はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
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EDUPEDIA掲載の以下の記事も是非ご参照ください。
春のうた~動作をつけて音読
春のうた~「ケルルン、クック」を翻訳する
春のうた~発問例
「春の歌」光村図書国語4年 ~カエルが見たのは何か(シリウス) | EDUPEDIA
様々な解釈
教科書(学校図書4年国語)の一番初めには、草野心平さんの「春の歌」という詩がある。カエルの嬉しい気持ちがよく伝わってくる詩である。何回か詩を読んだ後で、
発問1 ケルルンクック。をいろいろな読み方で読んでみよう。
のんびり屋のカエル、せっかちなカエル、きれいな声のカエル、ひょうきんなカエルなどいろんなカエルがいた。

発問2 カエルが見たものにはどんなものがありますか?
次にカエルが見たものについて尋ねた。
・水
・太陽
・犬のふぐり
・大きなくも
カエルが見たものとして上の四つがあげられた。そこで、
発問3 カエルが一番最初に見たものは何ですか?
この問いに対しては、4つに考えが開かれた。
〈太陽〉25人〈水〉3人〈草・野原〉1人〈空〉6人
であった。名前プレートを置かせると、Sさんが〈水〉にしようかどうか迷っていた。〈水〉に誰も置いていないので不安になったのであろう。「そのままでいいから置いておきな」とこっそり耳打ちをした。
「文章よーく読むと答えがわかるよ」と声をかけると、どどーっと意見を変更する子が続出した。どうも語句のほんのちょっとした部分に気づいたようである。
〈太陽→水〉
・水に太陽がうつったから、カエルは“まぶしいな”と思った。
・光が反射して水にうつったところだと思う。
・“つるつる”と書いてあるから水を見たと思う。
・太陽が水で反射してまぶしかった。
このように〈太陽〉から〈水〉へ意見を変更した子が多かった。「ファイナルアンサー?」と尋ねると「ファイナルアンサー」という元気よい返事が返ってきた。「正解は〈水〉です」と告げると「やったぁ」という歓声があがった(諸説あり)。次に、
発問4 カエルが見た“くも”は生き物の“蜘蛛”ですか空の“雲”ですか?
こう尋ねると一瞬「えっ」という雰囲気が漂っていた。すぐに「雲だ。雲だ」という声があちこちから聞こえてきた。「文をよく読んでごらん。答えがわかるよ」と声をかけると「あ、やっぱり考え変える」の声。
〈蜘蛛〉31人→16人
・蜘蛛はカエルを見つけたからやってきた。雲は目があるわけじゃない。
・“大きなくもがうごいてくる”「くる」だから動いてくる。だから蜘蛛だと思う。
・大きな蜘蛛がカエルを見つけて、カエルの方に向かって歩いてきたと思う。
・カエルは“犬のふぐり”とか地面を見ている。雲とか上を見ているわけではない。
・自分のところへ向かって動いて“くる”から動物だと思う。
・ふぐりとか見ていて、これを見ていたわけじゃないから下を見ていた。
〈雲〉4人→19人
・もしかして、空の雲を見ているかもしれないと思った。
・私は迷っています。せっかくの春の歌なのに、蜘蛛が凶暴だったら春
なのに寂しいから。雲の方があっている感じがする。
この迷いで、またみんなの考えが変わった。どちらかとても決めづらかったのであるが
「正解がどちらか迷っている、その人たちが自分の頭で一生懸命考えているならそれが正解です」
と告げた。個人的な解釈としては、春の柔らかな感じがする“雲”を支持したい。
プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年1月時点のものです)

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