「たんぽぽのちえ」(光村図書 2 年国語)~動作化から文章表現を考える【前編】~

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目次

本単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、時間的な順序や事柄の順序を考えながら、内容の大体をとらえる力、そして、文書の中の重要な語や文を考えて選び出す力を育てていく。「たんぽぽのちえ」では、文頭表現に「時をあらわす言葉」と「接続語」が使われているので、時間軸に着目して考えることができる。また、内容に沿って時間軸とわた毛に着目することで、事柄の順序について考えることができる。

単元の評価基準

  • 知識・技能:順序など情報と情報の関係を理解している。
  • 思考・判断・表現:
    • 「読むこと」において、時間的な順序などを考えながら、内容の大体をとらえている。
    • 「読むこと」において、文章の中の重要な語や文を考えて選び出している。
  • 主体的に学習に取り組む態度:粘り強く時間的な順序などを考えて内容をとらえ、学習の見通しをもって、文章を読んで思ったことを書こうとしている。

単元の展開【1 時~5 時】

1 時(第 1 次)  学習の見通しをもつ。

  • 「〇〇といえばクイズ」をして、たんぽぽについて知っていることを出し合うなかで、これから出合う教材への興味を高める。「〇〇といえばクイズ」では、まず誰か 1 人を指名して、その子どもにだけ答えを伝える。(今回の答えはたんぽぽ)次に、その子どもは答えのヒントを考えて、みんなに伝える。このなかでたくさんの子どもをあてていく。(例えば「○○といえば黄色。」「○○といえば春。」)
  • 教員の範読を聞き、何のことについて書かれているかを問うとともに「順序に気をつけて読もう」という学習課題をおさえる。
  • 次からどのようなたんぽぽのちえがあるのかを見つけていくということも伝えておく。

板書は基本が白色、子どもの発言は赤色、大切なことは黄色にしている。
(子どもの実態に応じて白・黄色以外は変えることもある。)

2 時(第 2 次)  初発の感想を交流する。

  • たんぽぽのちえを読んで、初発の感想を交流する。
  • 感想を書くときの視点として、おもしろいと感じたこと、不思議だと思ったこと、初めて知ったことなどを中心に書けるようにする。
  • たんぽぽの花、花のじく、わた毛について書かれていることをおさえる。

3 時(第 3 次)  挿絵の並べ替え

  • 挿絵をランダムにおき、並べ替える。(番号をふっておき、ノートに並べ替えた番号をかく。)
  • 挿絵と文章の短冊をつなげて貼り、並べ替えた文章の違和感を感じさせる。
  • なぜ違和感を感じたかを問うことで、文頭表現に着目するようにする。(いろいろな考えを交流できるようにする。)
  • 時間を表す言葉が文頭にきていることをおさえる。
  • 本文全文を音読する。
  • ふりかえりとして気付いたこと、わかったことを書く。

4 時(第 3 次)  たんぽぽが、いつどのような知恵を働かせているか考える。①

  • 1、2 段落の一斉音読をしてから動作化ペア音読を取り入れる。(1 人が読んで、1 人が文に合う動作をする。「しぼんだ」や「ぐったり」などの言葉の意味を考え内容をとらえやすくする。)
  • 動作化をして気付いたことを確認するなかで、かれたのかなという問いが子どもからでるようにする。
    • (子どもの反応→「はじめは元気だったけれど、元気がなくなっていった」など)
  • 何がどうなったのか(主語―述語の関係)をおさえながら確認していく。
  • 3 段落を一斉音読をする。
  • 花のじくがたおれることの良さを考える。
    • (子どもの反応→「たねに栄養をおくれる」「たねを太らせると次のたんぽぽもしっかり咲きそう」など)
  • たんぽぽがどんなちえを働かせていたか自分でまとめる。
    • 「たんぽぽは~~~というちえをはたらかせています。」に当てはまるようにする。
    • (子どもの反応→「花とじくを地面にたおしてたねにたくさんの栄養をおくるちえ」「花をじくをしずかに休ませてたねを太らせるちえ」など)
    • クラスの実態に合わせて、キーワードの中から選ぶことや穴埋めのかたちにすることでも良い。

5 時(第 3 次) たんぽぽが、いつどのような知恵を働かせているか考える。②

  • 4、5 段落の一斉音読をする。
  • らっかさんのようになるとは、どのような風になるのか動作化を通して考える。
  • らっかさんとわた毛の写真を比較して似ているところを見出すことで、たねをふわふわとばす理由を考える。
  • 前時にもでてきていた「~のです。」という文末表現が本時にもでてきている(「たねを、ふわふわととばすのです。」)ことをおさえる。
  • たんぽぽがどんなちえを働かせていたか自分でまとめる。
    • 「たんぽぽは~~~というちえをはたらかせています。」に当てはまるようにする。
    • (子どもの反応→「わた毛についているたねをふわふわととばす」など)
    • クラスの実態に合わせて、選択肢を用意して、その中から選ぶことや穴埋めのかたちにすることでも良い。

参考 URL:https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/7416/7531/7954/02s_k_nenkei2_03.pdf(光村図書 HP 内)

執筆者

おはな先生
元小学校教諭。「授業でつながる学級」がモットー。授業中の活動で子どもたちがつながっていくような授
業構成につとめる。現在は、教員を目指す人や忙しい教員を全力で応援するウェブライターとして活動中。(2023 年 9 月 20 日時点のものです。)

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