甘い言葉と実際との大きな違い

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まずは作品サンプルをみせて目標設定を、はっきりとさせことは、創作活動においては児童の達成度合いを知るうえでも指導者は、一時的に設定値を固定化して見守ることが必要になります。課題は「アナアケタリウム」という、なにやら不可解な名前を提示。

八つ切りの画用紙に鉛筆で下絵を描かせ、その線に沿って千枚通しで光が漏れる穴を開ける作業。冒頭のサンプル鑑賞では、内部にセットしたライトから無数の光の点が、暗い教室のなかで輝き、児童は歓喜の声を上げた。「プラネタリウムは、星がたくさんがあるほうがキラキラ素敵だよ!」指導者の甘い言葉のわけを知ってか知らずか、黙々と線画を描きこんでゆく。この時点で描画が得意な子と苦手な子の描く線の量が違っている。作業を進め、しばらくすると手が痛いと、泣き言をいう子が続出。千枚通しを持つ手が赤くなる子は、線の量が多い子である。なだめ励まして完成に導く。描画が苦手な子は、あきらかに星の数が少ない。完成後の点灯時に寂しい思いをすることが目に見える。ここが挽回のチャンスになる。星の少ない箇所に、天の川だ~ッといいながら、やたらめったら、穴を開けるように指導する。完成してみれば、どの子も無数の星で輝く自分の作品に満足している。このことは絵具による描画や粘土工作の指導にも対応できる。もちろん、「やたらめったら」を丁寧に伝えなければならないことは言うまでもない。

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