体育授業の主旨 ~お互いが成長する体育を目指して

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目次

1 勝ち負けにこだわり過ぎる子供

体育でゲーム競技、特に球技をすると、子供たちが勝ち負けにこだわり過ぎることがあり、試合中・試合後に険悪なムードに陥ってしまう場合があります。特にクラブチームでプレーをしている子供がいると学校体育はやりにくい場合があります。クラブチーム(中学校・高校を含む)はたいていが勝利至上主義です。小学校で学校の課外授業や地域クラブに勝利上主義があまりに強いチームがあると、体育の授業の みならず、学級の雰囲気にまで悪影響を及ぼすことがあります。ワンマンプレーが目立ち、下手な子供を馬鹿にする態度が出てくると、悪いムードが漂ってきます。

小学校の体育の時間に限定して言うならば、まず、第一に「みんなが成長する」という目当てを掲げるのが妥当だと思います。お互いの成長を讃え合う体育にしていかなければなりません。

2 主旨を示す

前提として、体育でゲームをする主旨を示してあげることが大切です。

「ここは学校です。学校の体育の時間です。習い事やクラブチームでやっているスポーツとは違います。」

「学校の体育は、上手な人だけが楽しむためにやるのではありません。みんなが上手になっていくことが大事です。」

「サッカー(バスケット)のクラブチームに入っている人は、リーダーになってください。リーダーはサッカーの楽しさをクラスのみんなに分からせてあげるのが仕事です。一人でシュートを決めたり、えらそうに指図をしたりするのは周りを育てることになりません。リーダーとして失格です。

「人に教えてあげることを通して自分も上手になります。」

「勝ち負けにこだわることも、上手になることにつながりますが、こだわり過ぎるとケンカになってしまう事があります。そんな体育でいいですか?もし、どうしてもこだわりたい人は、クラブチームに入ってやればいいと思います。」

「○年生のサッカーでは、~~~ができるようになったら十分です。」・・・・・技術的な目的をはっきりさせておきましょう。

得意な子供が苦手な子供を育てることがチームのボトムアップにつながり、結果的には一人でドリブル・シュートする人がいるチームより強くなるということを理解させましょう。

3 挨拶と握手

試合の後にはチームごとに一列になって対面し、挨拶をした後、できれば前にいる人と握手を交わすようにして、試合の勝ち負けを超えてお互いにエールを送り合うように指示しておいてあげるといいでしょう。

4 「もめたらジャンケン」

もめることもあると思います。でも、もめるために体育をしているのですか?もめごとを早く解決するために、審判がいないときにはジャンケンをしましょう。

5 負けたら人のせいに

負けると人のせいにして駄々をこねたり、勝つと自慢したりする子供がいますが、これはもう、バシッと叱りましょう。試合に出さないぐらいの措置をとってもいいと思います。

「負けると人のせいにするのは一番恥ずかしい」

「勝ちたければどうやってチームを育てるかを考えなさい」

「自慢をしたら勝った値打ちが半分になります」

「人のせいにする人、次の試合は5分間出場停止。その間に自分のチームがどうしたら強くなるか考えなさい」

など、勝敗にこだわりすぎる子供に釘を刺しておく言葉を考えておきましょう。

6 クラス対抗戦を目標に

それでは、試合でワンマンプレーをする子供をどこまで抑えるのか。これは、ケースバイケースだと思います。「ワンマンプレーは潰す」という教師も結構います が、それもどうかと思います。「どうしても勝ちたい、自分が目立ちたい」という気持ちは、ある程度は必要な気もします。勝敗への執念は大事かもしれません。特に大物を育てるためには、負けて悔しくないでは困ります。

そこで、小学校の体育では、最終目標をクラス対抗戦に持って行くといいのではないかと思います。

「○組との戦いに勝つことが目的で、そのためにはクラス全員 がうまくなることが必要です。クラス内のチーム同士での戦いは、どっちが勝っても負けても、練習だからそんなにこだわるな。」

と、クラス内での敵意をそらします。

「共通の敵を持つことによってクラスが団結する」

わけです。勝つためにはワンマンプレーをある程度抑えて周囲を育てなければならないことも、上手な子供に指導しておきましょう。

それでも、結局はどちらかのクラスが負けるわけです。負けた方は盛り下がります・・・勝っても負けても個人・チームの力が上がっていれば、思ったより子供たちは悔しがりません。はじめから、

「負けて泣いたり怒ったりするようなら、参加するな。みんなに力がついて、負けても勝っても拍手ができるようなチーム作りを目指しなさい。」

と、釘をさしておいてもいいですね。

「基本からきちんと全体をそだてること」と「ルールを工夫してみんなが楽しい競技にすること」である程度はお互いの成長を喜び合うことができる体育になっていくと思います。下記の記事と下記の記事からのリンクは、お互いの成長を喜び合うことができる状況から生まれた全員成功です。是非ご参照ください。

「クラス全員成功」という金字塔 | EDUPEDIA

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