通信簿の所見【親子が元気の出る「そのひと言」文例集139】

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目次

1 はじめに

学期末、一番神経を使うことといえば、通信簿の所見作成ではないでしょうか。ひとりひとりに的確でかつ意欲が高まる所見を考えることは難しく、時間の必要なことです。本記事では、による通信簿の139の所見例文を紹介します。実践者は元・小学校教諭で現在大学非常勤講師(教職課程)でいらっしゃる滋賀のタカブーさんです。実践者の許可を頂いて掲載しています。所見作成のヒントにぜひご覧ください。

Hi,friends!(英語活動)の所見文例の記事もありますので、こちらもご参照ください。
通知表記入文例(外国語活動)

2 学習面で、もらってうれしい所見「そのひと言」

〜64例文一覧〜

  • 学習している中身に興味を持って、楽しみながら取り組んでいました。
  • 学習の中身そのものを、目を輝かせながら楽しんでいました。
  • どの学習でも自然体で、のびやかに取り組んでいました。
  • 学習への集中力が、じわじわとアップしてきました。
  • 学習に集中することの持続力が、だんだんついてきました。
  • 毎日くり返して学習する習慣が、日に日に身についてきました。
  • 取りかかりが早くなり、学習の能率もだんだん上がってきました。
  • どの学習でも、やる気まんまん(やる気いっぱい)で取り組んでいました。
  • 学習への意欲を、態度にも表してくれるようになりました。
  • がんばるぞというやる気を見せてくれることが、とても多くなりました。
  • 基本となる漢字や計算を取り組む姿勢に、根気強さがついてきました。
  • 漢字や計算をていねいに練習しているので、きちんと身につく量が増えてきました。
  • 学習に取り組む姿勢が一段と前向きになり、高学年らしいやる気の芽生えを感じました。
  • 学習中の表情にも、生き生きとした自信とゆとりが出てきました。
  • 自分が学んだことを、友だちにもわかりやすく教えてあげていました。
  • 友だちと力を合わせて取り組む学習を、一所懸命(一生懸命)することができました。
  • 友だちと励まし合いながら学習する姿が、数多く見られました。
  • ていねいに仕上げようとする姿勢が早とちりをへらして、成果を出せるようになりました。
  • 最後まで話をしっかり聞いているので、取りこぼしがありません。
  • とてもきめ細かい学習ぶりで、学んだことがよく身についています。
  • 学習全般に安定感があり、そのバランスのよさには、目を見はるものがあり 習ったことをよく理解し、てきぱきとこなしていく力があります。
  • 熱心に取り組んだことは、必ずよい結果につながっていました。
  • 特に○○をよくがんばり、どの単元もムラなく、自分のものにすることができました。
  • 理解力と吸収力には目を見はるものがあり、ゆとりを持って学習に向かっていました。
  • ばつぐんの吸収力で、実力(持てる力)を充分に発揮していました。
  • 柔軟性のある、しなやかな学ぶ力を持っています。
  • ポイントをパッとつかみ取る力が、ぐんぐんと伸びてきました。
  • 難しい問題もあれこれ考え、自分で筋道立てて解いていく力は、なかなかのものです。
  • 読書量が多く、語いが豊かで、さっと読み取る力もなかなかのものです。
  • 読み取る力が豊かなので、学んだことをより深く理解しています。
  • いつも新鮮(フレッシュ)な気持ちで、学習に向かっていました。
  • やるぞと決めたら最後まで精一杯やりとげる、がんばり屋さんです。
  • ふだんから、地道にこつこつと努力しています。
  • きめ細かく確実に仕上げようと、心がけていました。
  • ていねいにじっくりとやれば、力を出すことができます。
  • 学習の取りかかりも能率もよいので、ていねいさが加われば、さらに成果が出るでしょう。
  • ねばり強く取り組むぞという気持ちでやれば、よい結果がどんどん出せる子です。
  • あせらず落ち着いてやれば、必ず力を発揮していました。
  • この学習はがんばるぞという態度を、おもてに出してくれるようになりました。
  • どの学習でも決して手をぬかず、全力投球していました。
  • こつこつと真面目に取り組んだことが、徐々によい結果につながるようになってきました。
  • 学んだことを確実に吸収し、がっちりと自分のものにしていました。
  • やるべきことは着実に自分のものにしていました。
  • 学習への向かい方が一歩一歩確実で、ていねいに仕上げていました。
  • 見通しを持って取り組んでいたので、自分の発想を生かす学習ぶりでした。
  • 人の話をじっくりと聞いて、積極的(主体的・自主的)に発言していました。
  • 言いっぱなしではなく、深めていく討論のできる子です。
  • 手をあげて発表する中身も、一段と充実してきました。
  • みんなの前で、自分の考えをしっかりと言えるようになってきました。
  • 友だちの発言に関わらせて、柔軟(発展的)な発言をしていました。
  • 学習の山場では、目のつけどころのよい(的を得た)発言をしていました。
  • この調子で、がんばってほしいと思います。
  • あせらず、落ち着いて取り組んだら、大丈夫です。
  • やればできるんだという自信を、いつも持ってほしいと思います。
  • これからの活躍(がんばり)が、楽しみです。
  • 欲が出てきたら、きっと伸びます。
  • このまま積み上げていけば、さらに伸びるでしょう。
  • あとは、うっかりミスだけ気をつけましょう。
  • 学習の能率がよいので、早合点にだけ気をつけましょう。
  • 努力して○○ができるようになったのは、すばらしいことです。
  • 毎日コツコツとつみ上げてきた地道な努力には、大きな拍手を贈りたいと思います。
  • これからも油断せずに、今のまま取り組んでいけばよいでしょう。
  • 理解力がしっかりしているので、柔軟性が加われば一段と伸びるでしょう。

3 生活面で、もらってうれしい所見「そのひと言」

〜75例文一覧〜

  • 友だちにやさしい心づかいを見せてくれることが、いっぱいありました。
  • 人のためにも力をつくす姿には、学級のみんなからも大きな支持を得ていました。
  • さっぱりしていて、さわやかな雰囲気を周りに広めてくれました。
  • 学級をじわぁっと温かな、ぬくもりのある空気にしてくれます。
  • 正直で誠実なくらしぶりには、学級のみんなも見習っていました。
  • かげ日なたのない生活ぶりは、みんなのよいお手本になりました。
  • 友だちのめんどう見がよく、みんなから好かれていました。
  • 小さい子のめんどう見もよく、思いやりのある心をいっぱい見せてくれました。
  • 学級のみんなの、頼りになるお兄さん的(お姉さん的)存在でした。
  • 下級生にとって、やさしいお姉さん的(お兄さん的)存在でした。
  • 人への思いやりのある言動は、みんなにもよい影響を与えていました。
  • 人の気持ちをくんで行動することで、みんなのチームワークを高めてくれました。
  • チームワークを大事にし、みんなで成しとげようと、力をつくしてくれました。
  • 持ち前の行動力を発揮して、みんなを引っ張ってくれました。
  • 見ていても気持ちいいくらい、ほがらかで、さっぱりしています。
  • ひかえめながら、しっかりとした考えを持って行動していました。
  • 人の強い意見に流されず、自分でしっかり考えて行動していました。
  • 自立へのステップをふみながら、自信のある生活ぶりでした。
  • ここぞという時には、自分の考えをはっきりと主張していました。
  • 周囲の出来事にも目を向けて、共感したり批判したりできる力がついてきました。
  • 生活全般に、気力の充実と、精神的なたくましさが増してきました。
  • 生活全般に、てきぱきと活動し、活力のみなぎっていた○学期でした。
  • 心身共に、ひと回り(一段と)たくましくなりました。
  • 毎日、朝からはりきって、生き生きと(テンポのよい)学校生活を送っていました。
  • 学級のみんながつられてあいさつするほど、気持ちのよいあいさつをしてくれます。
  • どんな時も、あわてず、落ち着いて行動していました。
  • 礼儀正しく節度ある生活ぶりに加えて、積極性も出てきました。
  • 生活ぶりにも、落ち着きと安定感が出てきました。
  • 持ち味のやさしさに、たくましさが加わってきました。
  • 真剣にする時と、茶目っ気を見せる時のけじめがつけられます。
  • 物おじしない堂々とした生活ぶりに加え、楽しい雰囲気をみんなに広めてくれました。
  • みんなの先頭に立って活動したり、推進役として活躍する場面が多い○学期でした。
  • 言うべきことははっきり言えて、自分のこともしっかりとふり返れます。
  • 言うべきことははっきり言いつつ、相手のことも大切にすることができます。
  • 人に言われなくても、さっと判断して、的確な行動ができます。
  • 男女の分けへだてなく、誰にでも親切にしていました。
  • 誰に対しても、心あたたかい態度で接していました。
  • 誰でもあたたかく受け入れてあげ、仲よくしていました。
  • 困っている友だちがいたら、どんどん声をかけてあげる姿の多い○学期でした。
  • 迷わず決断して行動した時は、目を見はるような力を発揮してくれます。
  • 面倒なことでも労をいとわず(力を惜しまず)、最後までやりきっていました。
  • さぼらず、手をぬかず、一生懸命(一所懸命)がんばって仕事をしていました。
  • 何事にも心をこめて、誠実に取り組んでいました。
  • 子どもらしいよさを、いっぱい持っている子です。
  • 自分で考え、工夫して、楽しみを見つけられる子です。
  • しなやかな感受性と、やわらかな心を持っている子です。
  • 友だちとの関わりの中で、自分の心を耕していける子です。
  • 友だちと大いに笑い、大いに楽しみ、伸び伸びと生活していました。
  • 自分のありのままの気持ち(思い)を、素直に出せていました。
  • 休み時間は、汗びっしょりになるまで元気いっぱい遊べました。
  • 休み時間は、おだやかに楽しく、友だちと過ごしていました。
  • 肩ひじを張らず、おおらかな気持ちで、友だちとつき合っていました。
  • 我を張らず、うまくゆずり合いながら、友だちと楽しく過ごしていました。
  • 周りの友だちの心を、なごませてくれる大切な存在でした。
  • 友だちをさりげなくさそってあげる、やさしい心くばりを見せてくれました。
  • 友だちにも心を配れる言動が、みんな遊びの中でも、よい影響を与えてくれました。
  • いつもにこやかな笑顔を見せてくれることが多く、いろんなお話をしてくれます。
  • 目が合うと、顔全体に広がる笑顔を見せてくれ、こちらまで元気をもらいました。
  • だんだんと自分の言いたいことを、はっきりと伝えられるようになってきました。
  • 友だちの輪が広がってきて、自信のある生活ぶりでした。
  • 交友範囲が広がってきて、体を思う存分動かす遊びを楽しむようになりました。
  • 多くの友だちと、元気いっぱい活発に遊べていました。
  • 友だちとの関わり方に、しなやかさ(やわらかさ)が出てきました。
  • 体を思う存分動かして遊ぶ姿が、多く見られました。
  • 表情豊かに、いろんな話を、どんどんしてくれるようになりました。
  • いざという時の、とっさの判断力には、目を見はるものがあります。
  • まっすぐな心で、見ていて、とても気持ちのよい生活ぶりでした。
  • 安心して見ていられる(任せられる)ほどで、感心しました。
  • ○○くんなら、きっとすばらしい○年生になれると思います。
  • ○○さんなら、きっとステキな○年生になれるでしょう。
  • 調子に乗りすぎたら、さっと自分をふり返れるので立派です。
  • 気づき、考え、実行することを、率先してやってくれました。
  • あわてず、あせらず、ゆとりを持って生活していました。
  • みんなに新しい提案をしたり、核心をついた意見を出したりしてくれました。
  • 身も心も、かろやかに(リズミカルに)生活していました。○学期も期待しています。

所見文例集の使い方について

以上、ある学級の1年間の所見から、こんなひと言をもらいたいと思える言葉だけを、改めて拾いあげてみました。これらは、ノウハウとかマニュアルではありません。こんなふうに子どもと関係が築けたらいいな、という意味です。「子どもとの関係づくり」のための資料として使えば、子どもを観る力がつきます。一文一文を読んで、教室にいるどの子の顔が浮かんでくるか?ということです。
 親も子も学級担任の所見の「そのひと言」で救われたり、「そのひと言」が親子の対話のきっかけ(出発点)になったりするのではないでしょうか・・。ただ並べただけで、分類していないので、読みにくいところはご容赦ください。そうしながら、ふと思い出した詩があります。(あちこち探して、原文が見つかりました)
『そのひと言で励まされ
そのひと言で夢を持ち
そのひと言で腹が立ち
そのひと言でがっかりし
そのひと言で泣かされる
ほんのわずかなひと言が
不思議に大きな力を持つ
ほんのちょっとのひと言で』

4 明日から、来週からできる「信頼関係づくり」

それでも、なかなかイメージどおりにクラスづくりが進まない場合もあります。そんな困った時に、担任自身が発想の転換を図れる手立てがほしいじゃないですか。あちこちのページで紹介した具体策「クラスを何とかしたい」(じゃあ明日から、来週から、いったい何から始めたらいいのか)を、以下のページで紹介しています。

『イジメをなくす教室の雰囲気づくり【安心感あふれる教室に変える手立て①②③④】』
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898386/
  『イジメが起きないクラスの空気をつくる(担任のしなやかな役割4月~3月)』
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898387/

よかったら、ご覧ください。手応えがあったよ!という先生方(東北~九州)からいただいたスモール・ステップ「ミニ作戦」も紹介しています。

先生方が、活用したいと思ってくださる内容が1つでもあれば、幸いです。

5 所見が思いつかない時は・・・

所見の話から、脱線してしまいました。肝心の所見の話に戻ります。

私自身も小学校で学級担任をしていた時は、クラス40人全員の所見がスラスラと書けたわけではありません。なかなか所見が思い浮かばない子も複数いました。そういう時は、その子にお手伝いを頼んだり、掃除の時間、一緒に机を運んだりして、その子と1対1で関わる(ほめる)ことを意識的に増やしました。そうすると、所見にぜひ書いてあげたいことも浮かんできたのを覚えています。私の場合、所見が浮かばない子=印象がうすい子=関わりが少なかった子→その子と関わりを増やそう、という流れをつくりました。その子が給食当番の時も、意図的にほめる場面をつくることで、所見にも書けます。給食を食べる時も、順番に各班で担任も食べながら、その子にも声をかける中で、所見につながることが見つかります。たまには、その子と昼休み(たとえ10分でも)一緒に遊んでみると、所見のネタがけっこう見つかりますよ。とっておきは、掃除(一緒に机を運ぶこと)でしょうか。

6 それでも、書く言葉が浮かばない子には・・・

それでも、行動や発言で素直に表現するのが苦手(シャイ)な子(ほめてあげたい姿をなかなか見せてくれない子)もいます。そういう子には、その子の日記や作文からキラリと輝く点を見つけて、所見に書くこともありました。そのために使ったのが次のイラストです。このイラストを子どもたちの日記帳(おもて表紙の裏側)に貼らせました。子どもたちは、何を書こうか・・と困った時は、このイラストをじーっと見て、思い出したように書き始めました。そんな、書くことを見つける「きっかけ」になる(その子にとっても、私にとっても)貴重なイラストだったのです。

かつて、石井順治先生に教えていただいたイラストに、多少、手を加えたものです。毎日、日記を書かそうと言っているのではありません。週に1回でも、時々でも、先生方の負担にならない範囲で使える、オススメの引き出しの1つです。どうぞ、このアイデア、小2から中学生まで使いやすいように修正して、自由にご活用ください。

7 出典

下記のブログから転載しています。
滋賀の「子どもと向き合う」親・保育士・教師の「始めの1歩」ミニプチ・ステップのすすめ
ブログトップページ
http://sg2takaboo.exblog.jp/
本記事の元記事
http://sg2takaboo.exblog.jp/24898592/

滋賀のタカブーさんが運営されている、保育・教育・子育て支援情報のブログです。とくに子どもの荒れ、くずれ、イジメ対策として教室の雰囲気、クラスの空気を変えようとチャレンジされている具体的事例や、教材に活用できそうな内容を紹介されています。ぜひご覧ください。

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