菜の花の向こうに(ESD環境教育プログラム・奈良県)

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目次

1 はじめに

この実践は環境省「平成25年度 持続可能な地域づくりを担う人材育成事業」内で作成された、ESD環境教育プログラムです。ここから単元計画もダウンロードできます。

download(菜の花の向こうに)

2 ESDとは

ESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発のための教育」という意味で、持続可能な未来や社会づくりのために行動できる人の育成を目的とした教育のことを言います。環境、人権、健康福祉、多文化共生、まちづくりなどの様々なテーマがあります。

3 実践内容

ESDの要素

持続可能な社会づくりの構成概念

  • 多様性
  • 有限性
  • 連携性
  • 相互性
  • 責任性

ESD視点で育みたい能力/態度

  • 【協力】他者と協力する態度
  • 【関連】つながりを尊重する態度
  • 【多面】多面的、総合的に考える力
  • 【参加】進んで参加する態度
  • 【伝達】コミュニケーションを行う力

プログラムの目標

菜の花の栽培を通じ、自然環境への関心を高め、生物多様性を尊重する態度を養います。また、菜の花から絞った菜種油をバイオエネルギーとして活用することから地球温暖化について関心を高めるとともに、社寺に灯明油として奉納する活動を通して、文化遺産への関心を高めます。さらにすべての文化遺産が意図的に守られ、伝えられてきたものであることに気付かせることで、先人の営みを通して地域を誇りに大切に思う心を育て、今もその活動に取り組んでおられる方との出会いを通して、次代を担う当事者意識を養っています。

プログラムの概要

地域の菜の花ボランティアやNPOの協力を得ながら、年間を通じて菜の花を栽培します。理科との関連で植物のつくりについての学習、社会科では伝統工業である握り墨づくり体験、国語科での書写、家庭科では菜種油を用いた菜の花の天ぷらや麦縄の調理など、学年縦断型の学習として展開しています。また採取した菜種油をバイオエネルギーとして活用することで、低炭素社会や循環型社会について学ぶほか、地域の社寺に灯明油として奉納するなど、環境教育と文化遺産教育を融合させているところに特色があるプログラムです。特に社寺での僧侶や神官の話から、幸せや平和という、時代を越えた人々の願いについて学習する機会となっています。

学習指導要領との関連

  • 小学校3年生 理科
  • 小学校3・4年生 社会
  • 小学校3~6年生 国語
  • 小学校5・6年生 家庭科

プログラム(単元・題材)の展開の流れ(全64時間)

download(プログラムのダウンロードはこちらから)

【引用元】

  • ウェブサイト「ESD環境教育プログラム」 ESDを知る

https://edu.env.go.jp/esd/column

  • ウェブサイト「ESD環境教育プログラム」 地域ESDプログラム(奈良県)

菜の花の向こうに

https://edu.env.go.jp/esd/program/detail_r29

4 編集後記

菜の花という一つの題材で、これほど多くの観点からの学習に広がることにとても驚きました。環境教育、エネルギー教育、世界遺産等文化財に関する教育など、ESDの概念に合った複合的な学習を学年を超えて継続することで、より多くの学びが得られることが期待できる良い実践ではないでしょうか。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 森田 優花)

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