【小1道徳】「ほかの くにから きた たべもの」~身近な食文化から国際理解へ~

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目次

1 はじめに 「国際理解、国際親善」の授業のポイント・注意点

本教材「ほかの くにから きた たべもの」は、小学校学習指導要領解説「特別の教科 道徳(平成29年7月)」の内容項目C「国際理解、国際親善」に該当する教材です。

この内容項目の各学年の目標は、学習指導要領では以下のように設定されています。

<第1学年及び第2学年>

・他国の人々や文化に親しむこと。

<第3学年及び第4学年>

・他国の人々や文化に親しみ、関心をもつこと。

<第5学年及び第6学年>

・他国の人々や文化について理解し、日本人としての自覚をもって国際親善に努めること。

(小学校学習指導要領解説「特別の教科 道徳」P62)

グローバル化によって他国の人々や文化を理解する重要性は高まっています。

小学生の段階では子どもたちに身近な外国の文化からスタートし、「生活レベルの国際理解」に重点をおいて授業を構想したいところです。

「国際理解、国際親善」の授業を構想するヒントは以下の5点です。

  1. 文化の多様性理解:様々な文化やそれに関わる事柄を互いに関連付けながら国際理解を深める
  2. 相互尊重の態度:他国の人々もそれぞれの国の伝統と文化に愛着や誇りを持って生きていることを理解させる
  3. コミュニケーションの重要性:挨拶などの身近な行為を通じて、他国の人々とコミュニケーションを取ろうとする態度を育成する
  4. 共通点の認識:国が違っても、幸せを求める気持ちは同じであることを理解させる
  5. 日本人としての自覚:日本人としての自覚や誇りを持ちつつ、国際親善に努める態度を育てる

この5点を意識して授業に組み込み、他国の人々や文化に興味をもち、大切にする心を養っていきましょう。

小学1年生の段階では、「自国の文化なのか、他国の文化なのかの区別が難しい」「他国の人々や文化に触れた経験があまりない」といった点に配慮します。

1年生にとって身近な出来事や書籍、他国の衣食住について考えられるようにします。

場合によっては、外国語を指導するALTの先生や留学生をゲストティーチャーに招いて授業をする方法も有効です。

2  教材、あらすじ、授業のねらいについて

  • 小学校1学年 道徳科 主題名 「ほかの くにの ひとたちと」
  • 教科書 東京書籍 『新しい道徳』「20 ほかの くにから きた たべもの 」
  • 内容項目 C-(16)国際理解、国際親善

あらすじ

本教材は、日本人になじみがある外国から伝わった食べ物を題材にしています。

スパゲッティ、カレー、ハンバーガー、ぎょうざといった食べ物は、1年生にとって身近な食べ物です。

身近な外国の食べ物を通じて、国際理解や国際親善の重要性を学ばせる方法が必要になってきます。

ねらい

他国の人々に親しみを持ち、自分たちと異なる文化のよさに気づいて積極的に関わっていこうとする心情を育てる。

3 授業の工夫

教材の食べ物から国際理解の一歩を

「ほかの くにから きた たべもの」にある食べ物は子どもたちに身近な食べ物です。

しかし、よく見ると日本の食べ物とは異なる点があります。

カレーの写真に注目すると、パンのようなもの(ナン)や、日本にある一般的なカレーとは異なる具材が見られます。

また、ぎょうざがお湯に浸かっている様子も1年生にとっては違和感があるのではないでしょうか。

このような日本の文化と他国の文化の相違点に気づかせましょう。

それが国際理解の第一歩になります。

以下のような対話を参考に、日本と他国の文化の違いに迫ってみましょう。

T「写真を見て、何か気づいたことはあるかな?」

T「日本にある食べ物と比べて違うところはないかな?」

(T「日本にあるカレーと写真のカレーを比べて何か違うところはないかな?」)

C「麺の太さで名前が変わるなんて知らなかった」

C「カレーにご飯がない」

C「ぎょうざがお湯の中には入ってるよ」

C「このカレーはどうやって食べるんだろう?」

日本と他国の文化の違いに気づいたり、他国の文化に興味を示したりといった子どもたちの反応があればOKです。

理解することは、知ることから

他国を理解するために、まずは他国の文化を知ることに重点を置いて授業をしましょう。

国際理解を多面的・多角的に考えさせる工夫

ここからは、国際理解を多面的・多面的に考える工夫を紹介します。

授業のねらいや手立ては、学級や子どもたちの実態に応じて変わります。

ここからは、学級の子どもたちの顔を浮かべながら読んでいただき、授業の参考にしていただけたらと思います。

教材以外の外国から来た食べ物について話し合う

日本の食生活には、さまざまな国の食文化が溶け込んでいます。

文化の多様性について考える授業展開も考えられます。

T「『ほかの くにから きた たべもの』にある写真以外で知っている外国の食べ物はあるかな?」

C「ケーキ」

C「ラーメン」

C「チャーハン」

C「ハンバーグ」

子どもたちが好きな食べ物は、ほとんど外国から来ている点がおもしろいですね。

「わたしたちが食べているものって、外国の食べ物が多い!」という事実は1年生にとっては大きな驚きです。

焼肉も実は外国(韓国)の料理と知ったら、さらに驚きでしょう。

食文化はその国の文化を理解するのにはよい媒体になります。

給食の献立から他国の料理を知ったり、ALTに母国の食文化を紹介してもらったりして、さまざまな国の食文化を知る手立ても国際理解の授業では有効です。

食の多様性に触れながら、他国の文化に親しみをもってもらいたいですね。

自国の食べ物を振り返る

外国の食べ物が溢れている一方で、日本の食べ物に注目する授業展開も考えられます。

T「日本の食べ物は何があるかな?」

C「ご飯」

C「お寿司」

C「天ぷら」

T「日本の食べ物を写真にある外国の友達に伝えるとしたら、どう伝えるかな?」

C「お寿司はご飯の上に魚を乗せて食べるよ」

C「お寿司はたくさんの種類があるよ」

C「天ぷらは野菜などを油で揚げて食べるよ」

子どもたちは日本の食べ物を伝える活動を通して、我が国の食文化に興味をもったり、よさに気づいたりするでしょう。

他国のことを知り、自国のことも知ってもらう態度の育成も、国際理解では大切です。

外国にはそれぞれの国で文化があることに気づかせる

T「外国から来た食べ物は、私たち日本にある食べ物と違ってはいけないの?」 

他国には他国の文化が、日本には日本の文化が。

それぞれの国にはその国の文化や価値観があることに気づかせる発問です。

1年生には難しい発問かもしれません。

しかし、互いの国の文化や価値観を認め合い、理解し合う国際理解の大きな目標に向かって子どもたちに問いかけてみたいですね。

T「外国から来た食べ物は、私たち日本にある食べ物と違ってはいけないの?」

C「同じでないとダメ!」

C「えっ、違ってもいいんじゃないかな」

発問に対する意見は割れる可能性があります。

両者の意見の理由を聞いてみましょう。

T「同じでないとダメな理由ってありますか?」

C「カレーにはご飯がないのはおかしいから」

C「お湯に入ったぎょうざはおいしくなさそうだから」

1年生はとても素直です。

こうした固定観念を少しずつ柔らかくしてあげたり、崩してあげたりするのは、道徳授業の役割だと私は思います。

T「違っていいという理由はありますか?」

C「その国の食べ物だから」

C「イタリアはイタリア、中国は中国、日本は日本だから」

C「インドにはインドのカレーのよさがあり、日本には日本のカレーのよさがある」

「国にはそれぞれの文化や考え方があること」「お互いの文化や考えを理解することが大切」といった意見は、国際理解という目標に向かっている意見です。

学級全体で共有して、他国も自国も大切にする姿勢を育てていきましょう。

執筆者プロフィール

マー

小学校教員を15年務めた後、フリーのWEBライターに転身。教員時代は安全主任、体育主任、生徒指導主任、学年主任を担当。現在は「物事のよさをより多くの人に」をモットーに教育系記事、金融系記事を主に執筆。趣味は野球観戦とランニングで、野球やマラソン・駅伝を応援するブログを運営している。

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この記事を書いた人

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