電磁石~針金を使わずに、クリップをつけられるか?

1 あいまいな理解

電磁石の定義を教えるために、次のような授業をおこなった。子どもがあいまいに理解している部分をはっきりさせるとともに、逆転現象が起こる授業である。

2 発問1 ストローの中に針金を入れないで、乾電池・ストロー・エナメル線だけで、クリップをつけることができるでしょうか?

< できる >5人

  • 前にやったときに、乾電池と砂鉄だったら砂鉄はついた。だからクリップも同じ鉄だからつくと思う。
  • エナメル線を削ってエナメル線全体に電気が通るようにすれば、そこからクリップがつくと思う。
  • ストローにもっとエナメル線を巻いたらつくと思う。
  • 電気の力をもう少し強くしてやればつく。

 
< できない >25人
* 電気が針金に通らなければ、クリップはつかないと思う。
* 針金の本数が少ないと、磁力が弱くなるから、一本もなければつかないと思う。
* 針金が中にないとクリップはつくことができない。
* 針金がないから、もし磁石になっていたとしても、まだ弱く鉄かない。

3 説明1  エナメル線を同じ向きに何回もまいたものの中に鉄を入れて、電流を流すと鉄(針金など)は磁石になります。このような仕組みを電磁石といいます。エナメル線と鉄には、このような性質があるのですね。

4 発問2  では、ストローの中に入れる針金の数が、増えるとクリップがたくさんつくのはなぜだろう

< 電流の違いによる > 29人

  • 針金の本数が増えると、針金の中を流れる電流の量が増えるから
  • たくさんの電気が流れるとそれだけクリップを引きつける力が強くなってくると思う。

 
< 鉄の量の違いによる > 7人

  • 針金を入れないときは、クリップがつかないし、入れるとつくから鉄の量だと思う。
  • 鉄が増えると磁力が強くなる。
  • 前に針金を太くしたら、クリップがいっぱいついたことがあったから

 
子どもたちの予想は、圧倒的に < 電流の違いによる > の方が多かった。針金が増えたことよって、流れる電気の量が増えるから、磁力が強くなると考えているようである。

子どもの理解があいまいなのは、この部分である。電流が磁力と関係していることには気づいているのだが、鉄芯にたくさん電気が流れるから磁力が強くなると考えているのである。 そこで、次のようにたずねた。
 

芯に電流が通っている?

5 発問3  ストローの中心にある針金には、電流が流れていると思いますか?もし流れているとすれば、豆電球に明かりがつくはずですね。明かりはつくでしょうか?

< つく > 29人

  • 電気が流れていなかったら、針金の部分には、クリップなどつかないと思うから、針金に電気は流れていると思う。
  • 前に鉄に砂鉄を近づけたら、砂鉄がくっついたから。鉄にもくっつくけど、電流を流すと思う。
  • 前、実験をしたときに、電気を流すと電磁石になるからつくのではないか。鉄を増やしてもつくし、両方が必要なのではないか。
  • 電磁石でクリップがついているのなら電磁石だけど、違うのなら、電磁石の「電」の意味がなくなっちゃう。だから流れていると思う。

 
< つかない > 6人

  • エナメル線がないと(針金と)さわっていないから、電気は通っていないと思う。
  • 電池がないと電磁石にならなくて、電流も流れることはない。

 
 
やはり圧倒的に多くの子ども達が、鉄芯に電気が流れているから、豆電球はつくと予想した。そこで、実際に実験をしてみると・・・・「し〜〜ん」 やっぱりつかないのである。< つかない >と予想した子ども達は大喜びした。

6 説明3  コイルに電流が流れると、磁石の働きが生まれます。針金の数が増えたり太くなると、この力をたくさん集めることができるので、磁石の力が強くなるのです。    

下のような図を書いて、鉄芯の量が増えると、磁界を広い範囲で受け止めることができるので、磁力が強くなることを押さえた。

出典:シリウス/静岡教育サークル http://homepage1.nifty.com/moritake/index.htm

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