漢字が苦手な子供のために ~読みが難しい場合

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漢字を読むことさえ困難な子供

漢字が苦手な子供にどう対応するか。難しい課題です。
EDUPEDIAには漢字に関する記事がたくさんあります。下記リンクからも、記事のリンクへ飛ぶことができます。
漢字 | EDUPEDIA
漢字を克服で着ない子供にとって、教科書は下の様に見えているかも知れません(光村図書6年生国語教材)。この状況では国語以外の教科においてもたいへんな学力不振状態に陥ってしまっていることでしょう。

補習の大切さに関しては下記リンク先に続ていますので、是非ご参照ください。

学力保障 ~学校の荒れを防ぐための最優先事項

私は漢字の習熟段階を大まかに3段階で捉えています。

1.習った漢字が読める。
2.習った漢字を習った形でなんとか書ける。
3.習った漢字を文章・会話の中で適切に使用し、漢字の意味を理解し、さらに他の漢字と組み合わせて語彙を増やして活用できる。

なんとか2の状況をキープできていればまずはよしと考えています。そのために、スモールステップで漢字を習得できるプリントを作っていますので、ご参照ください↓。

繰り返し漢字テスト【教材】

ところが、数%の子供にはこちらが一生懸命に手を尽くして指導しても、なかなか漢字の習得が難しいケースがあります。つまり、漢字を書くことはほとんど無理で、読むことさえ困難な層の子供です。この層の子供にどう対処してあげることができるのか、考えてみます

絵やストーリーと関連付けて

漢字の読みが難しい子供に対応しているうちに、次の事が分かりました。

◎ 物語文で出てきた漢字は、説明文で出てきた漢字にくらべて定着が良い。
◎ イラストがあると定着が良い。
◎ 説明をはさむと、定着が良い。(ex.「広い」や「長い」や「重い」や「太い」や「多い」は、「大きい」と似ているね)
◎ 身近な生活に関連付けてヒントを与えながら教えると定着が良い。
● 3年生以上になると急激に「身近ではない」「抽象的な」「音読みの」熟語が増えてきて、指導は困難を増す。(ex.「運動場」ではなく「校庭」。「けしき」ではなく「風景」。「科目」「野鳥」「定期的」等も説明が難しい。)
● 繰り返して学習しても忘却が速い。
● 読みができるようになると、書き取りも正答率が上がる。
● 指導がマンツーマンとなってしまい、時間がかかる。
● 当該学年の漢字の書き取りはひとまず置いておいて、全学年までの漢字の読み取りを優先してあげた方が、本人にとってプラスが大きい。

何らかの関連付けをしながら指導を進めると、定着率は良くなります。私は上記の

繰り返し漢字テスト【教材】

で生成したプリントでまず5問を滞りなく全て読めたら合格という事にして、次の5問、5問、10問を読めるようにしていっています。家庭にも協力を呼び掛けて、毎日少しずつ繰り返して学習をさせています。
また、光村図書の国語教科書には下記のように、前の学年で習った漢字にイラストをつけたページで復習を促しています。

これを読ませるところから始めてもよいと思います

あの手、この手で

漢字を読めないことを非難しながら指導をするのではなく、読むことができるようになった時に「喜びを分かち合う」よう指導をすることを心がけましょう。学力不振の子供に「あなたのことを諦めていないよ」というメッセージを発信するのです。

「土曜日」が読めるようになるまでに20回以上(≒20日)かかった子供もいます。漢字の学力向上にはけっこう時間のかかるため担任だけで対応するのは難しいかもしれません。組織として学校全体でこのような子供たちにどう指導を施してゆくのか、検討する必要があると思います。漢字の読み取りを支援するための教材があまり多くないことは残念です。下記↓は各学年の新出漢字が全て入った文章です。1~6年までEDUPEDIAにアップしているので、是非ご参照ください。

新出漢字の読みが全部入った文章 | EDUPEDIA

漢字指導に並行して、読書も必要だと思います。その子供のレベルより少しだけ高い水準の本をマッチングしてあげられるようなシステムが欲しいですね。アマゾンの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」的な。漫画から入る書籍も出ているので、クラスに1冊、置いておくのもよいかも知れません。

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