1 怪我が少なく、怒鳴らずにすむ指導を
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できましたらまず、下の記事をお読みください。
組体操は廃止すべきだと思います。
この記事をお読みになられた上で、それでも、もし、「存続」という道を取られるのであれば、以下の記事をご参考に安全な運営に努めていただきたいと思います。
この記事は「主旨説明や基本的なルール作り」に関して書かれています。技術的な事については、下のURLをご覧ください。ひとつひとつの種目で、細かく丁寧な指導をすることがたいせつです。主旨説明~ルール作り~細かく丁寧な指導という流れがあれば、怪我が少なく、怒鳴らずにすむ指導になります。
エデュペディアには他にも記事があるので、是非ご参考にしてください。
ちなみに私は個人的には組体操の実施に「反対」です。しかし、学校の事情等でどうしてもやらねばならない立場に立った方のために、この記事を書いています。
2 ひとつの山場
6年生担任にとって運動会の組体操は後半の学級・学年経営に大きく影響する、ひとつの山場となります。低学年から組体操をするだけの技術と体力が十分に身についていればいいのですが、そうでない場合もあります。子供の組体操へと向かうモチベーションを保つことと、身体能力が低下している子供たちの安全を確保する事は難しくなってきています。
まだ暑い夏休み明けから、秋の運動会を目指して安全を確保しながら、短い期間で観客に見せる技を身につけさせるのは苦労も多いことでしょう。
初めの段階で、しっかりと主旨説明と基本ルールを子供に話しておきましょう。
3 主旨説明
まず、「こんなにしんどいことを何故するのか?」という子供たちの疑問に応えなくてはなりません。主旨説明は目的や目標と何か違うのか、という事については、また他の情報源でお調べください。法則化の向山氏の書物にも主旨説明の必要性についてはよく書かれています。
私が主旨説明をしておいた方がよいのではないかと思うことを挙げておきます。
- 組体操で体を鍛えます。体力をつけます。技術を身につけます。
- 「美しい姿勢」を身につけます。
- 自分の体や相手の体の重心がどこにあるかを体で感じられるようにします。
- 協力する気持ちを育てます。気持ちをそろえる練習でもあります。○○○人の人間が黙って正面を見ている状態を作り出すだけでも、値打ちがあると思います。
- 組体操で安全な身のこなしを身につけます。自分の体だけではなく、相手の体も守ることができる能力の事です。
- 暑いですし、しんどいですが、がまんをするのも、勉強です。我慢の勉強です。
※ 最近はバラエティー番組「トリハダ マル秘 スクープ映像100科ジテン」(テレビ朝日系)の人気シリーズ「集団行動」での日本体育大学の演技が話題になっています。もしもVTRなどがあれば、教師にも子どもにも非常に参考になる資料として活用できると思います。
4 心構えとしてのルール
- 真剣に。ニヤニヤしない。話をしない。きびきび動く。・・・・・失敗はつきものです。失敗したときこそ、これが大事。
- 気持ちをそろえる。・・・・・個人やクラスの「体操発表会」ではありません。学年全体、全員の気持ちと動きが揃っていてこそ美しいのです。
- 「技」よりむしろ「技と技の間」が大事です。・・・・・派手な技を成功させることばかりを強調せず、むしろ「立ち姿の美しさ」や「指の先まで気持ちが行き届いている」集中力を大事にしたいということを訴えていきましょう。
- 難しい技をすることよりむしろ美しい形や動作や列をみんなで揃えることや表情が大事です。オリンピックの体操等の採点も、表情が大きな要素です。表情も大切な演技です。
5 具体的なルール
- 初動を揃える。・・・・・初めに出す足、手、2人組で初めに動く人。等々、覚えさせないといけないことがたくさんあります。例えば、左(右)が先、西(東・南・北)側が先などと決めておいてあげると、子供も動きやすいです。
- 失敗したら体操ずわり・・・・・どのタイミングかを知らせる。笛であれば、「最後の長い目の合図」など。
- しゃべらない。・・・・・「しんどい」「痛い」「暑い」「お前が悪い」は、言わなくてもいい。どうしても急ぐ用のある場合だけ。
- ドロ(お尻)は払わない。
当たり前の事であっても、初期の段階で、きっちりと全員に話を通しておくことが大切です。組体操だけの事ではなくても、「座ったら先生の方につま先を向けて体操ずわり」等のことも、確認しながら進めていきましょう。
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