1 はじめに
この授業は、マイクロソフト「21 世紀の教室」で行われた模擬授業を取材させていただいたものです。「21世紀の教室」は、日本マイクロソフト品川本社に設置された「体感型コンセプトルーム」です。小・中・高校の普通教室におけるICT用提案を体験できます。
詳細はこちら: http://p.tl/oCjg
2 単元名
「地球と宇宙」(中学校3年生対象)
3 単元・題材の目標
身近な天体の観察を通じて、地球の動きについて考察するとともに、太陽や惑星の特徴およびそれらの運動と見え方を理解する。さらに太陽系や恒星など宇宙についての認識を深め、天体および宇宙への興味関心を高める。
4 使用する教材
教師用デジタル教科書、World Wide Telescope、ボール、光源(電球など)
5 ICT活用のポイント
(1)授業場所
普通教室(モデル実験を行うためには遮光できる部屋が必要)
(2)授業形態
一斉学習
(3)ICTの主な活用者
教員・生徒
(4)ICT活用により、期待される効果
- World Wide Telescopeを利用することにより、観察の難しい天体をわかりやすく提示する。
- ICT (タブレット端末)に天体の写真を映し出し、それらを利用したシミュレーションにより理解を深めることができる。
6 本時の学習
天体の写真を利用したシミュレーションをとおして金星の見え方について、地球や金星の公転運動と関連付けて考え説明することができるようにする授業である。
(地球の自転と天体の1日の見かけの動きと恒星の違いについて学習しているのを前提とする。)
7 導入
振り返り(2分)
地球の自転と天体の動きについて、これまで学んできたこと(恒星と惑星の違い)をふりかえる。
本題
問題提起(8分)
金星はどのような星なのだろうか?デジタル教科書やWorld Wide Telescope (写真1参照)などを利用しながら金星について興味を持たせる。
まずは、既習事項である、太陽、金星、地球の位置関係について生徒がどの程度理解しているか、OneNoteに図を書かせて確認する。
課題把握(5分)
教師用デジタル教科書を提示し太陽・金星・地球の位置関係を確認し、本時の課題について説明する。
「金星と地球・太陽との位置の違いによって金星はどのようにみえるか」考える(20分)
- 地球の位置から見える金星の大きさや形の変化について予測し、実際にどのような見え方をするか生徒に確認させる。
- 教師は惑星のモデルとして使用するボールなどの小物を用意する。
生徒には太陽や金星・地球の位置関係を確認しながら地球の位置からカメラで
撮影させる。(写真2参照)。
3. 個別に考える時間を与え、それぞれの意見を持ちグループで実験をする。
結果を検討する(10分)
実験をもとに結果を発表し、観察結果の共有をする。
(写真1) World Wide Telescopeで見た火星の姿。
(写真2) 奥の男性が惑星のモデルを動かし、手前の男性2人がタブレット端末を使い撮影している。
まとめ
- 金星の見え方についてまとめる。
- 外惑星の火星はどのような見え方をするか、World Wide Telescopeなどを使って確認するとさらに学びが深まる。
8 編集後記
なかなかイメージすることが難しい天体の動きについて、ICTを活用し視覚化したシミュレーションを行うことにより生徒の理解が深まると思いました。生徒がより宇宙について自発的に調べるきっかけとなる授業なのではないのでしょうか。
(編集・文責 EDUPEDIA編集部 石川 瑛士)
9 協力者紹介
マイクロソフト「21世紀の教室」
マイクロソフト「21 世紀の教室」は、日本マイクロソフト品川本社に設置された小・中・高校の普通教室における ICT 活用提案をご体験いただける「体感型コンセプト ルーム」です。
2012 年秋の Windows 8 の発売に伴い、Microsoft が全世界で展開する Windows in the Classroom という授業における ICT 活用提案活動の一環として企画されました。「21 世紀の教室」では、タブレット型 PC、サーバー、電子黒板等の機材の展示だけではなく、ひとり 1 台の最新の Windows 8 タブレット型 PC をさわりながら、日本の教育関係者向けに作られた「未来の授業」の提案などをご体感いただくことができます。
マイクロソフト「21世紀の教室」
http://www.microsoft.com/ja-jp/education/ict/mtl/elementary_school/wic.aspx
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