「自然とふれあうことで学ぶ理科」(はなまるサポート)

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目次

1 概要

この実践は(株)教育同人社の許可を得て、「はなまるサポート」の学習指導ポイント一覧の実践を転載しています。
実践の続き(無料)をご覧になりたい方は最下部のURLからお願いします。
また、以下のURLから実践がPDFでダウンロードできます。
添付ファイル

2 はじめに

本記事は、小学3年生「太陽と地面の様子」・小学4年生「空気や水の性質」の学びを深めるためのフィールドワークについての実践記事となります。上記URLを参照することで、小学5年生「流水の働き」・小学6年生「月と太陽」についてのフィールドワークの実践をご覧いただくことができます。

3 3年生「太陽と地面の様子」

概要

扱う単元…B区分 地球(地球の表面)・日陰の位置と太陽の動き ・地面の暖かさや湿り気

 A区分の問題解決の学習過程をきっちりと身につけ、定着させましょう。

「比較する」ことを通して、問題のもち方を教え、見通しをもたせた学習展開を体験させる。

1学期に行なったA区分「風やゴムのはたらき」の問題解決の過程をここで、しっかりと定着させることを目的としてみましょう。そのために有効なのがノート指導です。
授業の前にかならずねらいをノートに書かせることが重要です。

問題設定・・・「日向と日陰の比較」から問題設定を丁寧に指導し、自分で設定させよう

日向と日陰の位置の変化とそれぞれの様子を十分観察させて、違いを見つけさせましょう。

  • 草の生えかた
  • 地面の湿り気
  • 地面の温度
  • 気温
  • 明るさ
  • 時間によって様子が変わる。

などに気づかせたい。

そして、そのちがいから「違いをおこさせている原因はなんでしょう?」と、問いかけます。
すると、

ア・「暖かいから草がよく生えている、日が当たるから暖かいんだね。」

イ・「日陰が湿っている、日が当たらないと乾かないんだ。」

ウ・「日向は明るいね、太陽が当たると明るいんだ。」

@<color>{#0000ff,エ・「日陰は、寒いね。太陽の日が当たらないと気温が低
いね。今度、温度計で計ってみようよ。」}

オ・「日陰と日向のようすは、時間で変わっていく。だから、日陰も日が当たると日向のようになる。」など

これらの問題意識を土台に「事象の違い原因の共通項は、太陽の存在、あたり方である。」という「見方や考え方」を子供たちが共有します。このことから、太陽の光の働きや動きによって、変わっていくものを追究していこう。という問題をもたせます。

そこで、ノートに「観察した事象とその原因」を上記のように気づいたこととして記録させます。そして、話し合って、共通の原因は「太陽が原因だ。」と抑えたあと、太陽の何をはっきりさせれば、解決できそうかを話し合って、その結論を書かせます。(太陽の動きと太陽のはたらき)

問題設定

A「太陽の動きをはっきりさせたい、太陽がひなたや日陰をつくるのはどのようなときだろう。

B「太陽の働きをはっきりさせたい。日向と日陰はどのようにちがうか…温度、明るさ、湿り気…に ついてはっきりさせよう。」

そして、ノートにきちんと、予想、実験観察の内容を書かせましょう。

A・・・日陰は太陽の光が遮られる時にできる。時間によって陰の出来方が違う。

*ここで、「陰の出来方が違う。」ということを詳しく実験してみよう。ということから、棒を立てて時間ごとに長さをしらべるが、影の長さのちがいは、日向の温度も違う」という関係性にも考察できることが良い。

そのためには、太陽の働きの結果と影の長さの結果とを関係させてみる場が必要となる。

日陰→日光を遮るとできる(影)→棒を立てて、影の長さを測る
というように実験の根拠を示すことができるようにしたい。

B・・・日向と日陰の温度、明るさ、湿り気はどのようにちがうのだろう。
*それぞれ、「日向の方が温度が高いだろう」というように予想を立てて、実験させていく。

*地面の温度を測るにはこの器具が優れ物・・・放射温度計

3年生のこの時期、ぜひノートの記録の仕方をきちんと指導しましょう。
必ず記載することは日付、天候、温度(室温、気温、できれば湿度)

学習過程がわかるように・・・
 1問題*(設定の理由も)
 2予想*(予想の理由も)
 3実験・観察の計画*(図などを使って)
 4結果*(表などにする、気がついたことも記述させる)
 5結論*(考察の過程を記録させる)

4 4年生「空気や水の性質」 A区分粒子(粒子の存在)

この単元の指導のポイントは、「子供自身で問題を作って、検証していく」そのための手立てを工夫してください。

そのために、まず、空気を実感する事象提示を考えよう。

そこで、空気を閉じ込める物を工夫する。

そして、空気が入っている事実として言える、工夫をする。例えば、ヨーヨーにつかう水風船と空気だけの風船を比較することから気づいたことを出させて、問題設定をおこなうなど。とにかく、閉じ込めた空気の手応えが感じられるマヨネーズなどの容器を見つけましょう。注射器は、問題解決の実験器具として導入するのがいいと思います。その理由はメモリがあって、量が明確で数値化できるからです。

また、はじめから水と比べる事象提示もいいでしょう。そして、常に、「水と比べると・・・」という言葉が入る活動になっていきます。見える状態の水と見えない空気との比較から、推論を働かせてイメージ図を想像させて見ましょう。

配分時間は5時間程度となっていますが、ここは8時間~10時間をかけて、問題解決の学習過程をじっくり指導していきたいですね

5 5年生「流水の働き」・・・B区分地球(地球の内部)

実際に川にいけない学校では、映像教材や模型、立体地図などの情報から問題を持てるような提示がされることと思います。

そして、≪川の水の流れの勢い、力≫の大きさというに視点で問題意識を共有します。ここから、水の流れの勢いについて要因を分析していくと、
・流れる水の量 ・川自体の傾き(斜面角〉 の二つが大きな要因でしょう。

そこで、検証の場ですが、5年生の能力育成目標である「条件制御」の力を育てる指導の展開を考えてみましょう。上の二つの条件で水勢による地形の変化をモデル実験として設定します。同じにすることは、水を流す表面の地形と流される物(砂と土を粘土を混ぜ、板や箱に敷く)です。

①侵食、運搬,堆積という流水の働きを実感させましょう。

写真は、平成19年度東京都小学校理科教育研究会の教材開発部に紹介された板橋区立高島第六小学校分部光一先生の作品です。傾きを一定にして、水の量を変えたり、水を一定にして傾きを変えたりして、流れる土砂の量を図ります。

また、川の出来方を見るために、型紙をとって、流れの状態を観察します。参考にして見てください。原文は都小理紀要19号に詳しく載っています。

また、近くに川があれば、ペットボトルに水をいれて、重さを計り、それを川に入れて、引っ張られる力を実感するのもいいでしょう。

下の写真は、多摩川で、約2キロのペットボトルおもりを流し、バネばかりで川が引く力をはかっているところです。

②川の上流、中流、下流と川原の石

川原の観察が一番望ましいです。

しかし、できないところは多いでしょう。そこで、写真を活用しながら、学校では、標本の石を用意するといいです。

また、川原の部分写真を見ながら、その場所にある石の特徴をださせて視点を明確にしてから、全体写真をみせ、全体の特徴をつかんでいくのがいいでしょう。

 この写真から分かることは、・角がない ・平たい感じ ・石の間に粘土らしきものが堆積している・小石の重なりから流の状況は右が上流。予想としては中流域である。

実践の続き

続きははなまるサポート本サイトでご覧下さい。

http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2011/10/3/4.php

6 実践者紹介

初等教育研究所
太田 由紀夫 プロフィール

元東京都小学校理科教育研究会副会長、現全国構造学習研究会常任講師。
小学校のときから理科大好き人間。部活は中高大と生物部で蝶を追いかけていました。それがきっかけで山登りも好きになりました。

理科教育の楽しさを子供たちや先生方に知ってもらいたくて、この仕事をさせていただいています。また、地域のボランティアとして鮎も遡上するきれいに復活した多摩川で地域の方々と共に「多摩川で泳ぐ会・探鳥会」を続け、子供たちに自然の中で遊ぶ楽しさを味わわせてています。

7 サービス紹介

同社の「はなまるサポート」では、若い先生のための授業ヒント集として、毎月の学習指導ポイントを細かく解説をしたり、不明点や疑問点などを無料で相談できたりします。
http://www.djn.co.jp/support/

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 阿部由和)

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