五分休憩 学級担任の1日に「徹底反復」(徹底反復研究会叢書)

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目次

1 はじめに

授業時間外に活用できる実践内容を掲載している、『こんなときどうする?日々の指導に生かす「徹底反復」(徹底反復研究会叢書1)』の書籍と実践内容の紹介記事です。5分休みや運動会、六年生を送る会についてなど、日常指導から行事に関わる指導など、様々な場面で活用できる工夫が紹介されています。
 本記事では、『5分休憩 学級担任の1日に「徹底反復」』を紹介します。「けじめをつけて行動する」「自分を磨く」など、5分休みをただの休み時間にするのではなく、子どもの成長するチャンスの時間にするためのポイントをお届けします。

こんなときどうする?日々の指導に生かす「徹底反復」徹底反復研究会叢書1

著:徹底反復研究会中国支部 監修:陰山英男 中村堂

  • 小学校現場から発信される「教育改革」の旗頭である陰山英男先生(立命館大学教授)監修の新シリーズ
  • 陰山英男先生が主宰する「徹底反復研究会」の理論と実践を明らかにする叢書の第一弾
  • 学校生活44の「日常生活」指導のポイントをピックアップ
  • 日々の指導における徹底反復学習を詳説
  • 徹底反復研究会中国支部の若き精鋭教師陣が執筆

本書「はじめに」から

 学校生活の4割強は授業時間外ということになります。そこには、朝の会や休憩時間、給食に掃除と、実に様々な活動が存在します。私たちは、この大きな割合を占める時間も「日常指導」の重要な指導ポイントであると考えています。(中略)行事を通して個々の児童を育てていくことが大切です。それぞれ場面においての徹底反復学習とは何かをイメージしながらお読みいただければ幸いです。

  • 本体価格2,000円+税
  • ISBN978-4-907571-02-3
  • A5判 並製 192ページ
  • 2014年5月1日発行

中村堂リンク
http://nakadoh.com/?page_id=616

2 実践内容(本書P.22-23)

第1章 5分休憩 学級担任の1日に「徹底反復」

1 5分休憩で子どもにどんな力をつけたいか

5分休憩は何のためにあるのでしょうか。5分休憩は空白の時間で終わらせてもよいのでしょうか。答えは否ではないでしょうか。子どもたちが登校し下校するまで、子どもたちを伸ばせない場面はありません。いかなる場面でも、子どもたちを伸ばすチャンスがあると考えます。教師はどんなときもその意識をもち、子どもたちを見ていなければいけません。そう考えると、5分という短い休憩時間もねらいをもって徹底反復することで、十分子どもを伸ばすことができます。教師のねらいがはっきりしていれば指導がぶれなくなります。ねらいをはっきりさせて指導していきましょう。
まずは、5分休憩を子どもたちはどのようにとらえているのかということをしっかりと聞きます。その後、教師はねらいをはっきりと伝えます。
「5分休憩はけじめを身につけるための練習の時間です」ここで、子どもたちにけじめをつけて行動することの大切さを説明し、5分休憩も自分を磨く時間であることをはっきりとさせておきます。
〈けじめをつけて行動できる子はかしこい子〉
なぜけじめをつけて行動できる子に育てたいのかというと、学校生活の中や授業の中、さらに細かくいうと子どもたちの行動一つ一つの中には、必ずけじめをつけて行動することが必要だからです。子どもたちの中にけじめがなければ、学級経営が成り立っていかないと言っても過言ではありません。
また、けじめをつけて行動できる子は集中力も高いです。けじめというのは、次に向かう姿勢だと考えます。つまり、次の行動に向かって心も体も準備が整っていれば集中力が高まり、結果、学力向上につながっていくと思います。
「けじめをつけて行動することができる人は損をしません」
けじめをつけて心も体も次の準備ができている人は、たくさんのことを吸収できるということなのです。

2 自らを磨く

子どもたち一人ひとりに、「5分休憩は自分を伸ばす時間なのである」という意識をもたせなければなりません。そう考えると、5分休憩の間にだらだら準備をする人、おしゃべりをする人は自らを磨いているでしょうか。磨けていませんね。5分休憩をパーツに分け、具体的にどのように動けばよいのかということを教室に掲示し、反復して指導していくと無意識にパーツをこなすことができるようなります。すると子どもたちの準備スピードは驚くほど変わってきます。すると時間に余裕ができるようになり、けじめを身につけ、すばやく動くことが気持ちよく感じるようになります。自らを磨くことは気持ちのよいこと、自分にプラスとなって返ってくるものだと感じさせたいですね。

3 他を思いやる

学級によっては各教科の準備係当番がいる場合もありますが、5分休憩で行う授業準備は基本的に個人作業となります。しかし、スピードが上がりすばやく準備できるようになってきた子には、自分のこと+プラスワンを意識させます。準備係当番の子の手伝いをすることも一つです。また、教室環境の整理も大切だということを伝えます。例えば、机がガタガタ、床にごみが落ちている状態で授業をしても賢くなりません。
「○○くん、机をそろえてくれてありがとう。これでみんな賢くなれるぞ」と、タイミングのよい評価をしてあげましょう。

3 もくじ

  • 「徹底反復研究会叢書」発刊にあたって
  • はじめに

第1章 学級担任の1日に「徹底反復」

  • 登校
  • 朝休憩
  • 朝の会
  • 5分休憩
  • 中休み
  • 給食準備
  • 給食の後片づけ
  • 昼休憩
  • 掃除
  • 帰りの会
  • 下校

第2章 学級経営に生かす「徹底反復」

  • 当番活動
  • 係活動
  • 掲示
  • 机の配置
  • 宿題提出
  • 忘れ物
  • 席替え
  • ロッカーの荷物
  • 連絡帳
  • 健康観察
  • 返事
  • 姿勢
  • あいさつ
  • いす入れ
  • 「お願いします。ありがとうございました」
  • 拍手
  • みだしなみ
  • 教室移動
  • 「ただいま」「おかえり」
  • プリント配布
  • 1年生の補助

第3章 行事に生かす「徹底反復」

  • 始業式・入学式・就任式
  • 遠足
  • 全校集会
  • 避難訓練
  • 修学旅行
  • 運動会
  • 学習発表会
  • 音楽発表会
  • マラソン大会
  • 児童会選挙
  • 6年生を送る会
  • 卒業式
  • あとがき

4 おわりに

本記事では『こんなときどうする?日々の指導に生かす「徹底反復」(徹底反復研究会叢書1)』の5分休みに関する実践を紹介しました。「早く準備ができるようになった人は自分のことプラスワンを意識させる」など、こどもそれぞれの進度に合わせた指導が、教室全体の雰囲気をよりよくしていくことに繋がっていくのではないでしょうか。

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