ひとの体3 耳のつくりと働き(シリウス)

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目次

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載

されている教育実践法の一つをご紹介しています。

http://homepage1.nifty.com/moritake/

2 実践内容

この実践では「耳の働き」について考えます。まずは音あてクイズからはじめました。せっけんの箱を3つ用意し、その中の1つに時計を入れて置きました。時計を入れた箱をランダムに動かしたあと
 

発問1「この3つの箱の中のどこに、時計は入っているでしょうか?」

 
時計のコチコチという音は非常に小さい音なので、よく耳を澄まして聞いてみてもよくわかりません。
耳に箱をあてないとよくわからないよ」というので、箱を手渡すとすぐに時計の入ったせっけんの箱を見つけだしました。

今度は箱の中でアラームを鳴らしてみます。子どもたちの目の前でアラームを鳴らしながら時計探しをしてみると、子どもとの距離が短いからか、すぐに時計の入っている箱をあてました。確率としては1/3なのに、間違えることはありません。これなら耳の学習をしなくてもいいのでは、と思ったくらいです。
 

指示1「今度はもう少し、時計を離してみますよ。時計がどこにはいっているかわかるかな?」

 
それではと、時計と人の距離をぐーんと広げてみました。今度はどうだろう?さすがに距離が離れてしまうと箱の中に隠れた時計を見つけることは難しく、さっきのようにはいきませんでした。子どもたちは耳をこらしてジーッと聞き入っています。さてここで耳の働きについて考えることにしました。
 

発問2「遠くの音を聞くために、私たちはどんなことをしていますか?」

  • よく聞けばわかる
  • 耳に神経を集中する
  • 耳をよく澄まして聞く

など耳のことについて話が出てきました。もっとよく聞くためにどんな工夫があるか具体的なことについて考えます。
 

発問3「もっと音をよく聞くためにはどんな工夫をしたらよいでしょうか?」

  • せっけんの箱に近づいていけばいい
  • 耳に手をあてると音がよく聞こえる

などの考えをもとに、なぜ人間の耳が横に出っ張っているのかを説明しました。耳が横に出っ張っていないと音の聞こえ方はどうなるのか、実際にガムテープで耳をぴったり頭につけてしまいます。子どもたちはギャーギャー言いますが「どうも聞こえかたがよくないな」などとつぶやいていました。
 

指示2「ボール紙や紙コップを使って、耳を大きくしてみよう。聞こえ方が変わるかな。」

ボール紙や紙コップを使って、大きな耳にしてみました。こうすると音をよく集めて、大きく聞こえることが実感できます。この作った耳を使ってゲームをすることにしました。
 

指示3「目隠しをした鬼を囲んで輪になろう。誰かが手をたたきます。鬼は誰が手をたたいたかを目隠ししたままあててください。」

このゲーム。作った耳を使うとあたるのですが、何も使わないとなかなかあてることができません。耳の大きさによって音の聞こえ方が違うことを実感できました。

3 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス

1984年創立。

「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない

」これがサークルの主な柱です。

最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」

という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってよ

り価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

(2015年1月時点のものです)

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 編集後記

「ひとの体1 こんにゃくが立つためには?」、「ひとの体2 骨のしくみ」※両記事アップできたらリンクを貼ります。に続いて体験することで体のしくみを学べる実践です。こうした実践を1から考えるのは大変ですが、せっかくの実践なのでどんどん活用していけると良いと思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 田中真奈)

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