1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
発電のしくみについて、理解を深める実験をした。手回し発電機も、中の仕組みがかなり見えるようになっているが、さらに仕組みをシンプルにした。
モーターの軸にたこ糸を巻いて、コマのようにたこ糸を引っぱってみよう。
たこ糸を少しぬらして、強く引くと、モーターの軸が回転することによって、コイルに電流が生じる。この電流が豆電球をわずかに光らせる。6年生でも豆電球を光らせることができるので、子どもたちは夢中になって挑戦していた。豆電球は、2.2V×0.1A 光電池用の電流値の低いものがよい。
このように運動が電気に変わることがわかったところで、こんなおもしろ実験を行った。
手回し発電機と手回し発電機をつないで回転させるとどうなるだろうか。
一つのハンドルが運動で回転し、もう一つは発生した電気で回転することがわかる。見ていると不思議な感じがして、子どもたちは喜んで試していた。
次に、蓄電のしくみについて実験を通して理解を深めた。まず電気を貯めておくものにはどんなものがあるかを尋ねた。
電気を貯めておくものには、どんなものがありますか。
- 乾電池、ボタン電池など
- 自動車のバッテリー
運動をすることで電気が生じるので、これと似ている静電気の実験を行った。
塩ビパイプを擦って静電気を貯めることができます。貯めた電気でビニールひもを浮かせてみましょう。
この実験は、電気クラゲという名前でよく知られている。湿気の少ない冬のよく晴れた日がよい。
用意するモノ
* ビニルひも 30cm
* 塩ビパイプ 5~60cm
* ティッシュペーパー 1枚
やり方
1. ビニルひもを薄く1枚に剥がし、片側を縛り細かく裂く。
2. 塩ビパイプをティッシュで同一方向に10回こする。
3. 静電気の力で、ビニルひもが塩ビパイプの上に浮かぶ。
クラゲに見立てたビニルひもが空中に浮き、子どもたちは夢中になって実験を行った。こする運動が、塩ビパイプに貯められて(蓄電)、クラゲを浮かせることがわかる。体験が理解をより深めることになった。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
今回の授業では、発電と帯電のしくみについて詳しく学びます。たこ糸を引っ張ると光る、電気クラゲがふわふわ浮くなど、身近な道具で視覚的にも楽しく学習することができます。ぜひ参考になさってみてください。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 内藤かおり)
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