1 はじめに
この記事は、2013年9月21日の朝日新聞の連載記事「花まる先生」で紹介されたものです。
山口県岩国市立平田小学校の中村健一先生の実践です。
http://www.asahi.com/edu/articles/TKY201309210144.html
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「食べてみたい給食」がテーマの、楽しくスピーチをする授業です。
2 実践内容
単元名
食べてみたいな!こんな給食(特設)
(1)主眼
絵を指さしながら話すことができる。
(2)準備
食べてみたい給食の絵、スピーチ原稿(児童)、スピーチ審査用紙(人数分)
3 学習過程
前回の授業までに、スピーチ原稿が完成していることを前提としています。
※下記の原稿用紙がダウンロードできるリンク先を、本記事の最後に載せています。
(1)スピーチコンテストの審査ポイントを聞く。
- 審査ポイントを明示することで、スピーチの技能を意識させる。
※審査のポイント
1. 声がよく聞こえたか?…3点
2. 絵を指しながら説明していたか?…4点
3. 食べてみたいと思ったか?…3点
(2)審査ポイントに合わせて、スピーチの練習をする。
- 審査ポイントを意識して練習することで、スピーチの技能を上達させる。
- 隣の人と相互評価することで、自分のスピーチの技能を客観的に理解させる。
◎スピーチの練習に一生懸命取り組むことができる。(観察)
(3)班に分かれて、スピーチコンテストの予選を行う。
- 班代表を1人選ぶというルールでゲーム化し、子どもたちの意欲を高める。
- 少人数グループでスピーチすることで、話すことが苦手な児童の抵抗を減らす。また、聞き手の負担を少なくする。
◎絵を指さしながら話すことができる。(観察・児童の@<color>{#35a16b,スピーチ審査用紙)
※下記の審査用紙がダウンロードできるリンク先を、本記事の最後に載せています。
(4)班代表を選び、班代表のスピーチを見直す。
- 決勝戦を班対抗の形にすることで、予選落ちした児童の意欲を持続させる。
- 班で見直しをすることで、代表の児童のスピーチを上達させる。また、他の児童にもスピーチの技能を学ばせる。
(5)クラス全体で決勝戦を行う。
- クラスみんなの前でスピーチすることで、班代表の技能を伸ばす。
- 班代表のお手本スピーチを聞くことで、他の児童にも技能を学ばせる。
(6)ふり返りを書く。
- ふり返りを書くことで、この授業で学んだことが何なのかを言葉にかえ、学習化する。
◎この授業で学んだスピーチの技能を次回に活かそうとすることができる。(ふり返り)
4 編集後記
スピーチが苦手な児童や、人の話を聞くのが苦手な児童は、どのクラスにもいると思います。ただ、どんな児童でも食べてみたい給食はあると思います。そのような考えやすいテーマのもと、子どもたちのスピーチへの意欲を高める方法や、スピーチを聞くだけの子どもに対しても意欲を持続させる方法など、中村健一先生の工夫がたくさん散りばめられています。今回のスピーチのような授業はもちろん、他の授業でも活かせるものだと思います。本記事が、楽しいスピーチの授業を考えたい先生にとって、少しでも参考になれば幸いです。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 宇野元気)
5 実践者プロフィール
中村 健一
現在、山口県岩国市立平田小学校に勤務
キャッチコピーは、「日本一のお笑い教師」。「お笑い」と「フォロー」をいかした教育実践を行っている。また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの若手教師、学生に向けて講演も行っている。拙編著『思いっきり笑える爆笑クラスの作り方12ヶ月』(黎明書房)がダウンタウンの「アカン警察」に取り上げられたことが自慢。ちょっぴりお茶目な43歳。
主な著書に
『子どもも先生も思いっきり笑える73のネタ大放出!』
『教室に笑顔があふれる中村健一の安心感のある学級づくり』
『担任必携!学級づくり作戦ノート』(全て、黎明書房)がある。
6 参考文献
以下の資料は、本授業案が参考にした上記の参考文献の1部になります。
※下記の資料がダウンロードできるリンク先を、本記事の最後に載せています。
資料pdf
資料は全て中村健一先生からいただいたものです。
この実践を行う際は、以下の資料を印刷して参考にしてください。
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