鬼が逃げる鬼ごっこ(シリウス)

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目次

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。

http://homepage1.nifty.com/moritake/

2 実践内容

鬼ごっこは普通鬼が他の子を追いかける。鬼が逃げる鬼ごっこは、普通と違い、子どもたちが「えー?」と驚く。「先生またやろうよ」とアンコールが起きる。

授業の流れ

「先生のまわりに集まりなさい。これから鬼ごっこをします」
子どもたちは別に驚きもしない。鬼が追いかける鬼ごっこを思い浮かべたのであろう。

「鬼が逃げる鬼ごっこです」
すると、子どもたちは一斉にこちらを見た。中には「えー?」という子もいた。そこで

「あれっ、先生、何か変なことを言ったかな?」
すると口々に「いったよ!鬼が逃げるっていったよ」ともう得意げである。

「あっそうかそうか、ごめんごめん」
そしてすぐに続ける。

「ではもう一度いいます。鬼が逃げます」
すると、さっきよりも大きな声で「ええーっ!」と叫び声があがった。

「そうなんです。鬼が逃げる鬼ごっこなんです。鬼を捕まえちゃう鬼ごっこなんです」
子どもたちは、鬼が逃げる鬼ごっこってどうするの?やり方を早く聞きたいな、やってみたいな、という顔である。

ルール①:○○さんが鬼になります。帽子を白にして下さい。この○○さんに触ったら、鬼になれます。鬼になった子は帽子を白にして下さい。この新しく鬼になった子を触っても鬼になれます。鬼になれた子が勝ちです。鬼になれなかったら負けです。

気の早い子はもう鬼を触っている。笛の合図で一斉に鬼を追いかけ始めた。まるでクモの子を散らすようだった。一人が鬼にタッチするとそこから急激に鬼が増える。そこで再び子どもたちを集めて

ルール②:赤い帽子の子は立ちなさい。今鬼になれなかった子たちが、今度は最初の鬼です。

最初の鬼になった子たちは「やったあ」と喜んだ。そして鬼になれなかった他の子たちは「いいなあ」とうらやましそう。

この鬼ごっこは鬼がスターなのである。

授業のねらい・成果

この鬼ごっこは確実に運動量を得ることができる。

普通の鬼ごっこは、鬼と標的の子の運動量は得られるが、他の子はほとんど動かなくてもすむ。ところが鬼が逃げる鬼ごっこは、鬼になれるまで走り続けなくてはいけない。鬼になったらタッチされないように走らなければならない。

このように全員の運動量を確保することができる。

3 プロフィール

静岡県教育サークル
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 編集後記

鬼が逃げる。まさにコペルニクス的転回、斬新なアイデアですね。みんなから追いかけられるのは恐怖ですが、ちょっとしたヒーロー気分を味わえそうです。普段の鬼ごっこであまり動かないタイプの生徒をあえて鬼に指名してみる、などすると面白いのではないでしょうか。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 細木 和樹)

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