【レポート取材】リアルな教員の1日に密着 ~松尾英明先生~

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目次

1 はじめに

本記事は袖ヶ浦市立蔵波小学校の松尾英明先生に密着取材をし、記事化したものです。この記事は教員就職と民間就職と悩んでいる学生、教員のリアルを知りたい学生にむけた記事です。取材のなかで、教員を目指す学生に向けて、松尾先生からメッセージをいただきました。ぜひご覧ください。

2 今回密着した松尾先生ってどんな人?

千葉大学教育学部附属小学校で勤務しながら、「自治的学級づくり」をテーマに研究を続け、現在は千葉県公立小学校教諭として勤務されています。

3 先生の1日に密着レポート

  • 朝の時間 

↑今日の時間割。今日も一日が始まります。

↑一日の始まりは朝の会からです。椅子を円の形に並べて、友達の顔が見えるようにします。

  • 1限 体育

↑グラウンドに集合した子どもたち

このあと雨が降り出したため、授業内で使っていた用具を自主的に片付ける子どもの姿が見られました。

↑ちょっとした隙間時間を利用して、掲示物の掲示をします。子どもと話しながらも手を動かす姿が見受けられました。

  • 2限 算数

↑教室の真ん中に立ち、子どもたち全員に見えやすいようにしています。教室の真ん中を開けておくことで、移動しやすくもなります。

  • 3限 国語

↑子どもたちにホワイトボードを渡しアイデアを書いてもらい、共有の時間になったら、前の黒板の方に持ってきてもらいます。教員が板書する手間を省けるところが工夫のポイントです。

  • 4限 学活

↑椅子を並べて、「学級が良くなるにはどうしたら良いか」について話し合いをします。司会は子どもが行い、教員は板書と司会のアシストをします。

  • 給食、掃除

↑給食当番のサポートをします。

↑掃除は子どもと一緒にします。掃除がしやすいように松尾先生の机は整理されています。松尾先生の机に関して、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

  • 道徳

↑教室内を歩き回りながら、朗読を進めます。

  • 帰りの会

↑司会をする子どもを温かく見守ります。

  • 下校

↑子どもと過ごす1日が終わります。教員の1日はまだ終わりませんが、ひとまず子どもとお別れです。

いかがでしたでしょうか。時間割は分単位で決められているため、教員もそれに合わせて行動する必要があります。隙間時間に仕事をすることも大事です。松尾先生は、途中持参しているお茶を飲む様子もあり、ちょっとした休憩を意識的に取るようにしておられました。そういったキャパオーバーにならないための工夫も大切です。

4 先生を目指す学生へのメッセージ

今回密着した松尾先生より、先生を目指す学生へメッセージをいただきました。

 教師ほど感謝される仕事は、おそらく無いと思います。特に低学年では、毎日共に過ごす存在であるにも関わらず、子どもは先生に対して、たくさん「好き」「見てみて」「いいな」などと言ってくれます。教師はもちろん大変な仕事ではありますが、それ以上に幸せな気分になる仕事でもあります。

 教員の仕事は大変だとよく言われますが、どんな仕事であってもそれは同じだと思います。そして、教員の仕事は大変だから楽しいのです。子どもに感性を合わせることは時に苦労を伴いますが、そのようなルーティンワークで流せないことこそが、常に自分にエネルギーを与えてくれています。

 教員として働くうえで大切なことは、この仕事に責任感を持つことです。やると決めれば、覚悟さえすればおそらく誰にでもできます。私は初任の頃から覚悟していましたし、大学生の頃から「自分は教員でやっていく」と言っていました。だから、最初からいけると勘違いした方がいいと思います。

 一方で、責任感を持ちつつも、「自分がやらなくても大丈夫だろう」という考えを持つことも大事だと考えています。私は、「自分が責任を持って、この子たちを社会で生き生きと活躍できる人に育てる」と思いながら一生懸命授業をしていますが、一方で「別にこの授業を聞いていなくても、おそらくたいして人生に影響ない」という思いもどこかにあるのです。そのような、情熱をもちつつ、深刻に捉えすぎないという「ちょうどいい加減」のバランスがとれていれば、上手くいくのではないでしょうか。

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6 編集後記

松尾先生は、工夫を凝らしながら、楽しくお仕事されていることを間近で感じました。この記事を通して教員の「ブラック」という印象を変え、教員の楽しさを伝えられたら幸いです。

(編集・文責 EDUPEDIA編集部 般若莉子 丸山和音)

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