1 タイムを縮めるために
バトンタッチの練習はリレーのタイムを縮めるための走力アップ以上の要素と言っていいくらいの手立てです。
授業ができる短期間で子供の走力が大きく伸びることはそうありません。それに比べてバトンタッチを改善すれば、最初が下手だった場合、1か所、0.5〜1秒ぐらいは縮まります。3か所あれば、1.5〜3秒の短縮です。
しかし、バトンタッチで「リードをしなさい」と指示すると、じりじり歩いてリードをする子供が多いのが目につきます。ちょうど、野球でリードをするみたいな感じです。
リレーのリードはバトンゾーンで次走者が加速をしてトップスピードに近づくためのものですから、野球のようなリードをするのは間違いです。前走者が近づいてきたら@{全力でリード”};をしなくてはなりません。
ところが、口で説明してもなかなか分かってもらえません。そこで、実験です。
2 実験
ほとんど走力の同じA君とB君を対決させます。ゴールは20m先ぐらいでいいでしょう。スタート位置はA君が20mぐらい手前で、A君がB君のスタート位置まで来たら教師が笛を吹いて、B君がスタートします。
児童に予想をさせましょう。理由を言わせれば、「A君が体力を使い果たしているからB君が有利」とかも、出てくるかもしれません。B君が人気者だったら、B君にたくさん票が集まるでしょう(笑)。
結果はA君が勝ちます。
「B君は止まっている所からスタートするから、スピードが出るまでに時間がかかるからだよ」
と、説明してあげて下さい。
これだけでは、バトンタッチとの関連がピンとこない子供が多いでしょうから、赤チーム2人対青チーム2人で実験をします。赤チームは早い目に歩いてリードさせて、その代りに止まってバトンタッチするように、指示します。この時、走力の実力は同じくらいにしてください。青チームはバトンが上手にできているペアを選んでおくといいでしょう。
こうして今度は同時にスタートさせます。見た目は早い目に前に出ている赤チームが有利な気がしますが、加速して上手にバトンを渡せば、青チームが勝ちます。
・・・・これでも、まだ子どもは頭では十分に飲み込めず実践ができません。そこで、次のフレーズで徹底させましょう。
「車は急に止まれない、車は急に走れない、人間も急に走れない、」「だから、全力でリード!」
下記の記事も是非ご参照ください。
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