本を調べて報告書を書く指導(はなまるサポート)

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目次

1 概要

この実践は(株)教育同人社の許可を得て、「はなまるサポート」の学習指導ポイント一覧より転載しています。

実践の続き(無料)は最下部のURLからご覧ください。
また、以下より実践をPDFでダウンロードできます。
http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2013/1/1/plan.pdf

2 はじめに

新指導要領をみると、中学年「書くこと」の目標は、「相手や目的に応じ、調べたことなどが伝わるように段落相互の関係などに注意して文章を書く能力を身に付けさせるとともに、工夫しながら書こうとする態度を育てる。」である。つまり、日常生活につながる『書く力』を付けるためには、児童自身に何のために書くのかが分かり、今大事なのは何かが分かるような学習を組織することが求められている

書き方の指導では、「創作文」「詩・短歌・俳句・物語・随筆」「報告文・記録文」「新聞」「説明文」「紹介文」「手紙文・依頼状・案内状・礼状」「小論文」「読書感想文」「意見文」等の文種に応じて行うことが大切である。「書き方」が分かれば、児童は喜んで書くのである。
そこで、3年生の報告文について考えてみることにする。

3 本で調べて報告書を書く

「本で調べて報告書を書く」という基本的な力を付けるための単元が『本で調べて、報告しよう』である。疑問に思う事柄に対して、数多くある文献から答えを探す学習は、自立した学習への第一歩である。従って、本を使った調べ方や本で調べて報告するときの書き方の力を付けるために、百科事典・図鑑・科学読み物などの違いを知り、その中から調べるために適切な本を選ぶこと(選書)、答えを見付けるために選んだ本の中から適切な箇所を探して読むこと(摘読)の力を付けることを、今後の調査研究活動に応用させていきたい。

この単元は、2年生の「記録したことを報告する文章を書く。」を受け、4年生の「疑問に思ったことを、アンケートなどで調査し、報告する文章を書く。」に発展する。さらに高学年では、「資料を提示しながら報告する」に発展する。ここで学んだことは、他教科でも活用できる言語能力である。報告書の型をしっかりと定着させておくことが重要である。

4 指導の実際

1、単元名

不思議に思ったことを調べ、報告しよう。

2、身につけたい力

疑問に思ったことを調べて、報告する文章を作成すること。

3、実際の授業

 日常生活の中で不思議に思ったことや今までの学習でもっと詳しく知りたいことについて話し合い、疑問に思うことを明確に意識して、調べることを決める。

① 調べるときに役立つ本の種類を知る。・・・百科事典・図鑑・科学読み物など

② 百科事典や図鑑の使い方を知る。
 → 背表紙・目次・索引を使って言葉を探す方法を理解する。練習を繰り返し、活用できるようにする。背表紙を見て、調べたい言葉がある本を探す。

もくじ → ・ 目次を見ると、その本に書いてあることが大体分かることを知る。
      ・ 目次には、大きい見出しと、その下の小さい見出しがあることを知る。
索引  → ・索引は本の終わりの方に書かれていることを知る。
      ・見出し語が五十音順に並んでいることや、調べたい言葉が索引にないときは、本の中でその言葉は説明されていないことを知る。別の本を探す。

奥付  → ・ 筆者名・出版社・発行年は裏表紙の奥付を見ることを指導する。

また、本で資料を収集するときは、目的に合ったページに付箋を貼り、書かれている内容を簡潔に付箋に書かせる。後日読み返すとき便利であることを知らせる。

  1. 本を読んで、報告書に書きたいと思うことを、ワークシートにメモする。
  2. 難語句は、辞書を引いて、ワークシートに意味を書き添えるようにさせる。
  3. 引用が必要な部分以外は、できるだけ自分の言葉で要約するようにさせる。
  4. 引用が必要な部分は、そのまま書き写し、調べた本の題名・筆者名・出版社・発行年などを間違えなく書くようにさせる奥付を見るように指導する。
  • 大事だと思うところはメモを取る
  • さらに知りたいことを考えさせ、詳しく書いてある本を探させる。
  • 本から自分の問いに対する答えを見つけて書き取るときには、自分の言葉でまとめるようにさせる。
  • ワークシートに、使った本の書名・著者名・出版社・発行年などを書かせ、出典を明らかにさせる。奥付の役目を伝える
  • 難しい言葉は辞書で調べて、意味を書かせる。
  • 引用が必要な部分以外は、本をそのまま書き写すのではなく、必要なことを端的にまとめて、要点を絞って書くようにさせる。引用するときの表現や出典の示し方を理解する。

引用するときは、

  • 何のために引用するのかという目的を明確にする
  • 原文を正確に引用する
  • 引用した部分と自分の考えを区別する
  • 必ず出典を明記するようにする

5 実践の続き

続きは以下のURLをご覧ください。
http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2013/1/1/4.php

6 実践者紹介

福本 菊江 
「美しい日本語を話す日本人の育成」を目指して、国語教育に携わってきた。
「授業は教師の命である」の信念のもと、理論と実践の統一を目指している。
東京都小学校国語研究会や全国小学校国語研究会で、全国の先生方と研究を続けている。
殊に、音声言語の指導の重要性を強調している。
現在は、初等教育研究所で国語科の担当である。

7 サービス紹介

教育同人社の「はなまるサポート」では、若い先生のための授業ヒント集として、毎月の学習指導ポイントを細かく解説をしています。また、不明点や疑問点などを無料で相談できます。
http://www.djn.co.jp/support/

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 藤井本健太)

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