理科室に来るのが楽しみになる!

理科室に来るのが楽しみになる!~「あー、よかった」というつぶやきが聞こえる理科室に~

1 子どもが満足する時

理科室での授業が終わって、「あー、よかった。」という満足のつぶやきが聞こえるのは、どんなときでしょうか。たとえば、返されたテストの点がよかった時、自分の意見が取り上げられた時、実験が成功した時、予想が当たった時、楽しいできごとがあった時、観察スケッチがうまく描けた時、などでしょう。すべてがこれらに共通していることは、『教師のほめ認めるチャンスでもある』ということです。そのチャンスを最大限に生かすことが、子どもの「あー、よかった。」の満足のつぶやきを増やすことになるのです。返されたテストが100 点ならば、その子はそれだけで認められたと思い、満足するでしょう。さらに、教師がテストを返す際に返されたテストが100 点ならば、その子はそれだけで認められたと思い、満足するでしょう。さらに、教師がテストを返す際に、「パーフェクト、最高! 」と声をかけてあげれば、より満足の笑顔を見せてくれるでしょう。

では、95 点だったら、どうでしょうか。「この間違えた問題は、ちょっと難しいんだよ。それ以外が完璧なんて、すごいね。」というフォローをします。60 点だったら、どう言いましょうか。「回路のつなぎ方が分かっていて、うれしかったよ。」と、できたところを認め、教師の気持ちを伝えます。

実験や観察、考察をする場面でも、成功したりうまくいったりして喜んでいる子どもたちをほめたり、認めたりするのは当然です。うまくいかなかった子どもたちも、何らかの工夫をしているはずです。「この幼虫の様子を強調して描いたんだね。なるほどね。」というように、認めていきましょう。

このように理科の授業では、他の授業よりほめるチャンスや認めるチャンスがたくさんあります。そうしたチャンスを確実にとらえ、教師が言葉にしていけば、子どもは理科室に来るのが楽しみになります。

ポイント①【教師がほめるネタを見つけて、それを声に出す。】

2 理科室でのきまりを明示する

年度の初めは、教師がいいこと探しをして、理科室でほめられたり、認められたりする機会を多くします。「理科室の座りづらい椅子に、背筋を伸ばしていてえらいね。」「上手に机の上を整理しているね。」「実験の時は、言われなくても教科書やノートはしまっているね。」など、手本となる行動をほめます。
しかし、2 週間もすれば、基本的な行動は軌道に乗ってきます。ある時から、ただほめるだけでなく、ある基準に従ってほめたり認めたりしていることを教えます。つまり、どうしたらほめ認められるか、何がほめ認める価値のあるものか、価値付けを教えていくのです。

学級における学級目標に添った行動は、学級の誰にでも評価されるものです。それと同じことを、理科室でもやってみます。理科室にも「理科の学習目標」を設定して、評価の対象を設けて人的な環境整備をするのです。私は、理科室での学習目標を「りかちゃんルーム」という合い言葉にしました。これは、学習目標のアクロスティックなのですが、同時に理科室の愛称にもしています。

学習目標「りかちゃんルーム」とは、
  :理由を‥ ‥ なるほどと思えるわけ
  :科学的に‥ ‥ 正しい数字や事実など根拠を示すということ
ちゃんちゃんと言い‥ ‥ 誰にも分かる言葉遣いで話す( 書く) こと
ルー :ルールを守って‥ ‥ 学校生活のきまりを守ること
  :夢中になる部屋‥ ‥ できた・わかったの笑顔でいっぱいにすること

なのです。これが具体化されるのが授業であるということを、教師も子どもも共有するようにしています。教室の学級目標と同じように理科室の見やすいところに掲示して、時々、読むようにしています。

もちろん、言っただけではだめで、示しただけでも意味がありません。それができたときに、きちんと評価し認めていくことが大切です。

ポイント②【きまりは、ほめたり認めたりする基準として使う。】

3 りかちゃんルームで楽しい理科室に

学習目標「りかちゃんルーム」に見合った行動をする子がいたら、すかさず評価することが大切です。たとえば、次のようなことです。

「り」では、理由を言おうとして「なぜなら」という言葉を使って言い出した子がいたら、すかさずほめます。その意見が正しかろうと間違っていようと、理由を言おうとしている点を認めるのです。すると、よい習慣が身に付き、「か」「ちゃん」につながる理由を言おうと深く考えるようになってきます。

植物の成長の観察では、「増えた」「大きくなった」だけでなく、「葉が6枚に増えていた」「一番大きな葉は7cm7mm で大きくなっていた」というように、数値化して表していることを評価します。「か」では、具体的な理由として、数値や速さ、色、時間などを書くように指導します。

ところで、ノートを提出させている先生は、多いことでしょう。1 つの実験・観察が終わるたびに集めたら、ABC などの評価を付けて次の理科の時間に返します。理科室で返されたノートを開いて、よい評価を見た時の子どもの喜ぶ顔は何とも言えません。もちろん、評価にちょっとがっかりしている子もいますが、そういう子にはコメントを書いてあげればよいのです。

コメントを付けるのを大変だという先生もいますが、「か」や「ちゃん」( 理科室の学習目標) などを意識させるようなコメントをします。

つまり、正しい事実を書いたことや、誰にでも分かる言葉遣いや表現の仕方ができたことを、「ちゃん」としてほめるのです。うまく表現できていない子には、具体例を示してあげます。

理科室では、ルールを守ることも大切です。ガラス器具をていねいに扱う子、片付けがきれいにできる子、話し合いのきまりを守っている子など、さらに学校のきまりを守っている子がほめられるような場にします。

ややもすると、守っていない子が叱責されてばかりという状態になりますが、まずはできている子をほめましょう。守っていなかった子も、そのほめ言葉を聞きながら修正してきます。ここが、「ルー」の最大のポイントです。

最後の「ム」の夢中になって取り組んでいるとはどんな状態か、具体的に示しましょう。

たとえば、4 年生の「季節と生き物」の関係では、観察範囲・使うもの・時間の注意をしたら、観察に行かせます。指示は、「その季節を代表すると考えられる植物や動物を最低5 つ探して、カードに絵か名前をかいてくる」だけです。決められた時間内に理科室へ戻ってきたら、そのカードをみんなで分類させます。その分類していく様子から、季節を代表する動植物が見えてきます。教師が発問や指示を出さなくても、子どもたちは「同じだね。」「こんなのがいたんだ、すごいね。」「この虫はどこにいたの。」などと言いながら、分けていくはずです。そんな様子に対して「よく気づいたね。それが夢中になってがんばっている姿だよ。」と評価します。

こうして、目標を示しただけでなく、評価を確実にすることにより、子どもたちが育ってきて楽しい理科室になります。

子どもたちの「あー、よかった。」というつぶやきがあふれる理科室にしていきましょう。

ポイント③【適切な評価を入れることにより、楽しい理科室となる。】

4 投稿者プロフィール

群馬県藤岡市立鬼石小学校 大谷雅昭先生
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動を推進している。また、「学びの場com」(http://www.manabinoba.com/index.cfm/1,html)の「教育つれづれ日誌」で、子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子を綴っている。

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