したかったのかを煮詰めてみてもいいかもしれません。「象徴」は難しいので、「五月や十二月の内容をよく表している言葉」と言い直してあげるといいでしょう。作中の言葉でもいいですし、自分が考えた言葉を使わせてもいいと思います。

「五月」→
悪・カワセミ・死・争い・コンパス・黒・・・・・

「十二月」→
いいにおい・豊か・平和・幸せ・イサド・共生・やまなし・金・・・・・

なぜそれらの言葉を選んだのか、理由を述べさせていくといいでしょう。五月で作者は何を表したかったのか、十二月では何を表したかったのか、その二つを並べることによって何を伝えたかったのか。

そういったことを考え、意見を交換する課程で、この物語のテーマがぼんやりと見えてくることと思われます。

「やまなし」で宮沢賢治が伝えたかった事は?もご参照ください。

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