はじめに
本記事は【読み優先の漢字教育】シリーズ全4記事の「②番目の記事」になります。関連記事も是非ご参照ください。
子どもの主体を起こし、文章で行う【読み優先の漢字教育】① 「総論」(教材) | EDUPEDIA
子どもの主体を起こし、文章で行う【読み優先の漢字教育】② 「一日一漢字」(教材) | EDUPEDIA (本記事)
子どもの主体を起こし、文章で行う【読み優先の漢字教育】③ 「漢字音読名人」 (教材) | EDUPEDIA
子どもの主体を起こし、文章で行う【読み優先の漢字教育】④ 「漢字書き名人」(教材) | EDUPEDIA
本記事(②一日一漢字)は単独で読み、教材をご利用いただいても十分に役に立つ内容です。下記の教材提供サイトを是非ご利用ください。
「楽しく学べる漢字の部屋」 flat-ohita-5712.thick.jp/index.html ←こちらに教材があります
①の記事には4つの記事の「総論」にあたる部分が書かれています。「②③④」を利用しながら漢字学習をいかに充実させ、子供たち・学級集団の力を伸ばしてゆくのかについて記述されております。是非「①総論」をお読みになり、「②③④」をセットとしてお使いください。子供たちの語彙力や文章力を大きく伸ばすことができます。ひいては主体を起こして子供たちが認め合いながら学習を進めてゆくことができます。

現在、【読み優先の漢字教育】の実戦は滋賀県下の20校以上の小学校で広がり、さらには京都府の小学校にも広がりつつあります。漢字の学びを通してクラスの学力不振や荒れの改善にもつながっています。
「一日一漢字」の活用
「一日一漢字」は、1漢字10分で学べるパワーポイント教材です。みんなでその漢字の成り立ちを想像し、読み、意味、筆順を知り、その漢字を使った文作りをします。
データは先生方が使いやすいよう、各教科書の出現順に並べています。
1.漢字の成り立ちについて、子どもたちの想像を自由に語らせながら、その漢字が表す意味を知ります。

2.漢字の意味を伝え、読み方(音訓両方)を伝えます。

3.教師が例文を読み、子どもに復唱させます(この例文が漢字音読名人で使われます)。自然な漢字交じり文を用い、漢字全てにルビを打ったもので音読練習します。

4.意味の不明な言葉がないか確認し、書かれている文の意味が分かるようにします。
5.この漢字を使った文を友達と考え合い、発表します。
6.画面の動きに合わせて手を動かし、筆順を覚えます。

「一日一漢字」の特徴
◎ 漢字の成り立ちを想像することはとても楽しい活動で、漢字が苦手な子も楽しく参加できます。
◎ 教室を飛び出していた子も一日一漢字の学習になると教室に戻ってくる、という実践報告もあるほどです。
◎ その漢字の使い方を知り、文作りをすることで、漢字が自分の体験とつなげて理解できるようになります。
◎ 対等な一対一の関係で自由に語り合うことで、「主体的・対話的な学び」の力が自然に育っていきます。
FAQ(一日一漢字に関して、よくある質問)
Q:一日1漢字のペースでは、多量の新出漢字が出てくる1学期など指導しきれません。
A:「一日一漢字」と名付けたのは、一度に多数の漢字を扱わないという願いを込めてのことです。1学期は、コンパクトに1日2漢字で進めてください。2学期以降は新出漢字の量も減るので1日1漢字を中心に進められるようになります。
Q:「一日一漢字」に取り組む時間的余裕がありません。
A:国語の時間を使いましょう。全ての漢字を「一日一漢字」で扱う余裕が無いなら、子どもたちの主体が起きそうな漢字を選んで行い、その他は通常の指導でカバーするという形でもいいです。「漢字を学ぶって楽しいな」という実感を持たせることが大切です。
次期新指導要領では、午前中40分の5時間授業、午後は学校の課題に即した学習時間枠が導入される見込みです。その時間枠を使い、「漢字音読名人」「漢字書き名人」もセットで学習できるようになれば、学びの成果は飛躍的に向上するでしょう。
プロフィール
井上知子
臨床心理士
大津少年センター心理相談員
上野芳樹
滋賀県の小学校元校長。
~子どもの主体を起こし、文章で行う~読み優先の漢字教育研究会のメンバーが「白川漢字教育賞」最優秀賞 「弘済会しが教育賞」県教育長賞等、受賞
滋賀県下20校以上で実践中・京都府でも実践校が生まれています。


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