体験者が語る!教育実習と就活を両立するためのアドバイス ※企業へのメール文例付き!

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目次

1 はじめに

就活の面接の時期と教育実習の時期って被りがちですよね。企業の選考活動の解禁は6月頭であるにもかかわらず、中学校や高等学校の教育実習の時期は5~6月の人が多いのではないでしょうか。実際に私も、ファーストキャリアは企業への就職を考えていたものの、教育実習があったため両立に苦戦しました。

そこで本記事では、実際に私自身が就活と教育実習を両立して感じたこと、それを踏まえたアドバイスについて書きました。「企業に就職したいから、教育実習に行くか迷っている……」という方や、「教育実習と企業の面接の時期が被りそう!」という方などに読んでいただけますと幸いです。

2 教育実習と就活を両立するための準備

事前準備① 企業の面接期間を把握しておこう

教育実習と就活の両立は大変であるため、しないに越したことはないでしょう。まずは、自分の受けたいと考えている企業にインターンシップや早期選考があるかどうか、教育実習期間より前に採用がもらえるケースがあるかどうかを確認しておきましょう。

就活のスケジュールは、ワンキャリアなどの就活系のウエブサイトや各大学の就職活動報告書などを使うことで、過去にその企業に合格した人がどのようなスケジュールで内定したのかを閲覧することができます。特に、就活市場全体のスケジュールが似ているここ2~3年の体験記や、自分自身と大学や学部が似ている体験記は必ず確認しておきましょう。

参考までに、私の就活と教育実習のスケジュールを載せておきます。

また、これは個人の意見ですが、教育実習前に1つでも企業からの内定があると安心だと思います。私は教育実習期間中は教育実習のことで頭がいっぱいになり、就活のことを考えている余裕がありませんでした。そのため、すでに行きたい企業から内定をいただけていることが安心材料になりました。

事前準備② 就活を早めに始めよう

教育実習に行くこと自体が就活でプラスに評価されることは基本的にはない、と考えて就活を早めに始めましょう。というのも、採用する企業からすれば、内定を出したとしても教員になるかもしれないという懸念要素になりかねないからです。私自身は、「他の人に比べて教育実習に行くというハンディキャップを背負っている」と捉えて早めに就活を始めていました。

ちなみに、企業のエントリーシートや面接では聞かれない限り、教育実習に行く旨は伝えなくてよいでしょう。ただ、面接で教育実習について聞かれたときのために、「なぜ教員ではなく弊社への就職なのか?」「なぜ教育実習に行くのか?」「今後のキャリアプランは?」などの質問には答えられるようにしておきましょう。

参考までに、私の回答例も載せておきます。

  • 「なぜ教員ではなく弊社への就職なのか?」

→「教員になると、よい影響を与えられるのは、自分の受け持ったクラスの生徒に限られてしまいますが、御社で働いた場合は、より多くの人々に対してよい影響を与えられる可能性があると考えているからです。」と答えていました。

  • 「なぜ教育実習に行くのか?」

→実際に訊かれることはありませんでしたが、もし訊かれた場合「自身の今後のスキルアップのために行きたいと考えています。」と答える想定をしていました。

  • 「今後のキャリアプランは?」

→教員になる可能性があることは極力伝えていませんでした。伝える場合であっても、「今後教員になりたい」という表現ではなく、「いずれは御社の仕事を通して身につけた知見を活かして、自分自身から発信するような仕事がしたい」と伝えていました。

基本的には、「その回答が自分の本意かどうか」よりも、「その回答が先方に求められているものかどうか」を優先することが企業との応対では大切だと思います。ただし、自分の本意とかけ離れすぎている発言は、応対の中で先方に見抜かれてしまう可能性が高いです。自分の本意とは何かを自己分析する中で明確にしつつ、先方にどのように伝えるべきかを事前に考えておくとよいと思います。

事前準備③ 教育実習が企業の面接と被る場合は早めに連絡しよう

上記で、企業との面接では教育実習に行く旨は聞かれない限り伝える必要はない、と述べました。しかし、面接と教育実習の日程が被ってしまった場合はできるだけ早めに、企業にその旨を伝えましょう。教育実習では、就活はもちろんのこと、その他の用事があったとしても、教育実習を休んだり、遅刻・早退したりすることは難しいと思います。それは、教育実習の単位を落とすことにつながりかねないという自分自身の過失にとどまらず、自分の大学の評判を下げて、今後その大学からの受け入れを中止することにつながりかねないからです。私自身も、当時選考中だった3社に教育実習と被ってしまう旨を伝えましたが、どの企業からも快く別日程を提案していただけました。むしろ教育実習に合わせた日程で選考していただいたことで、他の志願者よりも早く内定がもらえたケースがあったので、できる限り早く報告することが大事だと思います。

参考までに、私が実際の企業に送ったメール文例を載せておきます。

突然のご連絡失礼いたします。

貴社の選考に参加させていただいている、

○○大学○○学部の○○と申します。

日程をご提示いただいたところ大変申し訳ございませんが、

○月○日から○月○日の期間で教育実習があるため、

現在予約可能な日程と時間帯では最終面接に

参加することが難しい状況です。

大変不躾なお願いとなってしまい恐縮ですが、

ご提示いただいている日程と時間帯以外で

最終面接を受けさせていただけないかと思い、

ご連絡差し上げました。

貴社を真剣に検討している事情をどうかお察しいただきまして、

ご検討くださいますようお願い申し上げます。

ご多忙の折、お手数おかけしてまことに恐縮に存じますが、

どうかよろしくお願い申し上げます。

3 教育実習に向けた心構え

心構え① 教育実習と就活の両立は難しい

教育実習は慣れないことばかりで、物理的な負担が大きいだけでなく、様々なことに気を配る必要があるため、精神的な負担も大きいと思います。実際に、私も学校にいる間は自分の授業だけでなく、授業見学や指導案作成に追われていたうえに、家に帰っても教材研究や授業準備に追われていて、教育実習中はそれ以外のことが手につかない状況でした。

私はその当時、行きたい企業からの内定はいただいていたものの、教育実習と並行して企業の選考は続けていた状況でした。教育実習から帰ってきた夜に企業の面接を入れていたときは、教育実習で手一杯になってしまっていたため、時間的にも精神的にも面接に全く身が入りませんでした。だからこそ前述のように、できる限り就活を教育実習前に終えることができるように事前準備をすること、また教育実習期間中に面接が入ってしまう場合は、事前に面接で聞かれる内容を想定した面接練習を心がけましょう。

心構え② 実習先には「教員になる」と伝える

教育実習は、ただでさえ忙しい学校現場の厚意で受け入れてくださっているものだと考えてよいでしょう。そう考えると、本来であれば、教員にならない学生を教育実習に受け入れること自体は、学校側にとって何のメリットもありません。そして、私の場合もそうでしたが、もちろん教員の方々は実習生が教員になることを前提で接されるうえに、何度か「教員になるんだよね?」「教員採用試験の勉強は進んでいる?」と尋ねてこられます。そのため、やはり本意ではなかったとしても、その場では「教員になるために勉強中です」と伝えるべきだと思います。ただ、私自身は企業に就職したのちに転職して教員になる可能性があったので、3週間の実習の中で先生方と打ち解けて、中高時代からお世話になった先生方にその本心を伝えたところ、前向きに応援していただけました。

4 おわりに

教育実習に行き、最終的に教員免許を取ること自体は、自分自身の成長にもつながるうえに、将来の可能性を広げる有意義なものだと思います。私自身振り返ってみても、就活で忙しい中ではあったものの、教育実習を通して様々なことを学び、教員という職業の素晴らしさを実感できたため、実習に行って本当によかったと思っています。

教育実習と就活の両方を充実したものにするためにも、事前の入念な準備や調査を欠かさないことが大事だと思っています。この記事を読んでいただいて少しでもその後押しができたなら幸いです。

(文責:EDUPEDIA編集部 安藝航)

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