1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
ねらい
卒業文集に向けて、作文に取り組んだ。自分の生活を見つめて、生き生きと文で表現することがねらいである。
作文は書けそうで、なかなか書けるものではない。「思った通りに書きなさい」といったところで、子どもは何を書いていいのかわからない。
取り組み
そこで、次のような取り組みをした。
1. 作文は物語と同じ。必ず主人公(自分)の気持ちが変わる場面がある。
→これを感動の中心とする。
2. 作文の背骨、手足を書き、作文の設計図とする。
→背骨は感動の中心(気持ちが変わったところ)
手足は、できごと(エピソード)
指は、できごとをさらに詳しくしたもの。何をしゃべったか、何を見たかなど、細かい部分を書く。
3. 作文の四コマまんがを書く。
→文の起承転結は何かを意識させる。
4. ノートに1回目の作文を書く。
→量は気にせずに書いていく。
5. 原稿用紙に清書をする。
→ノートを見直し、段落ごとまとまりをつける。段落毎に名前をつけて、余分な文は削っていく。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
作文が苦手な子どもは卒業文集をどう捉えているのでしょうか。6年間のしめくくりですから、ちょっといいものにしたいところですが、苦手な子どもにとっては何をどんな風に書けば良いのかとまどうでしょう。
作文を書く際の起承転結。これは良く聞きますが、いきなり「起承転結のある文章にしましょう。」と言われても、小学生にとって難しい話だと感じます。しかしそれに加えて、文の背骨や手足、設計図などと言われると、工作をしているような気分になって作文がいつもより楽しく感じるのではないでしょうか。
卒業文集を書くことのハードルを下げて、作文を苦手な子どもはいつもより上手に、好きな子どもはもっと上手に、書いてもらうことができるようになる実践だと感じました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 澁川万結子)
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