繰り返し漢字テスト【教材】

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作成者: brigh さん

1 繰り返し

エクセルで漢字テストを作ることについて解説します。

ただ繰り返し行う、単純な構成なのですが、短時間・省力でできるように工夫をしています。
5問、5問、5問、10問の順でします。
1サイクルが4枚で新出漢字を3回、読み替えを2回書くことになります。
(下図左上10問のテストの水色で示した番号が新出漢字で、5問のテストの黄色に2回ずつ出ています)

実物はエクセルの表で、縦書き、B6版、問題の字はもっと小さく表示されています。
ここから作成ファイルをダウンロードしてください。

【教材】漢字テスト作成ファイル.xlsx

ダウンロードができたら、作成ファイルの「元」シートに10問の問題を入力してください。1年間の漢字テストぐらいなら、2時間程度で作成することができます。教科書の上巻・下巻でそれぞれ1ファイルずつ作るといい分量になるでしょう。

エクセルの数式を使って、元の10問(左上)が他の3枚に5問ずつ表示されるように作っています。

問題は簡単に作れます。
ぜひプリント作りにご利用ください。

また、英語や社会など、他の教科の単語テスト、小テストにも転用できる技術なので、どんどんご活用ください。

プロジェクターとパソコンが教室に常設されている環境があれば、エクセルを大写しすれば、プリントの印刷の手間が省けてぐっと楽です。「繰り返し漢字テスト2」をご覧になってください。ぐっと楽にこのテストを利用する事ができます。
繰り返し漢字テスト2~プロジェクターを使って
最近のプロジェクターはJPEGがUSBフラッシュのみで使えますので、簡単に利用できます。

また、
漢字テストの成果を着実に上げる~繰り返し漢字テスト3
で、答え合わせ等も含めた詳しい記事を掲載していますので、ご覧ください。

2 10問を5問に

漢字テストは10問ですることが多かったのですが、発想を変えて5問でやってみると、かえって力が伸びることがわかってきました。

もし3割しか覚えていない子供に10問を出題すれば7問間違えることになります。
本人も教師も結果にがっくりするし、やり直しもしんどくなってしまいます。
5問テストであれば、間違えは3問か4問です。これならなんとか訂正して覚えようとがんばれます。

3 毎日やる

新出漢字は1サイクルで3回、読み替えは2回出てくるので、3回目となれば漢字が苦手な子供でも、ある程度覚えています。
間髪いれずに毎日やれば、苦手な子供でも50%ぐらいは点が取れるようになります。

4 しんどくない

子供は自分の成長が実感できるので、テストを嫌がらなくなってきます。
特に5問はすぐにできるので(2分を目安に)授業時間を圧迫しませんし、5問を丸付けするのであれば40人分でも10分の休み時間があれば十分です。
他にも様々なやり方はあると思いますが、この漢字テストは教師も子供もしんどくないというのが特徴です。負担は小さく、成果は大きく。

5 進め方

1. 毎日1枚やる。 毎日やると、印刷がたいへんです。

1年分で200枚近くある学年もありますので、時間があるときにまとめて何枚か刷りましょう。刷っておけば毎日やる決心がつきます。

2. 授業の始めにする。

国語の時間に、又は、授業の終わりにしようとすると、授業の進み具合によってできないときがあります。たった3〜5分程度で終わるので何の教科でも時間に余裕があるときでいいですから、必ず毎日やるという強い気持ちを持ってやってください。

3. その日のうちに教師が丸をつけて返す。

すばやいレスポンスが定着にとって最も大事な要素の一つです。

4. 1〜3を子供にも宣言しておく。

絶対にやることを子供に宣言しておけば
→ 自分自身に気合いが入る
→ 子供から「今日は漢字テストしないの?」「テスト返してくれないの?」という声が上がるので、備忘に役立ちます。

5. 5問は点数を記録しなくていい。

→すぐに返すことを主眼に。  
点数を記録する時間がもったいないので、5問テストのときは丸をつけたらすぐ返します。
時間があれば10問テストで記録すればいいと思いますが、これも正解率が上がってくれば、ざっと減点を合計して、(10−減点合計÷クラス人数)でざっとクラス平均を確かめておくぐらいでいいと思います。

6. 間違いは訂正させる。

間違い直しは1つにつき3回程度でいいです。
ただし必ず間違えた一文字だけでなく、熟語または言葉で数回書かせるようにしてください。
きちんと訂正しているかどうか、時々チェックをしましょう。

7. 少し時期をあけて、一度やった10問を再びする。

定着させるために10問テストのプリントを単元が終わって1ヶ月たった頃にまた実施してみてください。

8. プリントは保管させる。

できれば親に習得状況が伝わるように何かに綴じるか、ノートに貼るかさせてください。
5問テストまで保管させるのがきついなら、10問テストだけでも、保管させてみてください。
習得状況が悪い子供は必ず訂正・保管状況も悪いので、時々チェックしましょう。
「保管できてなければ、居残り」などと、ルールを決めておいてもいいでしょう。
1サイクルが4枚なので、漢字練習帳などの1ページに4枚を貼らせるといいでしょう。
最後に10問テストを貼ると成果をすぐに見渡すことができます。保護者にもときどきチェックしてもらうように言っておきましょう。
家庭との連携がとれれば、成果はどんどん上がってきます。
学力不振の子供には長期休みに保護者にこのテストをやらせてもらうよう、お渡しするのもいいと思います。
そのときに、「このテストをほめる材料にしてあげて下さいね、伸びた分をほめてあげて下さいね。」と、保護者に言っておきましょう。

9. 少し多めに印刷しておいて、居残りのときに、どんどんさせる。

児童数+10枚~15枚、余分に印刷しておき、居残りのときに使いましょう。居残りのときは、全問正解するまで合格しないなどの設定を設けるといいです。

10. 伸びをほめる。

テスト結果ではなく、どれだけ伸びたかをほめる。
できれば区切りのいいところで記録をとっておくと確かな伸びが把握できます。

6 成果1

ある年に担任した3年生の学級で、まとめのテストを学期ごとに行いました。
それほど漢字練習に力を入れたわけではなく、淡々とこの小テストをほぼ毎日続けただけです。
それにしたら、我ながらよく成果が出ていると思います。
下の数字をご覧下さい。

  • 平均が  1学期 71.1%   2学期 78.2%   3学期 87.9%  と、約17点アップ
  • 3学期は37人中の32人までが80%以上を取る。

・・・最初から正答率が高い子供はそれ以上に伸びることが難しい(100%以上にはならないですからね)ことを考えると、正答率が低かった子供たちがいかに力を伸ばしているかがわかると思います。
* 3学期は最低点でも60%。 その児童は1学期には30%しか取れなかった。
* 上記の児童をのぞけば、37人中36人までもが75%、32人までが80%の正解率。
半数以上の20人が90%の正解率を取っている。

7 成果2

また別の年に4年生を担任したときは、あまりにも3年生の漢字が書けないので調査をしてみたら、下記の4月ような結果(個人情報なので、デフォルメしています)が出て、驚きました。
正答率10%以下の子供が3名、クラスの半分以上が正答率50%に満たないのです。
さらに驚いたことに、2年生の漢字(これはたいへん易しいですね)さえ、50%がとれない子供が7名もいました。

4年生の漢字の学習と並行して、2年生(抽出)、3年生(全員)の漢字をこの繰り返し漢字テストで黙々と学習させたところ、10月には上記のような成果を得ることができました。
2年生の漢字を学習していた3名を除いた約9割の児童が、70%の正答率に達しています。
「さかのぼり学習」の成功例です。

8 あくまで、基礎

この方法は、とりあえず漢字が苦手な子供が自信を回復し、楽になれる頓服薬だと思ってください。
そして、どの先生でも、スキルを身につけていなくても、このプリントを使えばそこそこの成果を出せると思います。
ただし、漢字指導は、単に漢字の書き取りテストができればよいというものではありません。
基礎的な漢字を書く力がついたといっても、漢字指導がこれで成立しているとはとても言えません。
字源や字の持つ意味等を深く楽しく学習する機会も大切です。
覚えた漢字を熟語で、文章の中で、どのように使いこなせるようにするのか。
ただ単に教科書の漢字を覚えるというのは最低ラインであり、そこから発展した学習の必要性をきちんと捕らえておかなければなりません。

コメント
  • 毎回同じ問題だと、覚える漢字が限定されて子どもも集中できそうですね。 ノートに問題を写して、それを見てテストすれば印刷の手間も省けるな、と思いました。 何度やっても覚えるのが苦手な子には、どんな手立てがあるのか、、、

  • jishin (4/18 13:07)

  • 素晴らしい教材です。 工夫点は、小テストを10問から5問にしたこと。 これはワーキングメモリーの容量を考えると5以下に押さえたことはとても良いことです。 漢字が苦手な子は、いっきに10個も覚えられないからです。 だからといって1個や2個では、長期的な記憶の観点からして返って効率が悪い。 (やった直後は覚えていても、1週間もすると忘れてしまう) もう一点は、 プロジェクターを使ってみんなで読むということです。 これが漢字の習得(=テスト勉強)になります。 しかし、さらに改良するとすると (読みを答えるバージョン) 1咲き乱れる 2私たちの祖先 3背中 4大切に保存する 5空想の世界 (書きを答えるバージョン) 1さきミダレル 2私たちのソセン 3セナカ 4大切にホゾンする 5クウソウの世界 と同じ漢字を読みバージョンと、書きバージョンを用意してやる。 それをプリントアウトして、家でも勉強できるようにしてやると良いでしょう。 また、丸つけは教師がやるのではなく、 子ども自身がやること。 丸つけも勉強なんです。 間違いは直しをさせる 期間を空けてまたやる プリントは保管する これらも自立学習を促す上で重要なことです。

  • Toshio Itoh (10/20 4:55)

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