目次
1 授業内容
東京理科大学の川村研究室で毎週行われている小中高校生向けの実験教室「理科大好き実験教室」から、今回力学分野の「加速度」についての授業を取り上げました。
目的
- 加速度を体感すること。
- 加速度計を作製し,身近に存在する乗り物の加速度を測定できるようになること。
- 加速度の意味を知り,速度・加速度・距離の関係についても理解すること。
授業動画
指導案
http://goo.gl/HzE21 (Word 1.6MB)
v-tグラフ
- v-t グラフの傾きに注目させ,これが何を意味しているのか,考えさせる。(発問)
【生徒実験】大型力学台車
大型力学台車に生徒一人ずつ乗ってもらい、体感することで加速度のイメージを豊かにする。
加速度の意味
- v-t グラフの傾きをaとおく。そしてグラフから
を示す。ここで,この傾きaは1秒間に変化した速さを表す。これが加速度の大きさである。
- v-t グラフの面積に注目させ,v-t グラフとグラフのt軸,v軸とで囲まれる面積は,物体の移動距離に等しいことを説明する。
- 面積を求めることにより
が求まる。(1)、(2)式を用いて
を導ける。
【生徒実験】 加速度計の作製
【準備】消臭剤の空きケース、竹串2本、模型のタイヤ4個、OHPシート(加速度に対応する角度が印刷済)、着色された水、サランラップ、輪ゴム、両面テープ
【実験】
①台車に竹串を通し,模型のタイヤをつける。
②ケースを台車に載せて両面テープで固定する。
③ケースにあらかじめ打たれた点のところまで,着色した水を入れる。そして,ケースの口をサランラップで覆い,輪ゴムをかける。
④ケースに打たれた点と,あらかじめ目盛りが振られたOHPシートの中心を合わせて,貼りつけ,完成。
- 加速度を利用した身近な電気製品(Wiiやsmart- phoneなど)を簡単に紹介する。
評価
- 物体の加速度について関心をもち,意欲的に理解しようとしているか。
- 加速度の意味を理解し,速度・加速度・距離の関係を示すことができる。
- 加速度計を作製することができ,それを正しく使用し,加速度を測定することができる。
- 身近に存在する物体の加速度について,探究し,考察することができる。
2 講師プロフィール
川村 康文先生
東京理科大学理学部第一部物理学科教授,東京理科大学大学院科学教育研究科教授、1959年,京都市生まれ。博士(エネルギー科学,京都大学)。
“ぷち発明”の第1人者。専門は物理教育・サイエンス・コミュニケーション。
歌う大学教授(環境保護ソング,世界平和を祈る歌など、ホームページで無料配信中。サイエンス・レンジャー(理科実験名人)。
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