1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
磁石に鉄くぎをつけてから離してみる
(「青色」=教師の発問)
「3本の鉄くぎを磁石につけ、一番上の鉄くぎを磁石から引き離すと他の鉄くぎはどうなるだろう。」
子どもたちの意見は以下のようなものでした。
- ①下の2本とも落ちる
- 全部磁石にはならない。磁石から離れたらただの鉄くぎ。
- ②1本だけ落ちる
- 一番上の鉄くぎだけが直接磁石に触れていたから磁石になっている。一番上の鉄くぎも、磁石の力が弱いので、一番下の鉄くぎは落ちる。
- ③全部くっついて落ちない
- 全部が磁石になっている。つながっているから磁石の力が全部のくぎにのりうつる。
調べてみる
「どの鉄くぎも磁石になっているか、いろいろな方法で調べてみよう。」
全部くっつき落ちないことを確かめさせ、どのくぎも磁石になっていることを調べます。
調べてみると、以下のような結果になりました。
- 方位磁針が振れた。
- 砂鉄がついた。
- 4本目の鉄くぎがついた。
結論:鉄くぎを磁石につけておくと、どの釘も磁石になる。
鉄くぎの極性
「磁石になった鉄くぎのN極、S極はどうなっているのだろう」
子どもたちの意見は下記のようなものでした。
- ①全部N極
- ②一番下のくぎがS極
- ③1本のくぎの両端がそれぞれ、N極・S極になっている
調べてみる
「実験をして確かめてみよう」
実験方法
* 方位磁針を使う。
調べてみると、以下のような結果になりました。
結論:鉄くぎは、1本の両端がN極とS極になり、上のくぎのS極と下のくぎのN極が互いにくっつき合って磁石になっている。
「磁石のまん中で切ったら、切り口の極は何極だろう。」など、他にも調べてみます。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
磁石に鉄くぎをくっつけると全部磁石になるというのは、実際に実験を通して体験してみてもとても不思議な事象に思えます。また、磁石になったくぎの真ん中で切断すると2本の磁石ができる(切った片方がS極になり、もう片方がN極になる)ということも、子どもたちにはとても興味深いことで、授業が楽しくなるだろうなと感じました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 栗林茜)
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