【体育主任必見】 水泳指導 バディチェックの在り方

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バディチェックマニュアル

事故を未然に防ぎ、事故を早期に発見するには、人数確認が重要な手だてとなります。人数確認は人数の確認だけでなく、顔色、動作などから健康状態を観察するという大切なねらいがあります。入水前、指導の展開の途中、退水後のそれぞれにおいて敏速かつ正確な人数確認を実施する必要があります。

(1) 人数確認の方法  

人数確認には様々な方法があり、水泳ではバディシステムによる方法が一般的ですが、それだけに頼るのではなく、入水前、退水後に出席簿や班別の名簿などを用いての点呼を併用することが望まれます。人数確認は体育の授業やその他の学校行事においても必要なので、児童生徒に人数確認の重要性を認識させ、敏速にして正確な人数確認ができるようにしておくことが大切です。

(2) バディシステム  

バディシステムは、二人一組をつくり、互いに相手の安全を確かめさせる方法で、事故防止のみならず、学習効果を高めるための手段としても効果的です。  
例えば、教師の笛の合図と「バディ」という号令があったとき、互いに片手をつなぎ合わせて挙げさせ点呼をとる方法があります。バディシステムによる場合、単に手を組ませることにねらいがあるのではなく、組数を数えること、その数を記憶するか記録しておくこと、表情や動作を観察することなどが必要です。
 また、児童生徒相互に相手の表情、動作について観察し異常があったら直ちに指導者に連絡するように指導します。

T:「向かい合い握手をします。ペアの子の顔色と体調を確認しましょう。大丈夫そうならばを上にあげます。様子がおかしいと思ったときは、腕を下したままにします。」
T:「バディ!」
C:「チェック!」互いの顔色と体調を確認した上で腕を上にあげる。
T:「ペアの子の様子がおかしいと思った子はすぐに先生に報告してくださ い。」
※TTが見回って児童を確認することを忘れずに。

(3) バディの組合せ  

バディシステムは安全を確かめ合うことだけが目的ではなく、互いに進歩の様子を確かめ合ったり、欠点を矯正する手助けとなることもねらいとしています。さらに、互いに助け合ったり、人間関係を深め合うこともねらいとしているので、その組合せには十分な配慮が必要です。指導のねらいに応じて、泳力が同じくらいの者、熟練者と初心者などの組合せを工夫することが大切です。

参照文献:文部科学省,学校体育実技指導資料第4集「水泳指導の手引(三訂版)」

著者プロフィール

杉本 大昂(すぎもとひろたか)
1991年 静岡生まれ
立命館大学産業社会学部卒
京都教育大学大学院連合教職実践研究科首席修了
略 歴 
・立命館大学在学中にNPO法人ROJEにて活動
  「関西教育フォーラム2011」プロジェクトリーダー,EDUPEDIA 編集者
・京都教育大学大学院在学中に京都市内の小学校非常勤講師を経て現職。
現 在 岐阜県公立小学校 教諭
論 文
 2013
・「なぜ文化階層の低い家庭の子どもは「学力」が伸びにくいか」
  -立命館大学産業社会学部教育賞
2014
・ 「厳しい教育環境にある家庭」の子どもの「学力」をいかにして伸ばすか
 -立命館大学産業社会学部優秀賞
・「いかにして『厳しい教育環境にある家庭』の子どもに言語活動の充実を図るか」
  -日本教育メディア学会第21回年次大会発表論文集、pp.178-179
2015
・「初等社会科における『公民的資質の態度』育成をめざした授業実践」
   -日本教育メディア学会第22回年次大会発表論文集、pp.96-97
2016
・「教育社会学からみた小学校社会科におけるメディア・リテラシーの育成をめざした授業実践 」
  -日本教材文化研究財団メディア・リテラシー研究会『メディア・リテラシー教育の実践事例集の開発』,
   調査研究シリーズ70,pp.61-66

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