【おすすめ書籍】 教師観 「素晴らしい親 魅力的な教師」  クリ・アウグスト(古屋 美登里=訳)

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「素晴らしい親 魅力的な教師」 クリ,アウグスト【著】/古屋 美登里【訳】、ポプラ社、2006/01

内容

心理学者として数多くの親子や教師に接してきた著者による、カナダ、ブラジルでベストセラーとなった本書。

美しさを感じる豊かな感性や、自分自身の内面について考える積極的な精神を育む教育のために、親と教師が子どもにどう関わるのか、その在り方について示されています。

これは決まり事について書かれた本ではありません。日々難問に直面している人には決まりなどなんの役にも立たないからです。深くものを考える人を育成するにはどうしたらいいのか、感情を磨き、知性を高め、生活の質を向上させるためにはどうしたらいいのか。そのための精神的な取り組み方を書きました。(「序として」より)

目次

序として
まえがき
第1章 素晴らしい親から学ぶ七つの教え
第2章 魅力的な教師から学ぶ七つの教え
第3章 教育者の七つの大罪
第4章 人間の記憶の五つの役割
第5章 理想の学校
第6章 巨大な塔
最後に
訳者あとがき

おすすめコメント

筆者は、教師という職業がいかに子どもの人生に大きな影響を与えるのかということを、力強く、そして優しい口調で語りかけてきます。

「精神科医、臨床心理士、教師、親は、夢と希望の配達人です」

「自分について積極的に語り、人生の経験を生徒に分け与えてください」

「教室で淡々と教えられるひとつひとつの情報の陰には、科学者の涙や冒険や勇気があります。ところが、生徒たちはそれを知らされていません。/科学の歴史を、そして思想家の生き方を語って聞かせることは、彼らが生み出した知識を同じくらい重要なことです」

本書の言葉1つ1つが、大人の言われた通りに動き、教えられたことをそのまま貯めこむ機械のような教育ではなく、大人も子どもも1人の人間として、自由に誠実に関わることの大切さを教えてくれます。そして、教育についてだけではなく、自分自身の生き方をも振り返させられることでしょう。教育だけでなく、人との関わりについて考える方におすすめです。

教師とは、どんな職業なのか

第6章「巨大な塔」は、様々な職業の人が集まり、現代社会でもっとも重要な職業を決める大会が行われる、という物語です。結果は読む前に分かると思いますが、精神科医や裁判官、軍人が観客を魅了する中、教師は自分たちの職業をどのように語るのか。
第6章は物語なので、本に書かれている結末は単なる絵空事でしょうか、それとも実現できるものなのでしょうか。
本書が教師の役割や学校のできることについてよく考えるきっかけになればと思います。

「教育は人を信頼することから始まります。今の若者たちにいかに失望しようと、未来を信じて希望を持ちつづけること——それが教育です。」(筆者)

参考

ポプラ社
コチラに詳しい目次や、試し読みもあります。

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