1 はじめに
この実践は環境省「平成25年度 持続可能な地域づくりを担う人材育成事業」内で作成された、ESD環境教育プログラムです。ここから単元計画もダウンロードできます。
2 ESDとは
ESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発のための教育」という意味で、持続可能な未来や社会づくりのために行動できる人の育成を目的とした教育のことを言います。環境、人権、健康福祉、多文化共生、まちづくりなどの様々なテーマがあります。
3 実践内容
ESDの要素
持続可能な社会づくりの構成概念
- 多様性
- 相互性
- 連携性
- 責任性
ESD視点で育みたい能力/態度
- 【協力】他者と協力する態度
- 【関連】つながりを尊重する態度
- 【多面】多面的、総合的に考える力
- 【伝達】コミュニケーションを行う力
- 【未来】未来像を予測して計画を立てる力
- 【参加】進んで参加する態度
- 【批判】批判的に考える力
プログラムの目標
校区は住宅や集合住宅、店舗等が多く、流れる川も人工的に造られた水路や護岸工事されたコンクリート張りのものがほとんどであり、自然に恵まれているとは言い難く、子どもたちにとっては自然とふれあう機会が圧倒的に少ないのが現状です。そこで地域で自然環境を守る活動をしている方々や地域の学習ボランティアと連携し、地域の自然環境に愛着を持つため自然に触れる体験活動を取り入れた学習によって、郷土に愛着を持ち、守ろうとする態度を培うとともに、様々な視点から地域の環境を見つめなおし、これからの「ふるさと」をよりよい環境にしていこうと主体的に行動できる子どもを育成することを目指します。
プログラムの概要
「生物の多様性」をテーマとして、1年「草花」、2年「草花」、3年「昆虫」、4年「鳥」、5年「魚」、6年「土壌生物」と分担して地域の生き物について調査・観察し、その結果を「渋川生き物絵図」として一枚の絵図にまとめることによって、地域素材の「見える化」と、絵解きによるふるさとづくりを行います。渋川地区で取り組まれている「ふるさと絵図」と呼ばれる60年前の渋川地区の様子を描いた心象絵図との比較を行い、「過去・現在・未来」の時間軸、「池・川・琵琶湖」の空間軸、「お年寄り・親・子ども」の世代軸、「生き物・暮らし・人」の生活軸等の視点から、地域の「つながり」を見つめなおすプログラムです。
学習指導要領との関連
- 小学校1年生 生活・国語
- 小学校2年生 生活・国語
- 小学校3年生 総合・理科・社会・図工
- 小学校4年生 総合・理科・社会・国語・道徳
- 小学校5年生 総合・理科・社会・国語・特別活動
- 小学校6年生 総合・社会・家庭・国語・道徳
プログラム(単元・題材)の展開の流れ(全27時間)
【引用元】
- ウェブサイト「ESD環境教育プログラム」 ESDを知る
https://edu.env.go.jp/esd/column
- ウェブサイト「ESD環境教育プログラム」 地域ESDプログラム(滋賀)
渋川生き物絵図
https://edu.env.go.jp/esd/program/detail_r25
4 編集後記
身近な川に住む生き物を単純に調べるだけではなく、事前に計画を立てることから始まり、地域の人との連携までを行うことなど、一つのテーマから多くの学びを生み出すこの実践はたくさんの引き出しを持っています。
また、日常の中にある川に視点を当てることでそこに愛着が生まれ、子どもたちにもっと自然を大切にする気持ちを抱かせられるんだろうと思いました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 岸 剛志)
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