呼びすてについて考える ~くん・さんづけで呼びあおう(シリウス)

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目次

はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。

シリウスのホームページはこちら→ 静岡教育サークル/シリウス

誰が呼び捨て?

子ども同士の名前の呼び方が気になったので、名前の呼び方について考える授業をおこなった。男女ともに級友のことを呼びすてにしている子が多く見られる。

まずは次のようなアンケートをおこなった。

Q1 あなたの名字や名前を呼びすてにしている人はだれですか。

Q2 あなたのことを呼びすてにしてもいいのは誰だと思いますか。

 親 ・ きょうだい ・ いとこ ・ 同級生(同じクラスの人)
 仲のよい友だち ・ スポ少の人 ・ 先生 ・ 年下の人

結果を集計してみると

Q1 あなたの名前を呼びすてにしている人はだれですか。

同級生   32人  親       18人
きょうだい 21人   いとこ     16人
スポ少の人 20人  仲のよい友だち 12人

Q2 呼びすてにしてもいいのはだれでしょう。

親     26人  同級生    14人
きょうだい 21人  仲のよい友だち12人
スポ少の人 18人  下の学年の人 8人
いとこ   15人  先生     6人

呼びすてで呼ばれたとき、どんなふうに感じますか?

・いやな気持ち   ・なめられている
・乱ぼうだな    ・ケンカをしてくるみたい
・ムカつく

興味深い結果

  • 親であっても呼びすてをしてはいけない、と考える子どもがいる。家では「ちゃん」「くん」づけをされている。
  • 親は自分のことを呼び捨てにしていい(26人)が多いが、実際に呼びすては少ない(18人)
  • 同級生は自分のことを呼びすてにしていいは、半分以下(14人)だったが、実際にはほとんどが呼びすて(32人)
  • 親、きょうだい、同級生の呼びすては許すが、教師からの呼びすては許さない。
  • 呼びすてされれは、ムカつき嫌な気持ちになるのに、みんながそうするから自分もしている。

実際には呼びすては少ないのは、なぜ?

親は自分のことを呼び捨てにしていい(26人)が多かったけれど、実際には呼びすては少ない(18人)のは、なぜだと思いますか?

・子どもを大切にしているから
・自分の子どもがかわいいから

親は子どものことを大切にしているから、という部分を確かめ強調しておいてから、次のように尋ねた。

実際には呼びすてが多いのは、なぜ?

同級生は自分のことを呼びすてにしていいは、半分以下(14人)だったけれど、実際には呼びすてが多い(32人)のは、なぜだと思いますか?

・同級生は同じ学年だから
・何かもうクセになっちゃっているから。
・もう1年生の時からなれているから。

「親が子どもを大切にするほど、同級生のことを大切にしているといえますか?」

と問うと「ちがう」という返事が返ってきた。「呼びすてにされたときに、いやな気持ちがしているんだよね。呼びすてされた人は嬉しい気持ちがしていると思いますか?」と「ううん」という返事。

子どもたちだってよくわかっているのである。しかしこれまでの習慣や慣れから、名前の呼びすてが普通の状態になっていたのである。授業をする当初「呼び捨てはいいと思いますか?」と尋ねたとき、全員が〈いいと思う〉と答えたのもうなずける。その理由としてあげたのが、つぎのものであった。

・1年生のときからそうだから慣れている
・「くん」とか「ちゃん」が着くと、気持ち悪い感じがする。
・別に呼び捨ては嫌がらせじゃないからいいと思う。
・いやな気持ちがしない

これからのあなたは同級生をどう呼びますか?

( これからも多分呼びすて ・ できればやめたい ・  もうやめる ・ もともと言ってない )

・これからも多分呼びすて 0人
・できればやめたい   14人
・もうやめる      22人
・もともと言ってない   0人

全員が〈できればやめたい〉〈もうやめる〉であった。その理由は

  • 呼びすてだといいクラスになれないから。
  • 友だちを大切にしたいから
  • 呼びすてをされてイヤだと思う人もいるから。
  • みんな呼びすてをされて、本当はイヤな気持ちだから。
  • ぼくは4年生になってくんづけをされたことがなかったけど、kさんがくんをつけて呼んでくれて嬉しかった。
  • 私は女の子のことをあまり呼びすてはしない。だけど男の子に呼びすてするのが多い。だから男の子に呼びすてを直すには時間がかかる。
  • できればやめたいけれど、ケンカしているときはムカッとなって呼びすてしちゃうかもしれない。

呼び捨て文化は変えられるか?

名前の呼び方は、教師からの指示や命令(?)だけで変えられるものではないと思っている。 これまで数年をかけて培われてきた文化を、たった1年で変えることなど無理かもしれない。しかし子どもたちには、この1年間、呼び捨てについて考えさせてきたい。

特に、公の場面、授業中や教師と話すときには「くん、さん」をつけられるようにしていきたい。

呼び捨てが自然な形でなくなったとき、きっとすばらしいクラスになっているのだろう。

授業の感想

  • 呼びすてはいじめ(につながる)言葉で、これから直していきたいです。
  • 私はすぐには無理だと思うけれど、もう呼びすてをしないようにがんばりたいです。
  • 呼びすてのことについて考えたら、自分は直さなきゃいけないことが分かった。
  • こうやって振り返ってみることがいいと思った。
  • もうみんなのイヤな気持ちをなくしてずーっといい気持ちな4年3組にしたいです。
  • 呼びすてをしないことは、その人を大切に思っている証拠だから、気をつけたい。
  • 呼びすてをされたくないという気持ちがわかったような気がしました。
  • これからみんなで呼びすてをなくしていいクラスにしていきたい。
  • 呼びすてはもうやめたいです。私はイヤな気持ちはしないけど、みんなはイヤな気持ちになっていることが分かったから、呼びすてはやめたい。

プロフィール

静岡県教育サークル シリウス

1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年1月時点のものです)

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