
個人面談は教員と保護者が子どもの情報を共有し合う場です。
また、保護者と子どもたちの信頼を高められる場でもあります。
「教育は信なり」という言葉があります。
教育は信頼関係が基盤となって成り立つことを意味します。
保護者からの信頼を得られると、学級経営はとてもやりやすくなり、子どもたちも成長します。
さて、教員が保護者と直接対話する機会は1年でどれくらいあるでしょうか?
学級開き直後の懇談会、運動会などの学校行事などが思い浮かびますが、一人ひとりの保護者に時間をかけて対話するのは個人面談しかないのではないでしょうか。
実は、教員が保護者から直接信頼を得る機会はそう多くはないのです。
したがって、面と向かって子どものことを対話する個人面談は信頼関係を築くとても重要な機会です。
今回は保護者の信頼を得られる個人面談の準備を紹介していきます。
本記事を参考に、学級開きと同じくらい念入りに準備をしましょう。
なぜ個人面談(保護者面談)の準備をするのか?
教員の皆さんの中には「保護者と話すのが苦手」という方もいるかもしれません。
自分よりも年輩の保護者に接することが多い若手教員は緊張の連続ですよね。
一方、保護者の心情はいかがでしょうか?
保護者の中にもお話が苦手な方がいます。子どものことで何を言われるかを恐れている方や子育てに悩んでいる方もいるかもしれません。
反対に、教員と協力して子どもを成長させたいと前向きに個人面談に臨む保護者もいらっしゃいます。
保護者の心情は様々ですから、一人ひとりの保護者が安心して面談を受けられる環境を準備する姿勢が教員には求められます。
面談の得意不得意はともかく、準備は誰にでもできます。
子どもたちの教育のパートナーである保護者(家庭)の信頼を得るためにも、最高の面談環境を準備しましょう。
個人面談(保護者面談)の準備 7選

ここからは個人面談に必要な準備を解説していきます。
①保護者の待ち時間の工夫
面談時間まで保護者を廊下で待たせる学校がほとんどの場合だと思います。
椅子を用意するとともに、待ち時間も気持ちよく過ごしてもらう工夫をします。
学校での子どもの様子が見えるようにしてみましょう。
以下のような工夫ができます。
- 廊下に子どもたちの作品(絵画、学習新聞など)を掲示する
- 子どもたちの様子をスライドショーで流す(大型テレビ、PC、タブレット端末などで写真を流す)
保護者は子どもたち(クラス)の様子が見え、少し安心するでしょう。
②面談の時間設定(時間配分)
一人ひとりの面談時間は学校によって指定されています。
概ね10分から15分ほどでしょうか。
短い時間の中で端的に話せるように準備しますが、ここでは面談の時間配分を考えましょう。
仮に面談時間を15分とした場合、どのような時間配分をしますか?
個人面談の一番の目的は教員と保護者の情報共有。
これが達成できるように時間配分を考えることが重要です。
私の場合は、最初の3分〜5分は教員が話す時間と決め、一方的に子どもの学校での様子を話しました。
担任教員として、学校での子どもの様子を伝えるという責務をまずは果たしましょう。
面談の最初に「まずはじめに、私の方からお子さんの様子についてお話します。その後、ご家庭の様子をお話していただければと思います」と伝えておくと、スムーズに面談を始められ、担任の話を聞きながら保護者も話す準備ができてきます。
最初からフリートークのような形にすると、お互いに伝えたいことを伝えられなかったり、話がまとまらないまま時間切れになってしまう場合があるので注意が必要です。
ひとまず教員が話したら、「ご家庭での様子はいかがですか?」「お子さんの様子で気になることはありますか?」と聞き、子どもの様子で気になることなどを確認しながら保護者が話すように仕向けていきましょう。
面談の中盤は対話を心掛け、最後は面談の要点をまとめて終えるとよいです。
③机やイス、会場の設定
面談会場は寒すぎず、暑すぎずの室温・湿度に設定し、換気もします。
冷暖房の風が教員・保護者に直接当たらないように座席を設置しましょう。
面談会場の整理整頓をして、清潔な環境で話せるようにします。
面談が放課後の時間帯ですと、まぶしくならないように日光にも注意が必要です。
教員と保護者の位置は真正面で向き合わず、横か斜めの位置で面談できるようにしましょう。
④資料の準備
個人面談に向けて以下の資料を準備します。
- テスト結果の一覧
- 子どもの振り返りアンケート(学校は楽しい、悩んでいることがあるなど学校生活のアンケート)
- 子どものノート
- 子どもの様子(授業、業間休み、当番・係活動など)
- 教員の評価
テスト結果や振り返りアンケート、子どものノートは子どもによって活用しましょう。
例えば、算数のテスト結果から図形の単元に欠点がある子の場合は、情報を共有し、解決策を保護者と一緒に考えます。
授業の集中力に課題が見える子は、授業での様子を話したり、ノートを見せたりして、課題を明確にしていきます。
私は「子どもの様子」を面談資料の中で最も準備していました。
学校での子どもの様子は教員しか知りません。
また、子どもの姿は学校と家庭では異なります。
「学校ではウチの子は大丈夫だろうか?」という保護者の気持ちが安心へと変わるように子どもの頑張りをよく観察して準備しましょう。
「お子さんをしっかり見ています」ということが保護者に伝わるとよいです。
保護者が「面談に行ってよかった」「有益な情報を得られて、少し肩の力が抜けた」と思ってもらえる情報を提供していきたいですね。
⑤面談前に保護者が相談したいことを知っておく
面談をする前に保護者が相談したいことを把握しておくと、面談が円滑に進みます。
保護者が面談日程の希望を出す時に、相談内容を記入する欄を設けます。
そうすると、保護者は「算数の学習が心配です」「家では宿題を後回しにしがちです。学校では迷惑をかけていないでしょうか」などと、相談したい内容を書いてくれます。
保護者の相談内容について直近2週間の様子をよく観察し、面談で話し合えるように準備しましょう。
友達とのトラブルなどの生徒指導上の相談内容は、面談を待たずに対応することもあります。
場合によっては、DVや虐待、兄弟姉妹の不和などの家庭環境に関する相談もあります。
そのような場合は、学年主任・生徒指導主任・管理職に面談前に相談して対応策を考えるようにします。
⑥面談の進め方
面談の進め方を学年で確認しておきましょう。
クラスによって進め方がバラバラですと、信頼を損なうことにもなりかねません。
最低限の進め方は揃えておきたいところです。
また、個人面談の基本として「ポジティブな話を9割、ネガティブな話を1割」を心掛けましょう。
当然ながら、ネガティブな話ばかりでは保護者はうんざりしてしまいます。
だからといってポジティブな話だけでは、「先生はウチの子の課題に気づいてないのでは?」「本当に子どもを見ているのだろうか?」と疑問に思われることも。
「リーダーシップを発揮できるともっと成長できます」「国語の力が身に付けば、得意な算数もさらに伸びていきます」というように、子どものよさを認めつつ、ネガティブな面に少しアドバイスする形で伝えてみましょう。
⑦面談後の対応方法を考えておく
個人面談はその場で終わりではありません。
面談の中で対話した課題点(もちろん良い点も)を、子どもの成長へとつなげていきます。
即対応が基本ですが、長期的に時間をかけるべき課題もあります。
定期的に子どもを観察し、保護者に連絡できるように対応できるとよいです。
いかがでしたか?
個人面談は学級経営の一つです。
個人面談の時間を有意義な時間にすることで、保護者との信頼関係が構築され、教育活動に協力してくれるようになります。
そして、子どもの成長に還元できます。
ぜひ本記事を参考に、保護者とよりよい面談ができるように準備を進めていきましょう。
執筆者プロフィール
マー
小学校教員を15年務めた後、フリーのWEBライターに転身。教員時代は安全主任、体育主任、生徒指導主任、学年主任を担当。現在は「物事のよさをより多くの人に」をモットーに教育系記事、金融系記事を主に執筆。趣味は野球観戦とランニングで、野球やマラソン・駅伝を応援するブログを運営している。

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