単振動(東京理科大:川村康文先生)

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目次

1 授業内容

東京理科大学の川村研究室で毎週行われている小中高校生向けの実験教室「理科大好き実験教室」から、今回力学分野の「単振動」についての授業を取り上げました。

取材日:2012年2月23日(第4期第7回)

2 教科書

・『基礎物理学 上』川村康文著 オーム社(pp.108 – 115)

3 単振動

前回の授業で学んだ、等速円運動する物体について考えていきます。



それぞれ先生とともに、図を書きながら関係性を導いていきます。

【演示実験】円運動と単振動

実際に導いたものを実験してみましょう。後ろから光を当ててみます。
(先生) 身の回りでこのような運動があるのでしょうか?
(生徒) 振り子!
(生徒) 船の上のレーダー!
(先生) その通りだね。今日、先生は振り子を用意しました。振り子と円運動が同じような運動をするか確かめてみましょう。

次に、手回し発電機を使います。手回し発電機に電気を流すと、ハンドルが回ります。このハンドルと、ばねが同じような運動をするか確かめてみましょう。

【演示実験】巨大振り子

次は、巨大振り子の周期を測ってみましょう。

(先生) まずみんなに考えてほしいのは、さっき先生がやっていた振り子と比べて糸の長さはどう?
(生徒) 長い!!
(先生) 長いよね。糸が長くなったときに周期すなわち1往復する時間はどうなるでしょうか?短い糸と長い糸ではどうなるでしょうか?
(生徒) 糸が長くなると周期も大きくなる。
(先生) 本当?じゃあ本当かどうか確かめてみましょう(短い糸の場合は1 周期の時間は2.5 秒でした)。

(先生) 答えは、「長くなる」でした。3周期の時間は約21 秒でした。1周期の時間は約7 秒で、さっきの場合は2.5 秒でした。さて、次はおもりを重くするとどうなりますか?
(生徒) 変わらない!!
(生徒) 少し遅くなる。
(生徒) 速くなる。
(先生) どうでしょうか。じゃあやってみましょう。


【生徒実験】振り子のようすを描いてみよう

砂袋が先端についた振り子をゆらし、下の紙に振り子の運動のようすを描いていきます。

4 当日の様子

巨大振り子の実験では、大学内の吹き抜けの場所を使った大がかりな実験。生徒だけでなく、通りがかった大学生も思わず足を止めてみてしまうほどのスケールでした。学校の授業などではなかなか大きな振り子は見たことないと思うので、周期が何の要因で変化するのか実感できたと思います。最後の単振動のようすを紙に写し取る実験では、同じ速さで動かさないときれいなサインカーブが描けないので、何度も何度も挑戦していました。うまくいった時はみんな大喜びでした。
                          (レポーター:清水 祥彦)

5 講師プロフィール

川村 康文先生

東京理科大学理学部第一部物理学科教授,東京理科大学大学院科学教育研究科教授、1959年,京都市生まれ。博士(エネルギー科学,京都大学)。
“ぷち発明”の第1 人者。専門は物理教育・サイエンス・コミュニケーション。
歌う大学教授(環境保護ソング,世界平和を祈る歌など、ホームページで無料配信中。サイエンス・レンジャー(理科実験名人)。

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