「みんなで挑戦!長縄ダブルダッチ」戸田克先生

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1 「みんなで挑戦!長縄ダブルダッチ」戸田克先生

(レポーター:清水祥彦)

◆講師プロフィール◆

戸田 克(とだ まさる)

埼玉県川越市立大塚小学校教諭。埼玉県なわとび協会事務局長。

『全国ダブルダッチ講習会』『全国リズムなわとび講習会』などにおいて指導者を務めるなど、全国各地で指導を行う。主著に『8時間でできる!組体操の指導法』『マット運動の指導法』(小学館)などがある。

◆授業内容◆

まずは長縄を跳ぶ練習をします。慣れてきたら、両足跳びから片足跳びをやってみます。

そして、いよいよダブルダッチに挑戦。入るタイミングが難しいですが、片方の縄に集中して一生懸命跳んでいました。

授業の終わりに、男子は「腕立てジャンプ」、女子は「横へスライドする」跳び方も練習。「腕立てジャンプ」は体勢をだんだん低くすることがポイント。

また回す役にも挑戦。うまく回すコツはなわをピンと張ってから徐々に大きく回すことです。

◆インタビュー◆

—授業を終えての感想をお願いします。

子どもたちは初めての先生を相手に最初は表情が硬かったのですが、跳べるようになっていくうちに笑顔になり、ついには夢中になって跳んでいたのがよかったなと思いました。

—はじめはできる子とできない子に差があって一斉に授業を進めるのは難しいと思うのですが、うまく進めていく方法などはありますか。

どの学級でも同じだと思うのですが、異質集団ですから、一人一人の個性をどう引き出していくかが大切です。跳べる子であっても跳べない子であっても、跳べると思っている子でも跳べないと思っている子でも、教師の支援というか指導だと思うんですよね。その子をどうその気にさせるか。

—ダブルダッチを実際に取り入れる際、方法やポイントはありますか?

ダブルダッチは学級経営に非常に効果的だと思います。やはりダブルダッチというのは、跳び手が主役になってしまうんですけど、実は主役は回し手でもあり、お互いなんですね。最初のうちは跳びたくてしょうがないんです。でも「跳ばせ手」が実は縁の下で支えているんです。回し手の中でもリーダーとサポートするナンバー2が大事なんです。ナンバー1同士お互いが主張し合ってもダメなんです。リーダーが回すよと言ったらこちらはリーダーを支えるという感じですね。

—やはり、回し手が上手いと跳びやすいですよね。

そうですね。回し手の中にもお互いのやりとりがあって、そういう中で「跳ばす」という喜びができてくると、跳ぶだけじゃなく「回したい」となってくるんです。今日はまだその段階までは至らなかったんですけど、回し手自体が楽しんじゃうなわとびがある。回し手が派手にパフォーマンスをする技は、実は陰で支えているのはジャンパー、というのもあるんです。

だから主張しちゃうとダメなんです。お互いがお互いの役割を大切に。

—最後に、これを見ている教育関係者の方々へメッセージを

新しい『小学校学習指導要領解説 体育編』にはダブルダッチは明記されていないんですけど、ダブルタッチはやはり学級づくり、学級開きの段階で導入してもよいものですし、体育としては持久力や筋力といったパワー系ではなく、調整力などが必要になってきます。そういうところで回し手までは難しいかもしれませんが先生が回すならば低学年から取り入れて、いろんな体力の調整力やリズム感を養えるかなと思いますので、うまく取り入れていただければなと思います。

◆当日の様子、生徒の反応◆

早くからグラウンドには大勢の生徒が集まりました。初めはうまくできない子や恥ずかしがる子も見られましたが、だんだん積極的にチャレンジするようになり、多くの生徒が跳べるようになった光景はとても素晴らしかったです。生徒も「初めてダブルダッチをやったけど、何回も跳べるようになって嬉しかった」「回すのが楽しかった」など満足げに話してくれました。

◆編集後記◆

ダブルダッチは非常に難しいですが、どの生徒も果敢に挑戦して、いろんな跳び方をマスターしていく成長ぶりが授業内に多く見られました。また、みんなが一丸となって跳ぶ生徒の姿を見て、先生がおっしゃっていたダブルダッチは学級経営に効果的という言葉が、すごくよくわかる気がしました。そして、縄を回すのが想像以上に難しかったです。

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