1 はじめに
この実践は環境省「平成25年度 持続可能な地域づくりを担う人材育成事業」内で作成された、ESD環境教育プログラムです。ここから単元計画もダウンロードできます。
2 ESDとは
ESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発のための教育」という意味で、持続可能な未来や社会づくりのために行動できる人の育成を目的とした教育のことを言います。環境、人権、健康福祉、多文化共生、まちづくりなどの様々なテーマがあります。
3 実践内容
ESDの要素
持続可能な社会づくりの構成概念
- 多様性
- 相互性
- 有限性
- 責任性
ESD視点で育みたい能力/態度
- 【未来】未来像を予測して計画を立てる力
- 【多面】多面的、総合的に考える力
- 【伝達】コミュニケーションを行う力
- 【関連】つながりを尊重する態度
- 【参加】進んで参加する態度
プログラムの目標
絵本作りの題材となる地域に出かけて、専門家といっしょにナベヅルの生態や特徴を観察します。そして、ナベヅルと共に生きる地域の人々からその暮らしの伝統や歴史について聞き取り、自分の身近な環境に対する関心を高めます。また、八代に飛来するナベヅルが減少している理由や環境の変化から、自分たちの生活がナベヅルや自然環境に与える影響について理解を深めます。観察や交流などの体験から学んだことを絵本で表現することを通して、人と自然のつながりや関わり方について考え、それを他者とわかちあうきっかけとします。
プログラムの概要
山口県周南市八代は、本州で唯一のナベヅル(特別天然記念物)の越冬地で、日本の自然保護発祥の地でもあります。ナベヅルは毎年10月下旬に中国やシベリアの繁殖地からはるばる渡ってきて、田んぼで羽を休め、八代の人々と共に冬を越します。そして3月になると、春の訪れを待ってふるさとの繁殖地に帰っていきます。そんな八代の地域では、ナベヅルを迎えて送り出す人々や暮らしの伝統が古くから伝わっています。このプログラムでは、ナベヅルと共生する地域の人々やその暮らしとふれあいながら、専門家から八代に飛来するナベヅルについて学び、地元出身の漫画家といっしょにナベヅルと共生する地域の暮らしを題材とした絵本作りに挑戦します。
学習指導要領との関連
- 小学校3年・4年 理科・国語・図画工作
プログラム(単元・題材)の展開の流れ(全12時間)
【引用元】
- ウェブサイト「ESD環境教育プログラム」 ESDを知る
https://edu.env.go.jp/esd/column
- ウェブサイト「ESD環境教育プログラム」 地域ESDプログラム(山口県)
絵本作家を目指そう
https://edu.env.go.jp/esd/program/detail_r35
4 編集後記
自分で絵本を書きあげるということは子どもたちにとって貴重な経験であり、自信にもつながるのではないかと思います。また、絵本として表現することで、ナベヅルの生態だけでなく、八代の文化、生物と人との共生、表現力を学ぶことができます。一つの物事は多面的な要素をはらんでいるということを、子どもたちに体感してもらうこともできるのではないでしょうか。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 宇野 元気)
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