わたしの「とっておきのもの」(田村一秋先生)

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目次

1 はじめに

 この記事は、2014年2月6日に聖学院小学校の校内研修(教師の研修のための授業研究)で行われた田村一秋先生の実践です。また、内容は田村一秋先生の国語科学習指導案をもとにしています。単元『わたしの「とっておきの一枚」』の授業の中で、本時は「スピーチを聞きあいお互いの良いところを認め合う」を行う時間です。授業の中でiPadやApple TVなど、ICTを授業に積極的に取り入れています。

2 実践内容

 わたしの「とっておきのもの」

教科 国語
学年 小学校5年生
単元 『わたしの「とっておきの一枚」』東京書籍 小学校5年生『新しい国語』国語下

■本単元の意図

本来、本単元は、東京書籍『国語下』の「わたしのとっておきの一枚」というスピーチを行う単元をベースにしている。この中では、家庭にある「とっておきの一枚」の写真を持ってきて、それを見せながら写真についての思い出をスピーチの形で伝える流れで進められていく。これは、実物を見せながらスピーチをする「ショーアンドテル」の手法であるが、実物を持ってくるという制限から、どうしてもプリントされている「写真」、あるいはそれに類する大きさのものに限られてしまう。

しかし、今回、iPadを使用するにあたり、家庭に持ち帰って思い出の品を撮影してくることを前提に進めていった。そのことにより、大切な品については大きさや形態の制限なしに「ショーアンドテル」が可能になる。そこで保護者の協力を得、iPadを家庭に持ち帰り、思い出の品の写真を撮ってきて、それを素材にスピーチを行うことにした。

iPadでは、ただ写真を見せるだけでなく、拡大したり、違うアングルの写真を提示したりということも可能である。そのあたりのiPadならではの特徴も生かせるようにと考えている。

 単元の目標

  • 相手に伝わる工夫をして話す。
  • 話し手の思いをとらえながら聞く。 
  • 話に合わせて写真の提示を工夫する。

 指導計画


 1.スピーチで話す話題を考える
 2.iPadで思い出の品を撮影する
 3.話の組み立てを考える
 4.スピーチの練習をする
5.スピーチを聞き合い、お互いの良いところを認め合う(本時)

 使用機材

iPad(第4世代)16GB 41台(人数分)
今回は「カメラ」と「写真」のアプリケーションのみの使用
教室ではApple TVをAirplay機能で共有

3 本時の学習指導

目標

iPadの特徴を生かし、工夫してスピーチを進めることができる。

展開(指導案)

※指導案pdf 添付ファイル

4 使用プリント

 ①マッピングシート

※資料pdf 添付ファイル

 

 ②スピーチメモのまとめ(本時の授業で使用)

※資料pdf 添付ファイル
 

5 授業の様子(授業を見学してみて)

授業の中では、子どもたちの個人の学習に関してはiPadが、クラス全体の授業に関してはAppleTVがかなり効果的であったと感じました。

iPadを使うことにより、発表では「拡大や、違うアングルの写真を提示」するなどの工夫が可能になり、子どもたちもそれらの機能をうまく使いながら発表していました。また、聞いている子どもたちも発表者のiPadによく注目していました。Apple TVとともに使うことで、授業の幅が格段に広がっているなと思いました。

印象的だったのがAppleTVです。テレビ画面でルーレットのアプリケーション(※下記に詳しく記載)を映して発表者を選んだり、子どもたちのiPadとTVをつなげていたり、クラス全員を授業に注目させたいときに効果的なものだと思いました。

スピーチも1回で終わるのではなく、回数を重ねることで子どもたちの発表がどんどんうまくなっていっていました。また、写真を使うことで子どもたちそれぞれの思い出がより際立って伝わりました。(七五三や剣道の防具の話など、面白いスピーチがたくさんありました。)

子どもたちの学習の幅を広げるのにICTはかなり効果的であると思いました。

6 編集後記

最近「ICT教育」ということをよく耳にしますが、この授業はその「ICT教育」の素晴らしい参考例だと思います。子どもたちがiPadで遊ぶことはなく、よく使いこなせていました。ただ、それは先生や学校の指導と保護者の理解があって初めて成り立つものであるということも忘れてはいけないと思います。これからもICT教育の展開に注目していきたいと思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 宇野元気)

7 実践者プロフィール

田村 一秋(たむら かずあき)

東京都北区にある私立聖学院小学校の教師です。

教室ディベートの立ち上げ期から『授業づくりネットワーク』(学事出版)と共に、実践レポート研究、スピーチ、学習ゲーム、お笑い教育など実践を続けてきました。

最近では、ライティングワークショップ、協同学習、質的研究などを進めています。

2013年度からそれまでのコンピュータからiPadに全面的に切り替えました。現在授業でiPadをどのように活用していくか学校をあげて実践、研究中です。

■資料

Apple TV iPhone(iPad)の画面を教室のテレビに映す機材

2014年4月現在 9800円(税別)(別途HDMIケーブルが必要です)
http://www.apple.com/jp/appletv/airplay/).PNG,560)

Selector Spinners ルーレットのアプリケーション※

App Store検索してみてください。
2014年4月現在300円

iPhoneとiPadのどちらでも使えるユニバーサルアプリケーションです。

協同学習について

JASCE 日本協同学習学会

http://www.jasce.jp/

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