【小1道徳】「もうすぐ二ねんせい」の授業アイディア 

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目次

1 はじめに 

本教材「もう すぐ 二ねんせい」は、小学校学習指導要領解説「特別の教科 道徳(平成29年7月)」の内容項目C「よりよい学校生活、集団生活の充実」に該当する教材です。

「よりよい学校生活、集団生活の充実」の授業は、子どもたちが学校やクラスの一員として、仲間と協力しながらより良い集団生活を築くことの大切さを理解し、実践できるようにすることが重要です。

3つのポイントを押さえて授業づくりをしましょう。

話し合いの目的を明確にする

「よりよい学校生活、集団生活の充実」の授業では、話し合いの目的を明確にすることが大切です。

学校生活や集団生活をより良くする要素は多くあり、教材によっては「思いやり」が土台になったり、「協力」が土台になったりします。
そのため、「よりよい学校生活」の話し合いではなく、いつの間にか「思いやり」や「協力」の話し合いになってしまう可能性があります。

子どもたちが学校生活やクラスの生活をより良くすることに興味関心を高め、「学校生活や集団生活を楽しくするためには、思いやりや協力、ルールやマナーが大切なんだ」と理解できるように授業を進めていきましょう。

よりよい学校生活を支えるテーマ(要素)を考える

話し合いの目的を明確にするとはいえ、「よりよい学校生活、集団生活の充実」を支えるテーマ(要素)はさまざまです。
例えば、「みんなで協力することの大切さ」「相手の気持ちを考えること」「決まりを守ること」「自分からできることを考え、実践する」などはより良い学校生活を送るために必要なテーマです。
「よりよい学校生活、集団生活の充実」は教材によってテーマが変わるので、そのテーマに沿った授業づくりが大切になってきます。

授業のイメージとしては、「学校生活や集団生活をより良くする」という一本の幹に、「協力・助け合い」「思いやり」「ルール・マナー」「主体的な行動」といった枝葉が生えているイメージです。

「学校生活をより良くする」という話し合いの目的を明確にし、「協力・助け合い」を教材から考えさせていくといったイメージで授業を構想していきましょう。

授業から日常への実践意欲を高める

授業の後半では、「よりよい学校生活、集団生活の充実」のために、今後どのような行動を意識するかを考えさせ、子どもたちの道徳的実践意欲を高める工夫が重要です。

授業で話し合ったことをポスターにまとめたり、クラスで目標を決めたりし、「よりよい学校生活、集団生活の充実」を具現化していきます。
こうすることで、実践意欲を高め、より良いよい学校生活の意識を継続していけます。

また、実践したことを振り返る活動も大切です。
子どもたちが「今日、クラスのためにできたこと」「クラスのために行動した友達の姿」などを発表し合って共有し、より良いよい学校生活を主体的に目指していけるようにしましょう。

2 教材、あらすじ、授業のねらいについて

  • 小学校1学年 道徳科 主題名「たのしい クラス」
  • 教科書 東京書籍 『新しい道徳』「もう すぐ 二ねんせい」
  • 内容項目 C-(14)よりよい学校生活、集団生活の充実

あらすじ

入学式で新しい一年生を迎えるために、演奏をすることになりました。

ある日の朝、みちえさんが「ね、れんしゅうしてみましょうか」と、はるひこさんに話していると、クラスのみんなが集まり始めます。

指揮者のともこさんを中心に演奏会の練習が始まりました。

練習を終えると担任の田中先生が拍手をしてにこにこと立っていました。

ねらい

クラスの良いところを見つけて1年間の成長に気付き、より良いクラスをつくる心情を育む。

3 授業の工夫

ここからは「もうすぐ二ねんせい」の授業づくりのポイントを紹介します。

教材のクラスについて話し合う

「もうすぐ 二ねんせい」では、クラスの子どもが新一年生のために自分たちで練習する姿が描かれています。
まずは、教材に出てくるクラスの良いところを話し合います。

T「みちえさんたちのクラスの良いところは何かな?」

C「新一年生のために練習しているところ」
C「声を掛け合ってみんなで練習しているところ」
C「リーダーの言うことを聞いて自分たちで練習しているところ」

「もうすぐ 二ねんせい」には、よりよい学校生活を送るためのヒントがたくさん隠れています。
そのヒントに気付かせ、自分たちのクラスの良さよさに気付く視点を身につけます。

自分たちのクラスについて話し合う

続いて、自分たちのクラスに視点を向けて話し合います。

T「自分たちのクラスはどうかな?」
T「自分たちのクラスはどんな良いところがあるかな?」

C「休み時間にみんなで遊ぶところ」
C「困っている人がいたら助けているところ」
C「笑顔が多いところ」

この場面では、クラスの良いところをたくさん見つけ、クラスへの所属感や愛着を持たせていきましょう
できる限り多くの子どもたちに発表させ、「自分たちのクラスってステキ!」という気持ちになれると良いですね。

クラスの良いところは、一年間の積み重ねによって形成されたものです。
そこで、子どもたちの成長に気付かせる問いかけをします
「よりよい学校生活、集団生活の充実」を実現するために大切なことを、広い視野で子どもたちに考えさせ、今後の学校生活に生かすようにします。

T「このクラスのよいところは、4月に出会ったときはできていたかな?」

C「できたこともあるけれど」
C「たぶんできていなかったんじゃないかな?」
C「ケンカとかも多かった気がする」
C「少しずつできるようになった」

T「どうしてこのクラスにはたくさん良いところがあるのだろう?」

C「クラスの目標に向かってみんなが頑張ったから」
C「運動会でたくさん練習したから」
C「みんなクラスを大切にしているから」

これらの子どもたちの意見は、今後の学校生活、集団生活の充実に大切な視点です。

先生方は意見を共感的に受け止め、「二年生になっても良いクラスになりそうだね」という未来志向の声掛けをし、子どもたちの実践意欲を高めていきたいですね。

明るい未来を作る授業を

「もうすぐ 二ねんせい」の授業は、一年生の年度末に実施されることが想定されています。

二年生になる子どもたちに向けて、以下のようなメッセージも含まれています。

「どんな二年生になりたい?」
「一年生で学んだことで、二年生でも大切なことは何だろう?」
「二年生のクラスでできそうなことはあるかな?」
「二年生になってもできることはあるかな?」

子どもたちの中には学校生活がまだ不安な子、学校生活になじみ始めた子など、学校生活をネガティブに考えている子もいます。
また、二年生になる希望もありながら「立派なお兄さん、お姉さんになれるかな?」といった不安もあります。

そんな子どもたちに、「これからの学校生活も大丈夫」「一年生で学んだことをこれからも大切すれば大丈夫」「良いクラスをつくる(良い二年生になる)力がみんなにはあるよ」と、明るい未来を示す心掛けで授業を進めていきましょう

未来を明るく生きる希望と、自らの力で学校生活をより良くできる自信を子どもたちに与える授業にしたいですね。

執筆者プロフィール

マー

小学校教員を15年務めた後、フリーのWEBライターに転身。教員時代は安全主任、体育主任、生徒指導主任、学年主任を担当。現在は「物事のよさをより多くの人に」をモットーに教育系記事、金融系記事を主に執筆。趣味は野球観戦とランニングで、野球やマラソン・駅伝を応援するブログを運営している。

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この記事を書いた人

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